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掲載日:2025年12月4日

ようこそ知事室へ 埼玉県知事 大野元裕

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秩父地域 (令和7年9月18日)

訪問日

令和7年9月18日(木曜日)

訪問地域

秩父地域(秩父市、皆野町、長瀞町)

訪問先

 株式会社ウッディーコイケ(秩父市)

  大自然の恵みである「木」のよさを最大限に生かし、植林、伐採、製材、加工を一貫して行う、森を育て森を生かす「山」と「木」のスペシャリストです。
  現社長の祖父が秩父で創業して以来114年の老舗企業であり、それぞれの工程で「木のプロ」を擁し、厳格な基準で品質を管理しています。
  今年5月に本県で開催された第75回全国植樹祭の「お野立所」の建築に当たり、構造材のプレカット加工を担当しました。
  林業従事者の高齢化と減少が進む中、林業に携わる「山林部」を強化し、林業技術の継承と発展に尽力しています。
  国内企業や官公庁、学校等からの研修・工場見学を積極的に受け入れ、森林循環・木材利用推進などの啓発活動も積極的に行っています。
  訪問先では、貯木場や製材工場を視察し、代表者や従業員の方々と意見交換を行いました。

秩父市
(株)ウッディーコイケの工場見学

 

小池取締役副社長

  当社は、全従業員の物心両面の幸せを追求するとともに、木材を通じて人類社会の進歩・発展に貢献することを理念としています。
  森を育て、木の恵みを余すことなく使い、その木の価値を伝えることで森林を循環させ、地域の生命を育むことが私たちの目指すところです。
  林業・木材産業の川上から川下まで全工程を一貫して行えることが特徴で、南関東でこのような事業形態を行っているのは当社だけです。全国的に見ても希少な事業形態となっています。
  また、取引先や教育機関、商工団体等からの見学や体験の受入れも行っています。
  課題は、近県の林業大学校に人材が流出していることです。また、山林の地籍調査を促進して森林経営計画を強化したり、県外で使用されにくい県産木材の流通を推進したりする必要があると考えています。

知事

  お話をお伺いし、埼玉県の林業の一番の課題は流通だと思いました。もちろん伐(き)ることも植えることも大切ですけれども、なかなか流通が難しいのだろうということで、今、一生懸命取り組んでおりまして、それが正に森づくり協定になっています。
  流通に関しては、最終的なエンドユーザーである施主さんと建設会社さんが鍵になると思います。その方々へどのような働き掛けを行っていますか。

小池取締役副社長

   私たちは、弊社の山の現場や製材工場へ来てその苦労を分かっていただき、皆さんが使う木が50年前に誰かが植えた木だという秩父の木材の価値を知ってもらえさえすれば、絶対に選んでもらえると思っています。

知事

   もう1つ。地籍調査が課題になっていますが、うまく地籍調査が進むようなアイデアを教えていただけるとありがたいです。

山口山林部長

  昨年辺りから、山間部の険しい所ではドローンで撮影して境界を確認するような流れも出てきています。
  上空からの撮影ですとまだ誤差が多いので、ドローンを飛ばして、近接する山並みや地形を実際の映像で見てもらい、両者で境界を確認するという立会いが少しずつ始まっています。

知事

  人材の話ですが、埼玉県には林業大学校がないので県外に流出するとのことですが、御社は若い社員が非常に多くいらっしゃることが特徴だと思います。人材確保のため、どのような活動をされているのでしょうか。

小池取締役副社長

  地元の高校との関係性を深めていくことはもちろんですが、進学のため秩父地域から出てしまった大学生や専門学校生とコンタクトを取るため、昨年から就活サイトへの登録を行いました。
  また、山梨県や長野県の林業大学校との関係性も少しずつ深めています。当社は、山林も製材工場もプレカット工場も見学できる、都心近郊の珍しい企業です。そこを強みにしているため、逆に林業大学校からお問い合わせが来ます。見学を着実に受け入れることで、埼玉県出身の子たちがインターンシップに来てくれるという事例もありました。

知事

  全国植樹祭で天皇陛下の前で申し上げました、「伐(き)って、使って、植えて、育てる」という「活樹(かつじゅ)」の取組を、埼玉県だけでなく全国に広めていきたいと思っています。
  そのためには、皆様のような「山」側の御協力が不可欠ですので、今後とも是非よろしくお願いします。

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 医療法人彩清会 清水病院 (児童発達支援 放課後等デイサービス
  くれよん、就労継続支援B型事業所 久遠チョコレート 秩父店)(皆野町)

  施設を運営する医療法人彩清会 清水病院は、地域密着型の病院として、医療と介護、障害者福祉をワンストップで提供しています。
  地元の声に耳を傾け「障がいがあっても、経済的にも精神的にも豊かに暮らせる社会の実現」を目指し、新たな取組にチャレンジしています。
  令和元年5月に、未就学児や小学生から高校3年生までの発達に心配のあるこどもが利用できる児童発達支援 放課後等デイサービス「くれよん」を開設しました。
  令和7年3月には、高校卒業後、一般就労が困難な方に就労の場を提供する就労継続支援B型事業所「久遠チョコレート 秩父店」を開設しました。
  誰も置き去りにしない社会・されない社会、さらに、工賃日本一を目指し障害者支援を進めています。
  訪問先では、チョコレート製造等の施設を視察し、役員及び利用者の方々と意見交換を行いました。

