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掲載日:2024年12月25日
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知事
私の方から今日は何点か御報告させていただきたいと思います。まずは、「年末年始における感染防止対策のお願い」についてであります。季節性インフルエンザにつきましては、11月20日に流行期入りを発表して以降、毎週、定点報告数が倍増して、増加しております。先週、12月18日には、定点報告数が「19.61」となり、国が示す流行注意報の基準である「10」を超えたことから、同日付けで流行注意報を発令したところでありますが、現在も警報発令ペースで感染が推移しつつあります。昨年は、例年よりも早く、9月11日の週には流行注意報の基準を超え、10月23日の週には警報の基準に達していました。一方、今年は、感染の急速な拡大を確認しているものの、拡大の時期については、コロナ禍以前と同様に、例年並みと捉えております。一般的には、1月末頃にピークを迎えることから、更なる感染拡大が予想されるところであります。その他、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数についても、直近のコロナの定点報告数が「4.06」と、11月4日の週の「1.52」を底として、緩やかに増加傾向であります。また、マイコプラズマ肺炎や伝染性紅斑、いわゆるリンゴ病といった複数の感染症が同時に流行している状況にあります。年末年始を迎えるに当たり、帰省などで多くの方と接する、あるいは普段お会いにならない方々と接する機会が増えます。感染の予防を通じて、御自身の体調管理とともに、身近な方々に感染させないよう努めていただきたいと思います。特に、冬は暖房器具を使用する場面が増えるため、定期的な換気をお願いいたします。また、手洗いや、あるいは場面に応じたマスク着用など、基本的な感染防止対策の継続をお願いいたします。一方で、新型コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザについては、ワクチン接種によって、重症化予防が期待できます。是非、皆さんにおかれましては、(本年度から)季節性インフルエンザに加え、新型コロナワクチンについても、65歳以上の方及び60歳以上の方で、かつ基礎疾患をお持ちの方を対象として、各市町村で定期接種を実施しています。市町村によっては、定期接種の期間を1月末までとしているため、希望される方は早めの接種を御検討いただきたいと思います。また、年末年始の期間中は多くの医療機関がお休みとなります。急な発熱に備え、解熱鎮痛剤や経口補水液などを用意しておくと安心であります。さらには、発熱や体調不良などによって、医療機関を受診した方が良いのかな、迷われる方、そういった場合もありますので、是非、埼玉県救急電話相談(#7119)を活用していただきたいと思います。ここでは看護師が24時間常駐しておりますので、症状に応じた相談対応が可能となっています。なお、埼玉県では、年末年始、つまり12月28日(土曜日)から1月5日(日曜日)までの期間に開院する医療機関の情報を、12月27日から県ホームページで掲載する予定であります。医療機関への受診が必要な場合には、県のホームページで最寄りの医療機関を検索いただくほか、地域の医師会などが行う休日夜間急患センターなどにお問合せを頂けるようお願いいたします。
知事
次に、年末年始期間中である12月28日より1月5日の電話相談窓口について、報告させていただきます。行政機関では、12月29日から1月3日までの期間が原則休みとなりますが、9連休という方も少なくないと思いますので、今回は12月28日から1月5日までを期間としました。年末年始は、多くの医療機関が休診、あるいはお休みとなります。先ほどの「年末年始における感染防止対策のお願い」でも御説明いたしましたが、発熱や体調不良によって、医療機関の受診を迷われる場合は、是非、埼玉県救急電話相談(♯7119)を活用いただきたいと思います。先ほども申し上げましたが、看護師が24時間常駐しており、症状に応じた相談対応が可能であります。緊急的な精神医療、自殺予防に関するこころの健康の御相談については、それぞれ御覧のダイヤルで受け付けております。次に、児童虐待については児童相談所虐待対応ダイヤルで受け付けています。また、児童虐待に加えて、高齢者や障害者への虐待については埼玉県虐待通報ダイヤルで受け付けております。いずれも24時間で対応しています。
