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掲載日:2024年2月14日

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知事記者会見 令和6年2月13日

知事記者会見動画【全体:YouTube】
知事会見パネル(PDF:4,164KB)

 知事発表

令和6年2月定例会付議予定議案について 【該当部分動画(YouTube)】

知事

 本日は、私の方から何点か報告をさせていただきたいと思っております。まずは、「令和6年2月定例会付議予定議案」について報告をさせていただきたいと思います。令和6年2月定例会は、令和6年2月20日火曜日に招集することといたしました。今定例会に提案する議案は、予算22件、条例23件、事件議決が7件、基本的な計画の策定等が2件、合計54件、ほかに専決処分報告が6件あり、併せて60件となっております。

 令和6年度当初予算は「歴史的課題への挑戦と未来への確かな布石」をキャッチフレーズといたしました。本県は今、人口減少・超少子高齢社会の到来と激甚化・頻発化する自然災害等への危機対応という、大きな2つの歴史的課題に直面しています。こうした中、社会全体の生産性向上や住み続けられるまちづくり、気候変動やコロナ禍の経験を踏まえた持続可能な社会経済の構築等、社会の変革を求めるニーズはこれまで以上に高まっていると思います。令和6年度はこれらに的確に対応するべく、まず、歴史的な課題の1つ目であります、「人口減少・超少子高齢社会」への対応として、「更なるDXの推進による県民サービスと生産性の向上」、「持続可能なまちづくりと経済成長の実現」、「こども支援の充実」を柱に取り組んでいきたいと思っています。もう1つの歴史的な課題である、「激甚化・頻発化する自然災害と新たな危機」につきましては、埼玉版FEMAをはじめとした備えをより強固なものにしていきたいと思っています。大きな時代の転換期を迎えていますが、直面する2つの歴史的な課題に敢然と立ち向かい、将来にわたり持続的発展が可能な社会の実現に向け、未来への布石となる施策を展開していきたいと思います。また、令和6年度は埼玉県5か年計画の中間年度となります。そこで、施策の指標に掲げた目標の達成に向け、これまで取り組んできた施策をPDCAサイクルに基づく検証・改善により、本県が目指すべき将来像の実現に向け取組を深化させていきたいと思っています。これらの取組を通じ、埼玉県の確かな成長と発展につながる未来への礎を築いていきたいと考えています。予算額ですけれども、一般会計で2兆1,197億4,400万円、全会計合計をいたしますと、3兆5,545億2,912万4千円となります。さらに、国の経済対策に合わせた13か月予算といたしまして、防災・減災、国土強靭化等を推進すべく、一般会計で319億5,822万円の補正予算を同時提案いたします。なお、この補正予算案につきましては、急施議案として議会に早期の議決をお願いするものでございます。