皆野町
久遠チョコレート秩父店の施設見学

清水顧問

  私たち彩清会は、実はチョコレートではなく、このチョコレートの向こう側にある世界、障害があっても食べていける、そういった世界を作りたくて久遠(くおん)チョコレート秩父店をオープンさせました。

知事

  障害のある方が18歳を過ぎてからどうするかというのは、日本全体で非常に大きな取り組むべき事項です。
  率直にお伺いしますが、目標にしていた月の収入はどのくらいで、どのくらいまで達成されているのでしょうか。

清水顧問

  今、月額4万5千円を超えている所は、全国の就労継続支援B型施設のうち、わずか7パーセント程度です。
  私たちが1つの目標に定めているのは7万円です。

知事

  すごいですね。

清水顧問

  今はまだ始まったばかりで、実際に細かいデータはないのですが、時間給にして、大体700円程度までは上げていきたいと思っています。

知事

  お金が全てではないかも知れませんが、やはりお金はとても大切だと思います。
  事業展開として、非常に多岐にわたっていますが、やはりこの久遠(くおん)チョコレートが一番手応えはありますか。

清水顧問

  チョコレートも良いですが、夏場はチョコレートが売れません。夏場に売上げを下げないためにも、キッチンカーを入れて別の農作物を加工販売することなどを提案しています。売上げを落とさない努力をしながら、新しい売上げを作り、みんなの作業工賃を一定に、そして上げていきたいなと考えています。

黒澤皆野町長

  まちづくりの課題解決に向けて、アイデアを出していただいています。町とタッグを組んで、課題解決プラスアルファを進めていただけるので、心強いです。

清水顧問

  B型を立ち上げましたけれども、B型で一生過ごされる方も多くいらっしゃいます。
  実際、一般就労はなかなか難しく、全国でも13.4パーセント程度しかできていません。
  私たちのB型事業所は、細分化された作業が本当にたくさんあります。幼少の頃から放課後等デイサービス「くれよん」で社会性や生活能力の向上を育むトレーニングをし、卒業してB型事業所に移り、B型で更にトレーニングをして、一般の社会に出ていくというのをイメージして訓練に当たっています。

知事

   一般就労までいけるといいですね。

清水顧問

  始めてまだ半年ですけれども、実際に1人、最初は利用者として入ってきた方が、仕事もいろいろできるようになったことから、直接こちらで雇用しています。

知事

  それはすばらしいですね。

清水顧問

  これから更にそういった事例を増やしていって、貢献できるといいなと思っています。

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 エルズパーク長瀞(長瀞町)

  長瀞町の旧町営プール跡地を利活用して建設され、令和6年11月にオープンしました。
  愛犬家の社長が、愛犬が豊かな自然の中で思い切り遊び、楽しく過ごせる場所を提供したい、アウトドア体験を通して飼い主と愛犬がきずなを育むことができる場所・体験価値を提供したいとの思いを掲げ、施設を創設しました。
  施設内にはドッグランの機能を兼ね備えたキャンプサイトやトレーラーハウス、犬連れ可のカフェ&バルがあり、今後、ドッグラン施設のオープンも予定しています。
  訪問先では、トレーラーハウス等の施設を視察し、代表者及び従業員の方々と意見交換を行いました。

長瀞町
エルズパーク長瀞の施設見学

知事

  長瀞は、様々な観光資源があるのが特徴だと思いますが、駅から割と近い所にこれだけ広大でぜい沢な空間があるというのは、そうそうないのではないかと思います。
  今、お客様の反応はどうですか。

山口支配人

  最初の頃は、やはり認知度は全くなかったのですが、今年の夏休みに関しては、稼働率が30パーセントくらい、お盆のときは集中して80パーセントくらいで稼働していました。
  ただ、秩父は盆地になっているので、キャンプサイトはどうしても暑くなってしまいます。そこをどういうふうにやろうかと思っています。

知事

  これから冬に向かっていきますが、私もブランディングの人などに聞くと、最近は夏ではなくて冬なのだそうですね。冬に向かって逆に増えていくといいですね。

山口支配人

  秋から春にかけてはキャンプをメインにやっていこうと思っています。こちらは空調が整っているので、夏でも真冬でも泊まれるような形をとっています。

知事

  このカフェスペースもいいですね。地元の方はどうですか。

山口支配人

  地元の方で、非常に気に入ってくださっている方が3、4組ほどいて、最近、その中で毎週来ていただける常連ができました。
  その方が色々な方を連れてきてくれて、また膨らんでいって、やっとここも人気が出てきたという感じがします。

知事

  このカフェ&バルに秩父のワインを置いていただいていますが、秩父の産品なども関係があるのでしょうか。

山口支配人

  長瀞町観光協会の方々と仲良くさせていただいており、情報発信をしています。明日は、長瀞町の清掃活動に参加する予定でして、良好な関係だと思っています。

鈴木長瀞町長

  色々と協力していただいています。

知事

  協力されているのは観光関係が一番多いですか。それとも物産関係ですか。

山口支配人

  観光ばかりです。物産も取り扱いたいと思っていますが、まだお客さんの入りがそこまでではないため、物が悪くなってしまうのです。そこが今後の課題だと思っています。

知事

  観光だけですと、労働集約産業で、なおかつ労働生産性が非常に低いものですから、皆さんの苦労に対して利益が上がらないことが多いと思います。そこに物産を付けたり、何かと組み合わせたりすることでお金が落ちていきますので、地元との連携を是非やっていただけるとありがたいです。

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企画財政部 地域政策課 地域振興担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎2階

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