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掲載日:2023年11月21日
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訪問日
令和4年8月31日(水曜日)
訪問地域
西部地域(狭山市、日高市)
訪問先
狭山市ビジネスサポートセンター(サヤビズ)は、中小企業の「強み」を発見し、極力コストをかけない販売戦略に関する具体的な提案(新商品の開発や事業のPR方法、資金調達など)を行っており、成果創出まで寄り添う伴走型の支援を無料・ワンストップで提供しています。
平成31年4月、狭山市駅前(西口)の市産業労働センター2階にオープンし、これまで3年間の相談実績は4,000件(500事業者)を超えています。
主な支援成果事例として、キッチンカーのレンタル事業を軸にさやまキッチンカー協会としてイベント主催も始めた「野口自動車工業株式会社」、抗がん剤治療の経験を生かしてケア帽子の開発販売を始めた「株式会社Tao Corporation」、自動販売機で武蔵野うどんの冷凍販売を始めた「三丁目の手打うどん」への支援があります。
隣接する狭山市市民交流センター内に令和4年4月にオープンした地元商品のアンテナショップ「SAYA Market&Cafe」では、地元商品やサヤビズで支援した商品の販売も行っています。
知事は、サヤビズの概要と支援成果事例について説明を受け、「SAYA Market&Cafe」や施設内を視察した後、サヤビズや支援先企業などの方々と意見交換を行いました。
狭山市で中小企業支援を行っている「サヤビズ」を訪問する
サヤビズの支援先企業から成果事例について説明を受ける
キッチンカーは販売しているのですか。
チャレンジキッチンカーと言って、レンタカーで使ってもらっています。
村田さんが創業されたのは、がんを経験されたからだとおっしゃっていましたが、帽子をお作りになろうと思ったのは、おしゃれなものが欲しいと思ったからですか、それともがん患者でも仕事がしたいと考えられたからですか。
後者です。ウィッグを被っている方もいらっしゃいますが、かぶり続けると頭が蒸れて苦痛になりますので、トイレでかぶり直していました。この帽子は上が開いていて通気性が良くなっています。
このうどんの冷凍自動販売機は、見た目もおいしそう。うどんは冷凍でも味は変わらないのですか。
変わらないように開発しました。
うどん共和国としても埼玉県のうどんをPRしていきます。
サヤビズでいろいろ相談して、耳かきセット、三丁目の手打うどん、洋菓子、黒舞茸などを置いています。狭山の生産者がコロナ禍でも頑張っていて、お客様にも好評です。
ビズモデルというのは、商工会議所とバッティングしてトラブルになる自治体が多いと聞いていましたが、狭山市に限って言えばそういうことはありません。全国22か所のビズの中でも非常にうまくいっています。バッティングするのではなく、親和性が必要だと思います。
市も商工会議所も両方が競争しています。市民に歓迎されることが一番良いことで、頑張ってもらっています。サヤビズができたおかげで、狭山商工会議所も活性化しました。
週に一度、商工会議所の相談員や市の産業振興課と打ち合わせをしています。事業者の課題について、一緒になって取り組んでいます。我々だけではなく、市や観光協会とも連携して狭山市を盛り上げています。
連携が重要で、適切なアドバイスをするなど手を差し伸べるということが必要だと思います。県もそういった役割を持っていますし、商工会議所、商工会にもあります。様々な施設がある中でうまくつなぐことがとても大切だと思います。競合関係ではなく、ぜひWin-Win(ウィンウィン)の関係でうまくやっていってほしいです。
株式会社ノベルクリスタルテクノロジーは、次世代パワー半導体材料として世界が注目している「酸化ガリウム」の技術開発を行っているベンチャー企業です。 (※1)企業が事業の一部門を切り出し、ベンチャー企業を新たに立ち上げ独立させること |
次世代半導体材料「酸化ガリウム」の開発現場で説明を受ける |
