ページ番号:261731
掲載日:2024年11月27日
ここから本文です。
訪問日
令和6年8月28日(水曜日)
訪問地域
西部地域(飯能市)
訪問先
わせがく夢育高等学校は、廃校した旧「東吾野小学校(創立134年)」の校舎等を利活用して令和4年4月に開校した「通学型単位制の通信制高校」です。
生徒一人一人がそれぞれのペースや状況に応じて通学や自宅学習を柔軟に選択することのできる無理のない登校スタイルが特徴の一つとなっています。学習意欲の向上や登校への動機付けのため、自然環境を生かすとともに、メディアルームにゲーミングPCを設置して選択授業や部活動にeスポーツを採用するなどの工夫がされています。
また、地域に親しまれながらも廃校となった小学校が、新たに高校として生まれ変わったことを歓迎する地域住民との交流が活発に行われています。一例としては、学校菜園で生徒たちが地域住民の手ほどきを受けながら野菜の栽培や収穫体験などを行っており、交流を通じて生徒のコミュニケーション能力向上にもつなげています。
知事は校舎内を視察し、メディアルームではeスポーツ部の生徒とeスポーツを体験しました。その後、学校関係者や生徒、地域住民の方々と意見交換を行いました。
生徒からeスポーツについて説明を受ける
この高校を選んだ理由を教えてください。
自分で登校する日を自由に選べるというシステムや、勉強を強要されない、やりたいことを優先してできる学校の方針に魅力を感じて、この学校に行こうと思いました。
今、通信制の学校が増えてきていてレベルが上がっている中で、この学校の特徴は他と比較してどこにあるとお考えですか。
先生が、先頭に立って教えるというよりもサポートに回ることで、生徒の自分たちで勉強したいという意志を尊重していることです。そうすることでむしろ生徒が勉強をしたくなるところに持っていけるのではないかと。そこが他の通信制の学校とは違うと思っています。
もう一つ、地域との関係がこの高校の特徴だと思います。先ほど説明いただいた中で、地域の方々と野菜を作られているというお話がありましたけれども、地域の皆さんからすると、いきなりつながりと言われて戸惑う部分もあったと思いますが、どういったところが生徒さんたちとつながる上でポイントとなりましたか。
地域の教育力を生かした学びとして何ができるのかを考えるため、まずは学校と地域の連絡委員会を作りました。そこで協議して、農業体験や日本古来の食文化である餅つきなどを生徒さんと楽しもうということになり、これまでやってきています。
遠い将来、ここを卒業した生徒さんが飯能に住んでいただくような、お互いに信頼関係ができるといいなと思っています。
地域交流の中で楽しかった思い出は何ですか。
餅つき大会が思い出に残っています。地域の方々が親身になってサポートしてくださって、「こうやってつくんだよ」などと一から教えてくださいました。最後にでき上がったお餅を生徒みんなで地域の方々と一緒に食べることができて、すごくおいしく感じました。
我々としてもこういう学校があることはありがたいことだと思っていて、将来的に県とうまく連動していければいいなと思います。例えば、県では去年からバーチャルなスペースの構築に取り組んでいて、そこに、生徒や先生だけでなく地域の方々やいろんな人達が集まって話せるようなわせがく夢育高校用のスペースを1か所作らせていただくとか、そういう連携ができるといいと思います。
バーチャルスペースをスクーリング会場などにできれば面白いかもしれないですね。
平成27年に設立した株式会社大平きのこ研究所は、天然の舞茸の中で希少で美味しいと言われている「黒舞茸」を、独自の研究開発技術により世界で初めて量産化することに成功し、消費者に安価で提供しています。
同社は埼玉県の舞茸生産量を全国トップレベルにすることを目標の一つに掲げ、令和3年に飯能市内に本社機能を移転し、飯能工場の本格稼働により、令和4年の埼玉県の舞茸生産量は前年比で約1,000トン増え、全国順位は12位から7位に上昇しました。
生産現場においては、「茸士(きのこし)」と呼ばれる職人が天然物に近づけるべくきめ細かい生産管理をするなど、品質を追求しています。そうしたこだわりを持って生産されている「黒舞茸」の深い味わいや濃厚な香りが評価され、令和5年に「ジャパン・フード・セレクション」グランプリを受賞しました。
知事は工場を視察し、黒舞茸の収穫体験や試食を行った後、役員や社員の方々と意見交換を行いました。
黒舞茸の収穫を体験する
先ほどいただいた御説明の中で、あえて効率性に価値は求めないとのお話がありましたけれども、技術を確立して、平準化して、そうすると通常のパターンですと、工場だといかに効率化していくかという方向になると思いますが、そういった誘惑にかられませんか。
「おいしいものを食べたい、だから働いている」というのが我々の根底にあって、共通のポリシーとして「味ありき」が根付いています。そのため、味がいい中での効率化は当然やっていきますけれど、味を落としてまで効率性を求めるということには歯止めがかかっています。
いわゆる露地の栽培とは全然違う農業だと思いますが、そこの部分で戸惑いがあったりするものでしょうか。
