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掲載日:2023年11月21日
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訪問日
令和3年7月14日(水曜日)
訪問地域
利根地域(白岡市、宮代町、杉戸町、久喜市)
訪問先
ネジ加工に特化したタップ・ダイス(ネジ加工工具)の専門メーカーです。
従来の製品に「田野井ならでは」の技巧を凝らし、使い勝手が良く高付加価値で差別化された”オンリーワン製品”を製造しています。
ネジ加工に特化することで全社員がネジに熟知・精通し、営業マンがさながら主治医のようにお客様に対応する”ドクターセールス”という独自の顧客対応を実現しています。
知事は、製品の説明を受け、ネジ加工工具の製造工程を視察した後、代表者や社員の方々と意見交換を行いました。
ネジ加工工具の製造工程の説明を受ける
田野井製作所が手掛ける製品は多品種で、どれも他社には真似できないものばかりだと思いました。こうした製品の製造管理は難しく、不良品を出さないように精度を管理するには確かな技術を持った人材の育成が重要になると思いますが、いかがですか。
社員の教育や技術力の継承は重要な課題です。マニュアルはありますが、最後は人に頼る部分が大きいです。IT化やAIの技術を上手に取り入れながら、マニュアル化できないところはしっかりと時間をかけて継承していくすることが必要だと考えています。
新型コロナの影響で、社内外の人間関係に影響はありますか。
一番は、社内の様々なイベントが対面ではできなかったことです。お客様訪問に関しても、当たり前のように訪問していましたが、今はできません。新型コロナという一つの事象をどう捉えどう行動していくか、プラスに転換できるように日々取り組んでいます。
プラスという意味では、どう変わりましたか。
一番のチャレンジは、オンラインの展示会です。対面の展示会だと、中小企業と大手企業の差は一目瞭然です。展示ブース一つとってもお金のかけ方が違います。ところが、オンラインだとその差はあまりなく、大企業のページと同じようにクリックしてもらえるので、ビジネスチャンスが広がりました。
埼玉県では新型コロナの感染拡大をきっかけに、これまでさいたまスーパーアリーナで開催していた「彩の国ビジネスアリーナ」を全部オンラインに切り替えました。今までとは違う販路が開けたという声も多く、参加企業も増えました。是非、御利用いただきたいと思います。
すてっぷ宮代は、老人福祉センター・児童館を宮代町と宮代町社会福祉協議会が共同でリノベーションし、官民連携により有効活用している施設です。
分散した福祉作業所を集約し、障害者や町出身芸術家の作品を展示することで、福祉と芸術の交流拠点となることを目指しています。
また、社会課題に対応したセミナーやイベントを開催するほか、ボランティアの裾野拡大を図るための養成講座を実施しています。
知事は、すてっぷ宮代の施設を視察し、さをり織体験をした後、町社会福祉協議会の方々と意見交換を行いました。
福祉作業所にて、さをり織を体験する
新型コロナの影響でシニアの方々などが思うように活動できない状況にあると思いますが、そうした中でも取り組んでいることをお聞かせいただけますか。
コロナの影響で、各地域のサロン活動などはここ一年ほとんどできない状況にあります。こうした状況を少しでも改善し、また、活動が再開したときの手助けになればと思い、「福祉作業所ひまわりの家」のメンバーと社会福祉協議会の職員とでフェイスシールドなどを作り、サロンの方々に配りました。
普段のボランティア活動はどのようなものがありますか。
ボランティアの方々は、様々なところに出向いて、自分たちの持っている特技を活かした傾聴ボランティア、展示、手品、音楽などの活動をしています。
福祉作業所への通所を中止したり、介護サービスの利用を控えたりするなど、利用者の方への影響はどうですか。
福祉作業所の利用者の中で、新型コロナ感染拡大を理由として利用をストップした方はおられません。むしろ、利用を希望する方が多いです。
コロナ禍ですが、介護保険サービスを受けられる利用者の95%くらいはこれまで通り利用しています。一方で、介護保険サービスを利用していない高齢者の方は、施設の利用がストップしてしまいました。
皆さんが安心して活動できるよう、ワクチン接種率を高めていく努力をしていきますので、もうしばらくお待ちください。
「農」という町の地域資源を媒介として、新しいコミュニティや価値を創造し、その仕組みを町全体に広げていく拠点です。
農や食をテーマとした体験事業や講座を開催し、コミュニケーションの活性化を目指しています。
また、地域内自給自足の推進と町内農業の活性化により、地産地消の推進に貢献しています。
知事は、新しい村の各施設を視察した後、代表者や地元農家の方々と意見交換を行いました。
販売されている農産物などについて説明を受ける
埼玉県では、暮らしに必要な機能を町や村の中心にコンパクトに集め、子供から高齢者まで安心して生活できる社会を作りたいと思っています。我々はそれを「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」と言っていて、その中にはエネルギーの効率的な運用なども含めようと思っているのですが、人を「集める」とか「集まる」ための秘訣など、何かヒントになるようなことがあればお聞かせ願えますか。
生産組合会員の皆さんと日夜、コミュニケーションを取ることが最も大切ですね。また、常に施設の管理状態を良くして、生産者に品質の良い物を作っていただくことが大事であると思います。そうすればお客様は自然と集まってきます。