ものすごく繊細な技術だということを感じました。これから可能性のある分野で、世界最先端で、しかもそれが埼玉発であることは大変ありがたいことだと思っています。
こういった戦略にどうやってたどり着いたのかを聞かせてください。
半導体の開発は非常にお金もかかるし期間も長くなります。継続性という観点から、できるだけ多くの会社から少しずつお金を出していただいて進めた方が良いと考えました。
ノベルクリスタルテクノロジーで行っているパワー半導体は、親会社であるタムラ製作所もユーザーになります。将来的には開発した半導体を電源基板に使うことも視野に入れて、一緒にやっていけたらと思っています。
酸化ガリウムは当初高輝度LEDへの応用を目指していましたが、特徴がなかなか出しにくいので、LED用途からパワー半導体用途に方向を見直し、タムラとの親和性を考えて約40%出資するなど思い切って支援して一緒にやっているところです。
パワー半導体を支えるために、一定のシェアを持つまで、官はどのようなスタンスでやっていくのが一番良いか、忌憚のないところを教えていただければと思います。
これからどこに工場を作るのかという土地のことと、従業員をどう確保するかが気になっていることなので、そういった観点で御支援いただけると大変ありがたいです。
人ですね。実は、埼玉県は企業のヘッドクォーターの移転先として、過去10年では47都道府県中1番であり、選んでいただける県です。
しかし、入ってもらった企業からは口々に「人が欲しい」と言われます。人材のために我々も頑張ります。
株式会社スギヤマは、圏央道による高い交通利便性を生かし、成長を続けている青果加工業の中小企業です。
障害者・外国人などの多様な人材が活躍し、埼玉県障害者雇用優良事業者に認証されています。
創業以来、「ごぼう」を主体に仕入から加工・納品まで自社工場にて一貫した生産を行っており、1都3県の食品スーパーの約3割に商品の納入実績があります。
顧客ニーズに応じたカット規格やパッケージ作業へ柔軟に対応するとともに、大型低温冷蔵庫を活用して、季節や天候に左右されない安定的な出荷を可能としています。
個性化が進む食へのニーズに応じた販売方法として、商品包装ビニールに調理方法がわかるQRコードを印刷するなどの工夫した取組も行っています。
太陽光発電パネルの設置(太陽光再生エネルギー率28.68%)や食品廃棄ロス対策(野菜残渣(ざんさ)を牛の飼料として提供)など環境にも配慮しています。
知事は、会社の概要について説明を受け、工場を視察した後、代表及び社員の方々と意見交換を行いました。
多様な人材が活躍している現場の方々と記念撮影
御社では高齢者や障害者、外国人など多様な人材が活躍していますが、雇用の経緯について教えてください。
日高市に移転した当時は、募集すれば人が集まる時代でしたが、この直近の5年、10年では一変しました。リーマンショックがあって、日系人の方がかなり解雇されてしまい受け皿として私どもが採用した経緯もあります。
その後、なかなか人の補充ができない中で、特定技能外国人という選択肢を取らざるを得なくなったというのが、この2、3年のことです。派遣の人はどうしても短い期間で人が変わるので、現場で指導する人たちにはかなりの負担があり、抜本的に変える必要があって長期的にできる特定技能外国人を選択肢としました。
障害者雇用は、日高市に移転する前からも研修の受入れをしていて、その中から採用に至り増えました。
先ほど拝見してとてもありがたかったのは、工場で出る野菜残渣を酪農の飼料に供給していただいていることです。酪農飼料は大体4割値上りしています。また国内で飼料を供給していただくことは安心でもあり、本当にありがたいです。
植物を堆肥化するには時間と場所が必要なのではないですか。
堆肥化は水分量の調整が難しく、キャパシティも必要なので、6か所の中間処分場にお願いしています。
飼料だけではなく堆肥を含めて海外から輸入しているところは価格が上昇していますし、そもそも入って来ないものもあります。県としても御社から出たもの(肥料、堆肥)を農家に伝えていきたいです。
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