男女共同参画推進センターにおいては、様々な困難を抱える女性からの御相談をワンストップでお受けしています。今回は12月28日(土曜日)、1月4日(土曜日)、5日(日曜日)の3日間相談に応じます。また、性犯罪・性暴力被害に関する御相談、あるいは思いがけない妊娠に関する御相談、いじめ、不登校、学校生活、友人関係の悩みなどについては、それぞれこちらのダイヤルで受け付けております。
にじいろ県民相談では、性的指向や、あるいは性自認の悩みに関する相談を受け付けます。12月28日(土曜日)と1月4日(土曜日)の18時から21時30分まで受け付けます。その他、生活にお困りの方の御相談も受け付けております。
知事
最後に、本日は2024年最後の定例会見ということで、今年1年間を振り返り「10大ニュース」と「今年の漢字」を発表させていただきます。まず、「2024年 埼玉県10大ニュース」を発表させていただきます。まずは、10位から。10位は、「今年も盛り上がった!『県民の日』」であります。毎年恒例の11月14日「県民の日」ですが、今年も大いに盛り上がりました。県庁オープンデーの出展ブースは、総数246ブースと過去最大となり、1万9千人の方にお越しいただきました。また、島崎 遥香(しまざき はるか)さんを埼玉応援団に任命した「任命式」や、あるいは「第75回全国植樹祭200日前記念イベント」などのステージイベントも大好評でした。県民の皆様には、郷土埼玉のことをもっと知り、そして、埼玉県に対する埼玉愛を強めていただけた特別な日になったのではないかと思います。第9位、「全国初 高齢者講習等に特化した専用施設がオープン」です。5月には、高齢運転者が運転免許を更新するときに必要な高齢者講習や認知機能検査などを行う、全国初の専用施設「岩槻高齢者講習センター」がオープンしました。この施設には、講習室や検査室のほか、実車講習コースや運転適性を検査する機器を備え付けた安全運転相談室も設置しています。また、施設の2階には県民が誰でも体験利用できる交通安全教育、埼玉未来大学によるシニア活動支援、歯科保健事業の関連施設も併設しておりますので、是非、御利用ください。第8位、「彩の国さいたま芸術劇場 リニューアルオープンと開館30周年!」であります。補修工事、床の張り替え、設備更新などの大規模改修のため、2022年10月から約17か月間にわたり休館しておりました「彩の国さいたま芸術劇場」が、3月1日にリニューアルオープンしました。また、今年は開館30周年に当たり、様々なイベントで盛り上がっています。今後も、優れた舞台芸術等の文化に接することができる身近な施設として、県民の皆様に御利用いただきたいと思います。そして、7位は、DX第2段階「TXの推進」であります。DX第2段階として、デジタルで業務を効率化させるTX(タスク・トランスフォーメーション)の取組を本格展開しています。生成AIやノーコードツールを全職員が使えるようにし、県庁の生産性の向上に取り組んでいます。また、窓口のキャッシュレス決済の拡大、様々なマップを重ね合わせられる「埼玉県GIS」サービスの開始、メタバース空間「バーチャル埼玉」のリニューアルオープンなど、県民サービスの向上にも力を入れました。6位、「価格転嫁が大いに進展!」であります。エネルギー・原材料価格(等)の高騰が長期化する中、県内企業が適正な利益を確保し、継続的な賃上げにとつなげていけるよう、全国に先駆け、産・官・金・労12団体で「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結し、オール埼玉で取り組みました。この取組のうち、埼玉県の政策「価格交渉に役立つ各種支援ツール」は28の道府県からリンクが貼られ、本年11月には全国知事会のデジタル部門の優秀政策に選定され、結果として、これまで優秀政策に選定された数は、埼玉県、日本で最大になりました。この半年間で価格転嫁できている企業の割合が大幅増加し、6割以上価格転嫁ができている企業の割合が初めて5割を超えました。サプライチェーンは残念ながら埼玉県内で完結していないので、埼玉県外でも進めていただく必要があるということで、この取組を広げるため、引き続き本県が国に先駆けて政策をリードしてまいりたいと思っています。5位は「激甚化・頻発化する災害などに対して速やかに対応」であります。今年は元日に能登半島地震が発生し、職員派遣など、様々な被災地支援を行ったほか、県内においても、大雨等の様々な災害が発生し、高病原性鳥インフルエンザは11月に行田市で発生しました。こういった危機にも直面しましたが、県民の皆様の御協力、御理解を頂きながら、迅速・的確に対応しました。