エネルギーの利活用との関連ですが、私はメタン発酵消化液を利用したエネルギーと肥料づくりによる循環型農業に取り組んでいます。家庭から出る生ごみや畑から出る残さをメタン発酵槽に入れ、メタンガスを発生させます。そのガスは、電気を起こしたりするエネルギーになります。残った液体は液体肥料に、最終的に残った残さも固形の肥料になるという、完全な循環型農業です。
最初は思うように農作物ができなかったのですが、この取組を始めてから、少しずつ改善されてきていると感じています。
そうした取組はとても大切だと思います。今、我々は、全部一人で循環させるのではなく、企業や市町村、農家が連携してパーツ毎にできないかと考えています。例えば、企業が市町村からごみをもらってきて、それを利用してメタンガスを発生させる。残った残さは土に変え、肥料として農家に使ってもらう。畑などでまた出た残さを利用して発生させたメタンガスを、他のエネルギーと一緒にして企業が販売できるようにする。そういった仕組みができると一番いいと思っています。
自分たちでガスを発生させてプラントを動かし、残りは肥料として全部使えるような小さな取組を各農家ができるようになったら良いとも考えています。
生産者のこうした取組を知った上で、美味しい野菜をしっかり自分の手で選ぶ方が増えればいいなと思い、生産者の力になれるよう地元産の食材を使ったお弁当を作っています。
地域に仕事をつくり、ひととまちをつなぐアクションを展開する女性ユニットです。
“ちょっと田舎”で小さく愉(たの)しい自立の形を提案し、起業をめざす女性と地域の発展をつないでいます。
趣味・特技・個性を仕事にする、月3万円しか稼がないスモールビジネス「3ビズ」を提唱し、地域の課題を「わたしごと」として捉えるきっかけをつくり、地域に活力と経済循環を生み出しています。
知事は、choinacaのメンバーや3ビズの卒業生と意見交換を行うとともに、販売している商品などを視察しました。
展示物や活動内容について説明を受ける
「まちを元気に」というのは、私もとても大切なことだと思います。今の産業の特徴である「小さく産んで大きく育てる」ことをしっかりと発信していただくのは、とても頼もしいし、ありがたいことだと思います。
杉戸町役場所有の建物をお借りして、私たちの活動拠点を新しくオープンしました。
これに併せて、3ビズのメンバーで「ここらへんみやげ店」という企画をゼロから考えました。観光資源が少ないといわれる杉戸に、あえて土産物店を作ろうという実験的な取組です。そこには眠っている観光資源を私たちで掘り起こして、新たな杉戸の魅力として発信していこうという狙いがあります。杉戸町周辺で採れた農作物を使ったラスクや、昭和30年代の杉戸町の風景をポストカードにしたものなどを販売しています。
これはとてもありがたい企画ですね。
この取組以外にも、商店街の方がお店を畳む際などに出た端材を再利用してアクセサリーを作り、「捨てられるはずのもの展」として展示販売する活動も行っています。捨てられるはずのものでも、見方を変えれば新しい使い方ができるのではないかと考えました。
なるほど。ものづくりあり、そして、いろんなアイデアあり、それからお土産づくりあり、どちらかというと人づくりの場所ですね。町の財産だと思います。
オープンイベントでは、仕事づくりについてのトークイベントをやったり、ものづくりのスペースを設けたり、多様な活動をしています。みんながアイデアを出し合って、それが仕事につながり、地域に滲み出していく。そのような拠点にしたいと考えています。
こうした地域に滲み出す活動も、皆さんの仲間を広げる活動もとても大切ですよね。本当にありがたいことだと思います。1年ぐらいしたらまた見に来たいですね。ここがどうなっているかとても楽しみです。
既存の制服に新たな価値を創造し、「新しいこと」「楽しいこと」に挑戦し続けるデザインファームです。
工場のスマート化で徹底した生産ラインの効率化を実現し、独自開発した1年先の生産シミュレーションにより、年間を通じて残業がない、働きやすい職場づくりを実現しています。
また、機能性と着心地を追求したデザインや色のバリエーションに富んだ特徴的な制服を製造しています。
知事は、制服の製造工程や3Dボディスキャナーのデモ等を視察した後、代表者や社員の方々と意見交換を行いました。
制服の製造工程の説明を受ける
制服を買うということは年に1回の季節商売になるのだろうと思うのですが、仕事の量を分けて、無駄なく、なおかつ残業等がなく行うのは相当な工夫があると思います。この辺りについて教えていただければと思います。
工場のスマート化で業務プロセスを見直し、年間を通じて生産量を毎日一定に保つ仕組みが構築できたのは時代の変化に対応した結果だと考えています。16年前だと、まだ会社にパソコンが無い時代でしたが、今はかなりシステム化されています。今後も、更にシステム化したり、AIを活用したり、忙しい時期でも暇な時期でも常に安定した生産をできるようにすることが求められていると思っています。
ということは、来年度に向けて、今から予測して平準化して作っているのですね。
そうです。来年販売したい量の計画を立てて、そのために必要な生地を発注し、お客様と相談した上で、事前準備を今から行っていきます。
LGBTQの方に配慮した制服も光和衣料では作られています。とても大切な発想だと思いますが、着眼点はどこにあったのでしょうか。
LGBTQ用の制服を作って、全ての問題が解決するとは思っていません。トイレとか更衣室とか学校施設の改善の方が重要だと思っています。
私どもの発想は、むしろLGBTQということを極端に意識するよりも、男子でも女子でもあらゆる点で選択可能にするという点に重点を置いてイメージしました。
近い将来、ブレザーは男女兼用になると思います。正装としては、男女ともに同じズボンという方向に向かっていくのかなと思っています。
先を見ていらっしゃるのですね。
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