最初は右も左もわからない状態でワクワク感もあって楽しめましたが、まだ形になっていないところがあったり、工程それぞれでいろんなトラブルもあったりとやはり大変なことも多かったです。黒舞茸が本当においしいというのは社員一人一人感じているところで、それをどうしたら安定して皆さんの元へ届けられるかをみんなで一緒に考えながらここまでやってきたという印象です。
味の提案などマーケットに対してされているのですか。
お客様に提案するには、試食販売などまず食べていただくことを重要視しています。まずは味を知ってもらった上で話をしていく方がわかってもらえますので。その成果もあって、今大体5,000(店舗)弱ぐらいのスーパーさんに入っていまして、今でも数字が上がってきています。
先日、テーマパーク近隣のホテルの料理長さんに味をしっかりみていただいたところ、非常に面白いと御理解いただき、メニューに取り入れていただけることとなりました。
企業として出荷面や人材面で飯能という立地をどう評価されていますか。
(人材面では)地域で協力的に動いていただいているので、これからも市に御協力いただきながら、従業員の確保をやっていければ一番いいと思っています。
(出荷面では)千葉県に行くのも神奈川県に行くのも非常に便利なので、(親会社のタイヘイグループとしても)更にここで事業を広げていきたいという思いがあります。
飯能市は、小学生から大学生、社会人までの10を超えるホッケーチームが市内で活動していて、ホッケーがとても盛んなまちです。令和5年11月には日本ホッケー協会から「公式ホッケータウン」に認定されています。
市内小中学校でのホッケー体験教室の開催や、中学1年の体育の授業でホッケーを必修化するなど、市内のこどもたち全員がホッケー競技を経験する機会を設け、ホッケーを通じた郷土愛の醸成にもつなげています。
国際基準の人工芝を使用した日本ホッケー協会公認のホッケー競技場である阿須運動公園ホッケー場は、「ホッケーのまち飯能」を象徴する拠点施設となっています。
知事は、いずれも市内に拠点を置くチームであるALDER飯能と駿河台大学男子ホッケー部の模擬試合を観戦後、フィールドの視察及びホッケー体験をしました。その後、施設を管理する法人やホッケーチーム関係者等と意見交換を行いました。
ホッケーを体験する
試合を拝見して、スピードだけじゃなくて筋力も使いますし、非常にハードなスポーツだと感じました。そうなるとある程度、競技年齢や競技層が限られてしまうということはないのですか。シニアでも楽しめるのでしょうか。
今は70歳代以上が集まったチームがありまして、国際大会にも出場するなど、最近は幅広い年齢で活動しています。
(下の世代では)プラチナジュニア発掘プログラムとして、ホッケー選手の育成を来年度から本格的に開始することになっていて、このホッケー場が会場になります。
それは指導の方を是非よろしくお願いします。こどもたちがどの競技を選択するかとなった時に、おそらく最初からホッケーという選択肢はなかなかないと思いますので、その意味で触れてもらうことがすごく大事かと思います。
こどもたちについて、学校でホッケーを取り入れていらっしゃるということですが、最近の中学校における部活動の地域移行ではどういう形でホッケーをやられているのですか。
現在、部活動があるのは美杉台中学校だけになりますが、そこでは経験者の教員が指導しています。
部活動以外には、小中学生ともそれぞれクラブチームがあります。
小中学生までは部活動やクラブチームなどでプレーできるのですが、高校生になると、特に女子の場合は市内だけでなく県全体で見ても1校、飯能高校しか選択肢がありません。せっかく中学までやっていても、高校で続けていくことができないという課題がありまして、今、中学生と高校生が合同で練習して両者の垣根をなくす「ホッケーアカデミー」という事業を進めています。
そうしますと、ALDER飯能みたいなトップチームがあっても、その下の供給源の部分がなかなか厳しいということですか。
ALDER飯能の選手に飯能高校(統合された飯能南高校を含む)の出身者が多いのはそうなのですが、北は岩手から南は鹿児島まで、遠いところからも集まっていただいています。そういう方々は、地域の企業に就職して生活の基盤を作って、ホッケーを続けていきたいという希望を持っています。
企業さんに理解していただいてということですね。
会社にとっても、その選手の応援に行ったりすると、社員同士のコミュニケーションのきっかけになりますし、結果として会社が活気付くなどいい面があると思います。
あとは、もしよければ、我々今いろいろなイベントを開催していまして、ホッケー競技やチームのPRに活用していただければと思います。例えば、新都心のけやき広場にALDER飯能の選手に来てもらって、ミニゲームとまではいかなくても、先ほど私がやらせていただいたようなホッケー体験のようなものをこどもたちと一緒にやるとか。選手が朝小学校に立って挨拶する活動を通じてこどものファンを増やしているプロバスケットボールチームの好事例なんかもありますし、そういった活動で選手との距離が近づくと、ちょっと興味を持ってもらえるようになりますよね。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください