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掲載日:2023年12月14日
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訪問日
令和5年10月18日(水曜日)
訪問地域
東部地域(松伏町、春日部市)
訪問先
松伏町に工場を構えて60年以上、その間、新棟を増設するなど生産体制を強化してきました。コショー、わさび、からし等の香辛料を製造し、主力製品であるチューブ入り香辛料の生産品目数は161あり、業界トップクラスです。
高速ラインでの大量生産はもちろん、少量多品種の生産にも柔軟に対応しています。
また、採用後3年以内の離職率は16%と、県内製造業の離職率に比べて低く、現在も働きやすい職場づくりに努めています。
製造工場内の展示スペースでコショーの原料について説明を受ける
エスビー食品株式会社は松伏町出身の山崎峯次郎さんが創業し、食品加工業という埼玉県の基幹産業を支えてくださっています。エスビーのカレーは多くの人にとって身近に感じられるものであり、私もエスビーのカレーを食べて育ちました。
こちらでは多品種の製品を生産されていますが、製法の標準化にはどのように取り組んでいるのですか。
標準化については、まず親会社であるエスビー食品株式会社から製法が伝達されます。それを私たち工場の生産ラインスタッフが確認し、より生産性や安全性が高い製法を商品開発部門スタッフに再提案し、切磋琢磨しながら新しいものを作り上げています。
埼玉県は人口統計を取り始めてから唯一、人口が減ったことのない県でしたが、昨年総務省が公表した人口推計から初めて減少に転じました。生産年齢人口が減少する社会では、企業の生産性を上げることが必要だと考えています。
弊社も生産性の向上は重要な課題と捉えております。生産性向上は働き方改革にもつながります。また稼働時間が短くなればCO2の削減率が上がり、企業としては利益も上がり「一石三鳥以上」の効果があると考えています。この他、埼玉県の様々な仕組みを活用して新たな挑戦もしていきたいと思います。
厳しい環境の中でも色々な可能性を感じており、とても楽しみです。
雇用はどうですか。
今は必要な従業員を確保できていますが採用活動は厳しさが増しており、やはり生産性を上げていくことが不可欠と考えます。
障害者雇用にも取り組んでおり、近隣の特別支援学校から実習生を受け入れています。生産性向上に取り組みつつ、地域貢献に向けた取組もしています。
本日はありがとうございます。改めて勉強させていただきました。今後ともより良い協力関係を築ければと思っています。
同法人は令和3年に設立し、「救命できる地域づくり」を目指して市民向けに「心臓マッサージ(胸骨圧迫)」や「AEDの使い方」の講習会を開催しています。同法人が県内で展開している「さいたまPUSH」プロジェクトの特徴は、家族連れや子供たちが、救命活動の重要性と具体的な方法を楽しみながら繰り返し学べることです。また、市民インストラクターの養成に力を入れるなど、この取組が浸透・拡大していくための仕掛けもしています。
なお、プロジェクト名には次に示す「3つのPUSH」メッセージが込められています。
(1) 胸をPUSH(胸骨圧迫)
(2) AEDのボタンをPUSH(AEDの使用)
(3) あなた自身をPUSH(倒れた人に声をかける勇気)
「さいたまPUSH」の講習を児童と受ける
今日は講習を実際に受講して、とても考えさせられました。
心臓が突然止まった方がいた際に、その方が救命されるとともに、以前と同じ生活ができるような回復が望める地域をつくるために、こうした研修による啓発活動の継続が非常に重要であると私たちは考えています。
また併せて、胸がおかしい、血圧が高いなどの症状を放置せず早めに受診する大切さも多くの方に知っていただきたいと考えています。
様々な場面で啓発は重要ですね。
今日は子供たちが恥ずかしがらずに積極的に講習を受けていたことが印象的でした。しかし、家族の誰かが家で倒れた場合、AEDがどこにあるか分からないというケースも考えられます。AEDの場所はどのように啓発していますか。
私たちは、講習の中で必ず「この会場にあるAEDの場所を知っていますか」と参加者に聞きます。まず近くにあるAEDの場所を知ることの重要性を伝え、次に一般的な救命方法を学んでいただいてから、それを学校や職場、地域など、自分たちの環境でどう実践するか考えてもらうようにしています。
また、どこにいても近くのAEDの場所を確認できるアプリを紹介するチラシも配付しています。