続いて4位から2位の発表であります。4位は、「こどもの声を県政に!」であります。昨年こども基本法が施行されました。こどもの権利擁護とこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組や政策を社会の真ん中に据えて進めていくこととされました。この「こどもまんなか社会」へと変えていくためには、こどもを支援の対象として捉えるだけでなく、共に社会をつくるパートナーとして、その意見を聴き、施策に反映させる取組が必要です。そこで、本年、こどものこえを聴き、県のこども政策に反映させるための新たな取組として、「さいたまけん★こどものこえ」をスタートさせました。私自身も、県民の日にこどもたちと知事の意見交換会として、こども施策の主役であるこどもたちの意見を直接お聴きする機会を頂きました。私からはこどもたちに「どうやったら、こどもが意見を話しやすいのか教えて欲しい」などの質問を投げ掛け、こどもの意見を県政に反映させる方法を模索しました。今後も、県庁のこども関連施策で、こどもの意見不在という状況は無くし、様々な場面でこどもたちから意見を聴いてまいりたいと思っています。そして3位、「今年も県産農産物が大好評!~2年連続で全国唯一!「プレミアムいちご県」認定~」であります。近年、県産農産物への評価が高まってきているところ、今年も埼玉県の農産物に大きな注目が集まったと思います。2月には、日本野菜ソムリエ協会主催「第2回全国いちご選手権」で、県オリジナル品種「あまりん」が最高金賞に選ばれ、本県が最もおいしいいちごを生産している県として「プレミアムいちご県」に、全国で唯一、しかも2年連続で選定されることとなりました。この12月10日に開催された「第2回クリスマスいちご選手権」においても、県内生産者が出品した県オリジナル品種の「べにたま」が最高金賞に選ばれました。その他、金賞が2品、銀賞2品、銅賞4品、入賞2品、県内生産者が受賞し、銅賞以上の上位全部で14の品目中、何と9品を、そして入賞以上の23品中11品を埼玉県が占め、正に全国唯一の「プレミアムいちご県」にふさわしい堂々たる好成績を収めました。また、9月には「第3回全国梨選手権」で、本県の生産者が出品した県のオリジナル品種「彩玉(さいぎょく)」が昨年の埼玉産「豊水(ほうすい)」に続き、最高金賞を受賞しました。さらには、米も県育成品種、「彩のきずな」が4年連続5度目の特A評価を獲得しています。県としては、恵まれた自然条件と大消費地である首都圏の中央に位置するという地の利を生かし、「近いがうまい埼玉産」をキャッチフレーズとしてPR活動に力を入れているところであり、私も、都内の市場や百貨店などでトップセールスを行ってまいりました。埼玉県のおいしい農産物、是非お楽しみいただきたいと思います。そして2位です。「今年もスポーツ埼玉勢が大活躍!「すぽったま」アプリもスタート」であります。夏に開催された(パリ)2024オリンピック・パラリンピック競技大会では、オリンピックで、レスリング女子62キロ級の元木 咲良(もとき さくら)選手やブレイキン女子の湯浅 亜実 (ゆあさ あみ)選手が金メダルに輝くとともに、パラリンピックでは、ゴールボール男子の金子 和也(かねこ かずや)選手をはじめ5名や車いすラグビーの倉橋 香衣(くらはし かえ)選手をはじめ4名、車いすテニス女子ダブルスの田中 愛美(たなか まなみ)選手が金メダルを獲得するなど、県ゆかりの選手が活躍し大会を大いに盛り上げました。このほかにも、三菱重工浦和レッズレディースはWEリーグ初の連覇及びAFC女子クラブチャンピオン(シップ)2023優勝、そして埼玉パナソニックワイルドナイツは、リーグワン優勝(後に訂正:準優勝)、越谷アルファーズは埼玉県勢初のB1昇格、国スポ・全障スポでの埼玉県勢の大活躍など、明るいニュースが続きました。