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掲載日:2024年11月22日
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訪問日
令和6年8月20日(火曜日)
訪問地域
南西部地域(志木市、ふじみ野市)
訪問先
大正12年に東京で創業してから100年を超えるソース製造の老舗企業で、平成29年に志木市に工場を設立しました。
創業当時から、生野菜を使用した手作り製法にこだわり、平成4年には、生野菜と秘伝の「オリ」を使用した独自製法の生ソースを開発しました。
商品の生ソースは志木市のふるさと納税返礼品になっており、また、同社が考案した「ソース屋さんのミートライス」(第4回志木市ご当地グルメ王決定戦でグランプリを受賞)が市内小中学校の給食で提供されるなど、地域貢献に尽力されています。
知事は、工場を視察し、役員及び社員の方々と意見交換を行いました。
原材料である香辛料の計量作業を体験
田口代表取締役社長は創業101年目で3代目の社長ということですが、長く社長を勤められた方がいらっしゃったのですか。
私の祖父が長かったです。
ソース製造において、規格外の野菜や、市場で余剰が出たカット野菜を使用することはありますか。
まず、冷凍野菜を使わないというポリシーがあります。
カット野菜は次亜塩素で洗浄しているものが多いので使っていませんが、そのようなものでなければ是非使ってみたいと思います。
御社の社員がタンクローリーで液体原料を運送しているのが強みとお聞きしました。今、人件費や燃料費が高騰しているかと思いますが、影響はありますか。
そもそも液体を運送してくれる会社が少ないのです。それなら、自分たちで頑張ろうと思いました。
もともとドライバーとしての雇用ではなく、製造部門で雇用した社員が大型免許を取得し運送しています。多少給与の面で異なります。
ソース製造で生じる野菜残渣をミートライスに利用したり、それをキッチンカーで販売したりするのは面白いですね。キッチンカーで販売する理由は何ですか。
キッチンカーを採用したのは、消費者のお声を直接聞きたかったからです。我々の商品はスーパーに卸していないため、消費者との窓口になると思いました。
ミートライスを市内小中学校の学校給食で提供いただくなど、食育推進や地域の魅力向上にも御尽力いただき感謝しています。
本日は本当にありがとうございました。
老朽化した公民館と図書館の役割を一体化し、かつ質の高い公共施設として市民文化発展のために整備し、令和5年11月にオープンした複合施設です。設計・建設・維持管理を一括事業者に委ねる民間活力の方式で整備されました。
あらゆる舞台芸術を様々な角度から堪能できる806席のホール、様々な市民活動に使える多目的ルーム、楽器練習に使えるスタジオなどを整備しているほか、1階から4階にかけてジャンル別に図書を備える図書館が併設されています。
ステラはラテン語で「星」という意味です。施設の名前は、夜空にある無数の星のように多くの人が集い、賑わい、学び、育み、市民一人ひとりが輝く星になってほしいという願いを込めて命名されました。
知事は、施設内と利用者の活動状況を視察し、指定管理者やふじみ野市文化協会の方々と意見交換を行いました。
スタジオの設備について説明を受ける
ホールをはじめとした様々な施設がありましたが、稼働率はどのぐらいですか。
ホールは、金土日はほとんど1年分が埋まっている状況です。スタジオの稼働率は約80%、また、DIYルームやキッチンスタジオの日中の稼働率は高いです。
しかし、用途が限定される部屋の稼働率が低く、全体としては約50%くらいです。
今回の視察では、学生さんも多かったですが、図書館や文化施設の利用者の年齢層はどうですか。
図書館には、小さいお子さんを連れたお母さんが日中来られます。それから、中学生や高校生の方が勉強しに来られることが多いです。残念ながら、図書の貸出は増えていないのが課題です。
施設の特性上、貸出よりも、来て、中で過ごしていただくというのが重要だと思っています。
文化施設の貸館利用という面では、50代、60代の方が多いと思います。
ただ、ホールは幅広い年代の方にご利用いただいております。
ホールの800席というのは、使いやすいキャパシティですか。
コロナ禍を経て、ホールの考え方も変わっています。コロナ禍前は、1000席を切るホールは、基本的に収益性がないと言われ、興業を招いても来ていただけるアーティストさんが大変少なかったです。
コロナ禍を機に、今までホールから離れてしまった人をもう1回、リアルの音楽や芸術に招くには、もう少し小さい500~800席のホールでも良いと、アーティストの方に認めていただけました。
今は800席というのは催事を行うにはちょうど良いサイズになっています。
