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掲載日:2024年9月20日
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訪問日
令和6年7月24日(水曜日)
訪問地域
県央地域(上尾市、伊奈町)
訪問先
製造機械部品にアルミニウムの被膜加工などを行う企業で、上尾市で昭和44年に創業しました。生産管理に取り組む社員を中心に、令和元年、自社の作業工程に即した生産管理システムの自社開発に踏み切り、社員がゼロから開発し、現場の声を聞きながら改良を重ね、現在に至ります。
工場内は、グループごとにPCやタブレットが設置されており、バーコードを活用して必要な情報を入力すると、工場内の大型ディスプレイに業務進行状況などが表示されます。日報の電子化や指示書、製品台帳、業務進行状況の共有・見える化を実現し、ものづくりに関する情報を一元化することで、ペーパーレス、業務効率化や営業場面におけるレスポンスの向上を実現しています。
さらには令和4年6月、システム部門を分社化し、オーダーメイドで他社のシステムを構築するサービスも展開しており、中小企業のDXを先導しています。
訪問先では、社員が開発した生産管理システムを活用している工場の現場や、システム部門を分社化したスリーケシステム株式会社の執務室を視察し、代表や生産管理システムの開発に携わった社員と意見交換を行いました。
工場での作業について説明を受ける
IT化やDXを進めるに当たっては、ITと業務内容の両方を理解してその間を結ぶことが重要だと思いますが、どの程度現場に入って、どのように取り組まれていますか。
製造現場に従事してきた社員が携わっています。現場経験がない社員は、週に一度程度自社の生産管理の部署に入るなどして、製造工程を現場で学んでいます。他社のシステムづくりに際しては現場に入って、内容が分かるまでお話を伺うようにしています。
当社の人間が顧客の現場に入ってヒアリングし、一緒に作り出すというスタンスは今後も続けていきます。
システム化によって何ができるかイメージをお持ちでない方からお話を引き出し、使っていただき、システム化を進めるために、どのように取り組んでいますか。
まずは必要最低限のシステムを作ってしまい、そのたたき台を使ってもらうことが重要です。実際に使っていただくことで、現場ならではの発想がどんどん出てきますので、その意見を反映して改善しています。
システムがあることで、どのような影響が出てきていますか。
お客様から商品の納期について質問があった際に、自分のスマートフォンで進捗を確認して、訪問先で接客中すぐに返事をすることができるようになりました。
「なかなかデジタル化が進まない」とおっしゃるお客様へは「経営のトップの方から社員に向けて働きかけてください。」とお願いしています。そうしないとなかなかDXは進んでいかないと感じました。
デジタル化はトップの経営判断です。ツールをデジタル化することが目的ではなく、デジタル化して何をするかということなので、トップの判断、発言が重要だと思います。
令和5年4月、2つの保育所、発達支援相談センター、児童発達支援センターつくし学園を子ども・子育て支援複合施設(AGECOCO)として複合化して開設し、市直営施設として運営しています。
保育所と児童発達支援センターつくし学園はラウンジ・園庭を共有し、障害の有無に関係なく誰もが一緒に遊べるインクルーシブ遊具を設置し日常的な交流を行うほか、季節の行事・イベントの合同実施など「交流保育」を進めています。
発達支援相談センターと児童発達支援センターつくし学園では同一施設内で「気づき」から「専門的な療育」まで切れ目なく支援しています。また、他の保育園・幼稚園にも支援員が訪問し専門的助言を行うなどアウトリーチ支援を実施しています。
また、地域との交流イベントを定期的に開催し、地域のインクルージョンの中核としての役割を果たしています。
訪問先では、施設の複合化と運営の工夫により「交流保育」などに取り組んでいる施設を視察し、施策を担当する子ども未来部長や施設の職員らと意見交換を行いました。
インクルージョン遊具の説明を受ける
施設を複合化するというアイデアはどういったところからの発想なのでしょうか。
大きな市有地があったということと、インクルージョンという視点から保育所とつくし学園を一緒にしたらどうかという発案が出てきたところです。
医療的ケアを行う者として、看護師が配置されているのですか。
こちらで採用している看護師を配置しており、主治医などと連絡を取らせていただきながら対応しています。
まだ開設から1年ですけれども、小学校以上の教育に対する影響は期待されていますか。実際にここで経験をした子たちが小学校に進んだときに、教育などに何らかの影響が出てきていますか。
これからインクルージョンの気持ちを持って進んでいってもらえることを願っています。
物理的に交流する接点がいっぱいあるこの施設で学ぶところから、またその次の一歩というのがあり得るのではないかと思います。
数年前から、すべての小学校に特別支援学級を設置させていただき、先生も配置しています。これから小学校とも交流をもっと盛んにして成果を見ていきたいと思います。
自分と違う子と接するときに、自分との違いを子どもたちが受入れるプロセスに必要なものはありますか。
自然に受け入れてくれるよう、違いについて素直な疑問が出てきた時に、「こうすることで歩きやすくなるんだよ」などと理由や趣旨をきちんと説明することが大切だと思います。
昭和23年に川口市で創業、平成9年1月伊奈町に本社移転した、冷凍パン生地を中心としたパンを製造する企業です。
お店で焼き立てパンとして提供できるよう成型まで終了して冷凍するものや焼成後冷凍するものなど様々なバリエーションを有し、相手方企業の多彩なニーズに対応し、多品種・小ロットで高品質・ローコストで製造しています。
地域貢献に取り組み、規格外のパンを近隣のこども食堂に提供しているほか、地元伊奈町と連携協力協定を締結して伊奈町産米を買い取り社員食堂で提供するなどの取組を実施しています。
また、工場は食品安全管理の国際規格の「FSSC22000」を受けており、近い将来の海外展開を目指しています。
訪問先では、工場の現場を視察し、多品種・小ロットの冷凍パンの生地づくりの工夫、地域貢献、今後の展望などについて意見交換を行いました。
(株)サンフレッセの工場見学
現場で今、人手を雇いにくくなっているところが多いと思います。業界とか御社として、変わってきているところはありますか。
納入先のお客様の方で顕著になっていると思います。本当はお店でひと手間かけて作りたいという企業さんが多いのですが、なかなか人手が足りないそうです。そこで、カレーパンにパン粉までつけたり、メロンパンの中身を詰めたりするところまで、これまで以上に当社でやってから冷凍して納品しています。
冷凍パン生地を製造するのは難しいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
パンは生き物で、生きているイースト菌を凍らせますので、扱いは非常に難しいです。冷凍生地製造をやって30年ぐらい経ちますけれども、最初の頃はかなり苦しみながらクオリティを上げてきました。
また、パンの種類によって加工も配合も異なります。
埼玉県の食材で何か使われているものがありますか。
狭山茶を使ったことがあります。
狭山茶を使って抹茶パンを作ると全く着色料がいらないという話を伺ったことをきっかけに、抹茶ケーキや抹茶パンなどの抹茶レシピコンテストを県の主催で実施しています。他にも埼玉県の食材が多々あります。御提案もさせていただき、是非使っていただきたいと思います。
昨今の物価高騰で、具体的な影響が生じているでしょうか。
直近で言うと、米が心配です。川口の工場は米を扱っていますが、これだけ猛暑が続いていると今年も値段に影響があるのではないかと心配しています。
実は、埼玉の米は値段が上がっていません。ただ、生産量が多くなく、新米が出てくるまで若干品薄感がありますが、先ほど申し上げた通り、埼玉県の場合は他よりは安くなっていますので、お勧めだと思います。
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