埼玉スポーツが大いに盛り上がっているところ、県としても、県内スポーツチームの観戦・応援に便利なWEBアプリ「すぽったま!」を10月にオープンいたしました。このアプリ一つで、県内のプロやトップスポーツチームの最新ニュースや試合日程、お得なチケット情報をまとめてチェックできます。また、試合を観戦することでポイントが貯まり、選手のサイン入りグッズなど、素敵な賞品が当たるスタンプラリーや「すぽったま!」限定のチームコラボキャンペーン等、楽しんでいただける企画も盛りだくさんです。皆様には、是非この「すぽったま!」をスマートフォンのホーム画面に登録して、是非、御活用いただき、埼玉スポーツを今後も大いに盛り上げていただきたいと思います。
そして最後に、勿体(もったい)を付けようと思ったら出てしまいましたが1位の発表です。1位は「渋沢って、埼玉らしい「渋沢・埼玉プロジェクト」」であります。本年7月3日、渋沢栄一翁を肖像とした新たな一万円札が発行されました。改めて申し上げるまでもありませんが、渋沢栄一翁は、「近代日本経済の父」と呼ばれる実業家で、生涯に約500の企業の育成に関わり、同時に約600の社会公共事業や民間外交にも尽力された埼玉県が誇る偉人であります。新一万円札発行に合わせて、現代日本の基礎をつくった渋沢翁の偉業を称え、県民を挙げて新札発行をお祝いし、「渋沢といえば埼玉」を全国へ発信すべく、(パネルを示しながら)「渋沢って、埼玉らしい」、このロゴマークとキャッチコピーを作成するなど、「渋沢・埼玉プロジェクト」として、様々な取組を行いました。例えば、新一万円札発行の際には、「シルクハット大作戦」と銘打って、私自ら、観光周遊促進のための街頭キャンペーンを実施したほか、「トークイベント~渋沢栄一翁が目指した未来を語る~/新一万円札交換会」や「県庁 七夕フェスティバル」など、様々なイベントを行いました。渋沢栄一翁が埼玉県の出身ということを、楽しみながら知っていただくとともに、埼玉の魅力を再発見いただけたのではないかと思っています。渋沢栄一翁は、幕末から明治にかけ、大きく社会が変化する時代にあって、未来を切り開いてきた人物であり、今の時代に重なる部分が大いにあると感じています。中でも「論語と算盤(そろばん)」の精神は、経済成長と環境や社会の調和を図る正にSDGsの精神そのものであります。その先見の明と志の高さは、正に敬服の念に堪えないところであります。私も埼玉県知事として、「埼玉版SDGsの実現」を掲げ、誰一人取り残さない社会の実現に向け努力しているつもりではありますが、この渋沢栄一翁の精神を受け継ぎ、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、引き続き力強く取り組んでいく所存でありますので、県民の皆様にも、是非、御協力をお願い申し上げます。
最後に、「今年の漢字」であります。「金」にしました。日本漢字能力検定協会が公募する今年の漢字も「金」でありましたので、若干どうしようかなとは思ったのですけれども、埼玉県、今年の埼玉県ほど「金」にふさわしい県はないのではないかという思いで、この金(きん)、あるいは金(かね)を選ばせていただきました。その理由でありますが、まず第1には、先ほどお話をした今年の10大ニュース第1位、本県出身の偉人である渋沢栄一翁を肖像としたお金、新一万円札が発行され、埼玉県が注目を浴びる1年となったことであります。また、先ほど第2位でしたか、パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会では、多くの県ゆかりの選手が金メダルを獲得する大活躍で県民に希望を与え、あるいはいちごや梨が全国選手権で最高金賞を獲得し、本県の農業が盛り上がるなど、正に「金」に関連する明るいニュースによって、これまで長い間、新型コロナウイルス感染症によって暗かった雰囲気を吹き飛ばしてくれました。今年はこの強い追い風が埼玉県に吹いて良い年でありました。このほか、裏金等のお金の話も国ではありましたが、埼玉県では、課題としては、保育士給与の原資となる公定価格の地域区分及び支給割合が、実際の経済状況や地域情勢を適切に反映せず不公正であるというお金の問題も生じています。今後もあらゆる手段を尽くして、国に強く働き掛けを行うことによって、本県の保育行政の後退がないように取り組んでいきたいと思っています。