AEDの数を増やすことを急ぐ前に、まずはAEDがどこにあるかを知っていることが重要ですね。子供たちが今回の講習後にアプリを読み込んでくれるといいと思います。
講習を受講した後、幼稚園児がAEDを見つけ、「何かあったら私がママを助けるね」と言っているのを聞いたことがあります。子供たちはお父さん、お母さんと一緒にこうした講習を受けると興味を持ってよく理解してくれます。
AEDはヒューマンエラーを防ぐアイテムにもなります。電気ショックの必要性はAEDが判断するので安心して使っていただけます。こうした情報を知っておくことが大事です。
実際に経験することは重要です。この講習は大変すばらしいと思いました。
今後も子供たちを中心に受講される方が広がっていくことを期待します。
令和4年4月、(株)JPP、但馬米穀(株)、(株)積木製作、(株)セキドパートナーズの4社が「次世代農業やロボティクスの研究開発」をテーマに共同事業体として小学校跡地に集結しました。本業の傍ら、観光や防災分野で地域貢献にも取り組んでいます。旧校舎等を有効活用し、校庭では農機の自動操舵、プールでは水中ドローンの実証実験などを行っています。
今後、この創造的な環境で各社の得意分野を活かした共同研究も進め、相乗効果を出していくことを目指しています。
〇(株)JPP・・農機の自動操舵システムや植物育成用LEDライト等の研究・販売
〇但馬米穀(株)・・水稲の加工・販売、環境にやさしい農業経営の提案
〇(株)積木製作・・農業現場の事故等が疑似体験できるVRコンテンツの制作
〇(株)セキドパートナーズ・・農業用等のドローンの販売やコンサルティング
トラクターの自動操舵システムを体験する
今日は非常に興味深い体験をさせていただきました。皆さんの事業がどのくらいマーケットに近いものになっているか、どこに強みがあるのかを教えていただければマッチングなどのお手伝いを検討できると思います。
県は「アグリテック・フードテックプロジェクト」を立ち上げました。皆様方のすばらしい技術をマーケットにつなげていきたいので、皆さんのニーズを聞かせてください。
トラクターの自動操舵システムの市場規模はまだ広がると思っています。
これまでは熟練した農家が若い方に技術を教えていましたが、長年の勘に基づく部分も多く、全ての技術を継承することは難しいです。そこを補ってくれるのがこの自動操舵システムです。大手メーカーは新車の機能として自動運転がついていますが高額になってしまいます。弊社の製品は1台100万円程度で、既存のトラクターに後付けができるので、需要はもっとあるはずですが、まだPRが不足しています。
座学で「安全」の重要性を学ぶのは難しいですが、VR体験は記憶に残ります。
事件や事故についての情報をすぐに提供いただけるとありがたいです。情報があれば、私たちの技術により、迅速に事故の再発防止のシステムを開発することができます。
工事の経験が浅い若手や外国人が増えている中、私たちのVR技術が効果的に活用いただけると思います。実際に起きた事故の改善につながることをやっていきたいです。
日本の農業は50年前と作り方が変わらないにもかかわらず、米価は今の方が安く、資材は高騰しています。作り方から根本的に変えていかなければスマート農業をする意味がありません。農業分野は保守的な考え方が強く、また勘が頼りの部分がありますが、これからは変化にどう対応していくかを考える必要があります。
水を使わない農業にも取り組み始め、スマートで儲かる農業を目指しています。同じ考えの方々と意見交換したり、情報発信できる場がもっとあればいいと思います。
ドローンを導入できるように農業の大規模化をお願いしたいです。埼玉県ではドローンを使いたいという農家があっても、農地が狭くて飛ばせない、ドローンを導入しても採算が合わないなど、ビジネスの土台に乗れない農家が多いと感じています。日本では、ドローンで空から種をまく農家はまだまだ少ない状況です。このままでは24時間農業に取り組む中国などに負けてしまうと危惧しています。
埼玉県は小さい農地が多く、大規模化は難しいです。変形していたり、飛び飛びになっている農地を前提として、どうスマート化していくのかという点は皆さんに考えていただきたいと思います。
海外で一番売れるのは米だと思います。そうした意味で米は可能性があるので、これまでと違う視点・考え方で見ていく必要があると思います。
マッチングする機会は作りますので、一緒にやりましょう。
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