図書館ですが、先ほど、本などの貸出よりもまずは来てもらうという話があり、面白いと思いました。また、ホールのホワイエとつながっているところがあったり、雑誌コーナーと勉強するギャラリーがつながっていたり、シームレスな設計が意識されているのかなと思いながら拝見していましたが、いかがですか。
図書館は「静」と「動」でいう「静」ですので、「静」と「動」の融合については葛藤がありました。その意識を職員全員で変えていくのが当初は大変でしたが、やっと変わってきたと感じています。
複合施設からすると、図書館は人が来るというコンテンツとしては1番大きいので、この施設がオープンして2か月ちょっとで10万人を突破したのですが、今30万人を超えているぐらいなので、普通の文化施設だと、この数字はとても届かないです。
そのため、図書館に来た方、貸館に来た方、特に用事なく来た方が融合して、色々な方がいらっしゃるのがこの施設の最大の特徴であり、一番良いところだと思います。
工事のプロセスの中で、私が一番感動したのが、前身の大井中央公民館という長年親しまれた施設を解体するにあたり、すぐ目の前にある消防本部が解体現場を使って訓練をするなど、最後の最後まで生かしたいという思いです。
また、旧大井中央公民館の周辺には市民が植えた植栽があったのですが、建設事業者がそれをプランターに移して育ててくれていたとのことで、市民の想いを大事にしてくれていました。
市民の皆さんが、自分たちの施設で、自分たちが提案して、自分たちが使っていくんだという「わたしの施設」になってもらいたいです。
ぜひ参考にさせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。
小ロット・多品種のプリント基板を製造している企業で、多種多様な業界ニーズに応え、常に開発に力を入れ、設計から製造まで自社一貫生産で短期間での納品を強みとしています。
その点が評価され、幅広い有力上場企業から高い評価を得て、取引企業は200社を超えています。
独自のトレーサビリティシステムを導入し、注文した製品が10~20ある工程の、どの段階にあるのかをリアルタイムで追跡することができます。
また、プリント基板製作段階で発生する余剰端材を活用した定規を市内の小学一年生に寄贈するなどの地域貢献にも取り組んでいるほか、令和元年には環境配慮・見学受入等、他の模範となる工場である「彩の国工場」に指定されています。
知事は、工場を視察し、役員及び社員の方々と意見交換を行いました。
プリント基板の加工について説明を受ける
工場内が非常にきれいだと思いました。通常、メッキ工場ですと、薬品を多く使うとか、メッキ加工をするとかで環境面で地域への影響が大きい印象がありましたが、御社は非常に気を遣っており、クリーンに作業をされていると感じました。その取組を始めた動機は何ですか。
私が入社した25年前は、3K(きつい・汚い・危険)を象徴するような商売で、父親からは仕方がないという言い方をされていました。しかし、きれいな環境の方が気持ち良く働けると思い、社員を一番に考えてきれいにしました。
「ロングライフ生産」とプリント基板製造についての説明を受けましたが、どのような意味ですか。
「ロングライフ生産」というのは、プリント基板などではライフが長いという言い方をしますが、プリント基板では20年、30年と同じ様な商品が実はあります。特に産業機器、設備など長く使うもので、その中に入る基板を同じように作って欲しいというニーズもあります。お客様に長い間、同じような形で提供することも私たちの務めだと思っています。
小ロット・多品種を都心に近い地域で、短い納期で納品するというのは、なかなか難しいと思います。特に仕事の平準化や在庫量というのは凄く苦労されていると思いますが、どのようにコントロールをされていますか。
プリント基板の作り方に特徴があり、コンピューターのデータだけで管理ができる仕組みが一番大きなポイントです。オーダーが入った場合、データを呼び出せる仕組みを、業界の中でいち早く取り組みました。
またその組合せで、納期の平準化ができる仕組みを、DXを中心に取り組んでいます。納期については、基板の内容によって作り方がコントロールできる仕組みを作っていきたいと思っています。
技術力の点で、人によりできる・できないがあり、平準化は厳しいと思うのですが、技術力の平準化はどのようにされているのですか。
従業員の多能工化は1つの課題だと思います。昔ですと、メッキ工はメッキしかできないとか、印刷工は印刷しかできないという人材が多かったですが、最近は若手を中心に、ものづくりの平準化に努める形にしています。その一つの基準として、80%の熟練工を目標としています。100%を求めていると10年、20年かかってしまうので。また、できるだけマニュアル化しようとしています。
非常に面白い内容で勉強になりました。ありがとうございました。
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