そして、今年は、冒頭から私は2つの歴史的課題があると申し上げてまいりました。1つは、人口減少・超少子高齢化、そしてもう1つは、激甚化・頻発化する自然災害であります。超少子高齢化で働く層が、人口が減る中で、持続的な発展を遂げていくためには、稼げる経済、労働生産性を正に上げていく、このお金を稼いでいけるような経済を持続的に作っていくことが必要であります。また、自然災害等の危機管理のためには、私たち埼玉県は、例えばパンデミックや災害に対しても金城湯池(きんじょうとうち)を作り上げていく、こういった思いを現実にしていきたいと考えています。最後になりますが、来年には、本県では66年振りとなる「第75回全国植樹祭」の開催、あるいは「渋沢MIX(ミックス)」の開設など、大きなトピックがあります。引き続き、埼玉県に吹く今年の追い風を来年も更にその勢いを増せるように、皆様と共にワンチーム埼玉で県政に取り組み、成長の1年としていきたいと考えております。改めて、記者の皆様、県民の皆様には、今年1年の御協力に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
毎日
先ほどとちょっと被ると思うのですが、今年の振り返りと新年の抱負について、改めてお話いただけますか。
知事
今年1年振り返ると、やはりまず元日にですね、能登半島地震が発生し、甚大な被害がありました。それに加えて、8月8日には震度6弱の地震が観測されて、初めて南海トラフ(地震)臨時情報が発表されることとなりました。首都直下地震も30年以内に70パーセントの確率で発生するとも言われており、本県にも大きな被害が生じると予測されています。正に新年、今年一番最初の新年にですね、改めて防災体制を充実させていかなければならない、このように考える1年が始まったところでありました。そんな中でも、埼玉県明るいニュースが続きました。10大ニュースでもお話をさせていただいたので、詳細には申し上げませんが、新一万円札の発行を契機として、「渋沢って、埼玉らしい」のキャッチフレーズの下、渋沢翁が埼玉出身であること、あるいは渋沢翁の精神を埼玉県に伝えることなど、様々な事業を行い、PRしてまいりました。また、パリ2024オリンピック・パラリンピックでの県ゆかりの選手の金メダル、いちごの「あまりん」「べにたま」、(梨の)「彩玉」などの相次ぐ最高金賞の受賞、こういった農業振興が図られた年でした。先ほども申し上げましたが、コロナでやはり数年間、多くの方々が下を向き、将来が見えない、こういう状況が続いていましたが、昨年、5類に、この新型コロナウイルス感染症が感染症法上の位置付けが変わって、そして今年になって、この暗いコロナ禍を吹き飛ばすような追い風が吹いたと言ったのは、そういった意味では良い年だったというふうに考えています。ただ、やはりこれも申し上げましたが、本県においてもですね、人口減少が進む中で、現役世代1人が高齢者1人を支える肩車(型)社会になることが予想されています。そういった意味では、人口減少・超少子高齢化社会の到来であったり、あるいは先ほど災害の話をしましたけども、激甚化・頻発化する災害、こういったものへの対応、これは未来に向けて行わなければいけないということで、特に今年から、もちろんこれまでもやってきたのですが、特に力を入れてきた1年でありました。
毎日
ちなみに知事、個人的にニュースはありましたか。どうでしょう、個人的には。
知事
個人的ニュースとしては、実は私もこれ考えていて、あぁこれかなと思ったのは、実は4月に就任して5年で初めてお休みを取らせていただきました。旅行をちょっとさせていただいたという意味では、私というよりも家族に対して良い貢献ができたかなと思っています。
日経
今年1年の振り返りという観点では同じかもしれないのですけれども、今年はですね2024年問題という言葉が結構ちまたでよく聞かれ、運送業界であったり建築業界を中心に人手不足が深刻化した1年でありました。県の戦略会議では、物流問題、ドライバー不足等についても議論されたかと思います。こういった中で人手不足の状況を巡る今年1年の振り返りや御所感と、それから来年以降、支援であったりとか、あとは人手不足対策で力を入れていくこと、その2点をですね、お伺いできればと思います。
知事
まず、人手不足については喫緊の課題であるということで、2024年問題に起因する業界のみではなく、全体に対してもやはり対応が必要だろうと思っています。そしてもう1つは、先ほど申し上げた、人口減少・超少子高齢社会、これを考えると喫緊のその目先だけではなくて、中長期の課題としても捉えていく必要があると考えています。と申しますのも、我々行政は、ときに財政出動を行うことによって需要を喚起し、それで経済を上げようとしてきましたが、今や需要が喚起されても生産が追いつかない。つまり、コスト高やあるいは人手不足によって、生産が追い付かないために需要が上がっても経済が上がってこない、こういう時代になりましたので、今までの、先ほど申し上げたような、財政出動や補助金を出すことによって経済を上げていくという行政の役割から人材の確保や労働生産性の向上という方に力を入れる、こういった大きな時代の転換点にもしかすると来ているという意味での中長期的なこの2つの観点から、人手不足は考える必要があると私は思っており、そのために、後者についてはDX等のやることがありますけれども、まず、目先の観点ということで、「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」の中に、今年度新たに「人手不足対策分科会」を設置し、産・官・学・金・労が連携して検討を進めてまいりました。特に、2024年問題などによって人手不足の深刻な物流並びに建設の分野については、業界の特性を踏まえた対応策を検討してまいりました。物流の方ですが、国の試算によりますと、何の対策ももしも行わない場合には、必要とされる輸送能力が2030年度には34.1パーセント不足するとされています。持続可能な物流体制の構築には、物流事業者や行政だけではなくて、荷主、消費者、関係団体などを巻き込んで、社会全体での取組が不可欠です。そこで、今年9月に、戦略会議のメンバーだけではなくて、そこに消費者団体や、あるいは物流事業者を加え23の団体で「埼玉の持続可能な物流の確保に向けた共同宣言」を実施いたしました。宅配の大手3社も入った共同宣言は全国初めてでありました。こういった宣言の実効性を確保することが重要なので、まずは消費者に向けた取組として、物流の繁忙期である12月を「再配達削減推進月間」に位置付け、「宅配を1回で受け取ろうキャンペーン」を展開しています。再配達率が11パーセントと高止まりしています。1回で受け取る方法として、具体的に日時指定や置き配、宅配ロッカーの活用など、お一人お一人のライフスタイルに合わせた受取方法の選択を呼び掛け、再配達を削減したいと思っています。また、荷主や物流事業者に対しては、国の制度である「ホワイト物流推進運動」の自主行動宣言を行うよう、先ほどの23団体が連携して呼び掛けを行い、荷主や物流事業者がそれぞれの立場で、商慣行の見直し、物流効率化、働きやすい職場づくりなどに自主的に取り組んでいただくこととしています。来年度以降も、共同宣言に基づき23社と連携して実効性のある取組を着実に社会実装し、「物流改革の埼玉モデル」と言われるよう取り組んでまいります。来年度予算においても、詳細についてはまだ申し上げられないのですけれども、戦略会議や分科会での議論も踏まえ、必要な対策を適切に実施したいと思っています。次に、建設業の方ですが、ここでは生産性の向上と担い手の確保が鍵だと思います。生産性向上については、ICT活用工事や情報共有システムの制度拡充を進めるなど、建設業のDXを推進してまいりました。また、担い手確保については、県ホームページに新たに建設業の担い手確保に関するページを開設して、業界の魅力発信につながる情報を発信しているほか、業界団体で構成し県も参画する「埼玉県建設産業担い手確保・育成ネットワーク」と連携して、建設事業者向けのアンケート調査を実施しているところであります。来年は、国や建設業関係団体と連携して、研修や現場見学会などの更なる充実を図り、生産性向上に取り組む県内建設企業を後押ししながら裾野を広げ、ICT施工の普及・拡大に取り組んでまいります。また、ホームページの一層の充実を図るほか、事業者向けアンケート調査の結果を基に、担い手の確保に向けた具体的な取組を展開していきます。引き続き、建設業者や各種団体との連携を図りながら、建設業における人手不足対策の取組を充実させてまいります。他方で、人手不足の課題は突然人が出て来るといったものではなく、一朝一夕に解決するものではありません。また、生産年齢人口が減少するという前提の下に、私たちは中長期的な戦略課題として、これを戦略会議や人手不足分科会での議論を踏まえ、実効性のある取組につなげていく必要があると考えていますので、引き続き極めて高い優先課題として政策を進めてまいりたいと考えています。
時事
今年の振り返りとかとあまり関係ないかもしれないのですけれども、ホンダと日産の経営統合に向けて協議を始めるというニュースがありました。ホンダは埼玉にも工場があって、知事の公用車もホンダのレジェンドハイブリッドでゆかりもあるかと思いますが、知事の所感であったりとか、県内経済への影響とか、もし予想されるものとかあれば教えていただければと思います。
知事
埼玉県の、いわゆる産業構造を見ていると、自動車産業の下請けといったものも非常に多いので、これからやはりこういった動きというものは大きな影響を与えるのではないかと思っています。その中でも、ホンダにつきましては、御案内のとおり、昭和39年稼動の狭山工場を起点として、小川(町)のエンジン工場、寄居(町)の完成車工場というように、地域経済の活性化や雇用創出に大きな御貢献を頂いています。また、ホンダ、日産自動車双方においても、多くの取引先が県内にございます。このたびの経営統合の報道については、世界的なEV化の流れや自動運転技術の導入など、自動車業界が100年に1度の大変革期にある中での企業の生き残り戦略と認識しているところでありますが、この企業統合が円滑に、かつ経済的に大きな効果をもたらすことによって、埼玉県経済にも良い影響があることを祈念しているところでございます。もちろん、経営統合自体は企業の判断によるところではありますけれども、雇用、あるいは取引先への影響などもありますので、情報収集に県としてもしっかりと努め、地域経済への影響に対して意を配し、県内中小企業にプラスになるよう取り組んでまいりたいと思っています。そして、もちろん、先ほど私の公用車がホンダだという話がありましたけれども、県としても、こういった県にゆかりのある企業については、応援してまいりたいというふうに考えますので、今後どういう名前になるのか、「二ホン」なのだか「ダッホン」なのだか分かりませんけれども、そういった車の場合には、しっかりと応援していきたいと思っています。
毎日
世界では、ものすごい大きなニュースが、ここ最近、すごく多発したなと思ったのですけど、埼玉JETROなど埼玉県での海外戦略は変わったりするのでしょうか。
知事
非常に大きな話ではありますけれども、来年早々にはアメリカで新しい大統領が就任されるというふうに伺っています。その際には貿易、さらには為替、そしてエネルギー、こういったものに影響が出るのではないかというふうに専門家の御指摘があります。これらについては、やはり我々としても懸念するところがあり、また、そういった国々との影響を受けて、例えば国内において、国の予算の拠出先が変わる、こういったことも当然懸念されるところであります。我々といたしましては、もちろんまだ分からない中で一喜一憂するつもりはございませんけれども、これらの様々な影響について、例えば、県内の企業が進出している、いない、あるいはその下請け、さらにはそこが及ぼす影響、こういったことも含めて、冷静に受け止めていかなければいけないというふうに考えているところであり、まずは大統領が代わってからの1年ぐらいですかね、と言うのは、最初の(1期目の)トランプ大統領が代わって1年で、確か、自分のスタッフが33パーセント代わっているのですね、それで1回落ち着いてますので、まずは1年、どういうことが起きるのかということを見ていきたいというふうに考えているところでございます。また、それだけではなくて、ロシア、ウクライナ、それから中東といったところでの大きな出来事が、この1年間、あるいは1年半続いてまいりましたので、そういった影響も注視するとともに、隣国の中国、北朝鮮、さらには、つい最近では韓国といったところでも、軍事・政治・経済の動きがありますので、県経済に対してどういった影響があるか、あるいは県政治に対してもどういった影響があるかということを、しっかり国とも連携しながら、状況を注視していきたいと考えています。(終)
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