 まず、1つ目の柱ですけれども、「歴史的課題への挑戦(人口減少・超少子高齢社会への対応)」のうち「更なるDXの推進による県民サービスと生産性の向上」についてであります。パネルの左側になりますけれども、「DXによる県民サービスの向上」についてでありますけれども、今年度整備をいたしました全庁GISの基盤に搭載するマップの数を、現在14でありますけれども、来年度には68に拡充いたします。新たに搭載するマップといたしましては、例えば、河川の水質、さらには鳥獣保護区のマップ、都市計画情報等を予定しております。併せて、GISのポータルサイトに、マップをカテゴリー別に表示して探しやすくするなど、より使いやすくすることで、利用者の情報検索に係わる時間の短縮等、閲覧の利便性を向上させ、UX(ユーザーエクスペリエンス)の促進を図ってまいります。次に、昨年11月、本県は初の常設型のバーチャル空間「バーチャル埼玉」を開設して、イベントや魅力発信を行いましたが、より多くの部門が様々なサービスを提供できるよう、全庁共通のメタバース空間を整備し、まだまだその効果が未確定でありますので、試行したいと考えています。バーチャル空間は、場所等の制約を受けずにリアルに近い体験ができ、アバターを用いればプライバシーを守りつつ多くの方々と交流ができます。例えばですけれども、ヤングケアラー、あるいは性的マイノリティを対象とした相談や、学生の就職支援のためのマッチング、こどもや若者の居場所づくり、様々なイベント等、幅広い分野でサービスを提供してまいりたいと思います。次に、窓口においてキャッシュレス決済が導入されていない県直営施設や保健所等に、キャッシュレス環境を整備するとともに、可能な手続から電子申請による受付を実施することによって、公金収納における更なる県民の利便性の向上と会計事務の効率化を図ります。また、電子出願及び入学選考手数料の電子収納について、今年度は12校で導入いたしましたが、令和6年度には、入学者選抜を実施する全ての県立中学・高等学校において本格導入をいたします。出願手続のデジタル化による受験生・保護者の利便性の向上を図るとともに、学校の入試業務全体の効率化を図ってまいります。次に、右側になりますけれども、「県内中小企業のDX推進」についてであります。「埼玉県DX推進支援ネットワーク」の支援機能を更に強化し、デジタル化の初歩段階の事業者からAI・IoTの活用等によって業務・組織変革を目指す企業まで、デジタル化のステージに応じたきめ細かい支援を実施するもので、DXコンシェルジュの体制強化を図ってまいります。そして、次に「タスク・トランスフォーメーション(TX)による行政の生産性向上」であります。まず、「TXの推進」ですけれども、県庁の業務をデジタルで効率化するタスクと人が担うべきタスクに、まず分けていきます。そして、デジタルの力で生産性を高めるとともに、業務効率化でそこで生まれた時間がありますので、これを職員のスキルを高めたり、人にしかできない創造的な仕事に振り向けて、県民サービスの向上につなげてまいります。このTXを推進する上で重要なツールとなるのが、「生成AI」、あるいはプログラミングの知識がなくても業務を効率化できる「ノーコードツール」であり、全ての県職員がこれらを安全かつ有効に活用できるようにいたします。しばしば生成AI等では、主として、あたかもそれが導入の目的となっているかのような、そういった報道も見受けられますが、私どもは、こういったTXの推進の中での、あくまでもツールとして、生成AI、ノーコードツールを使っていきます。生成AIでは、文章作成や要約等の作業を効率化し、逆にノーコードツールでは、転記、集計作業等の単純作業を効率化するなど、庁内の様々な業務を効率化し、更なるタスク・トランスフォーメーションにつなげてまいります。

 次のパネルですけれども、「持続可能なまちづくりと経済成長の実現」のうち「埼玉版スーパー・シティプロジェクトの推進」についてであります。この「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」については、昨年度までにエントリーした29団体に続き、今年度新たに17団体がエントリーし、プロジェクトに取り組む主体は46になったというのは、既に御報告させていただきました。こうした状況を踏まえ、令和5年度から進めている官民連携によるまちづくりについては、プロジェクトに取り組む市町村の増加に対応し、企業等の参加しやすさにも配慮して、交流の機会を拡大、マッチングを強化するイベントを拡充してまいります。また、プロジェクトに取り組む市町村のまちづくりが着実に推進されるよう、引き続き、埼玉版スーパー・シティプロジェクト推進補助金により、市町村の財政の補助も行ってまいります。これらに加えて、パネルの右側になりますけれども、令和6年度は、市町村のプロジェクトに位置付けられた取組を加速すべく、主要分野において新たな市町村支援策を講じることとしています。まず、持続可能な地域公共交通ネットワーク構築の取組への補助を拡大するとともに、高齢者を地域で見守るコンパクトなまちづくりを進めるための認知症高齢者グループホーム等の整備、あるいは、こども食堂等の「こどもの居場所」に機能を追加した「新たな子供支援活動拠点」の整備に関する補助制度を新設いたします。また、地域のにぎわい創出のための商店街の空き店舗の活用や、空き家バンクをとおした空き家の利活用を促進するための補助制度も創設し、市町村のプロジェクトを加速させたいと思っています。さらに、市町村の事業と連携することにより相乗効果が期待できる県実施事業についても、必要な予算を計上いたしました。まず、にぎわいのあるまちづくりやスマート交通システムを支援するための県道整備や、「水辺deベンチャーチャレンジ」による水辺整備に取り組んでまいります。また、再生可能エネルギーの活用による地域のエネルギー・レジリエンス向上の取組として、県管理の調節池を活用して太陽光発電設備を設置する市町村を支援するための基盤整備や、県有施設における再生可能エネルギーの導入等についての設計を行います。

 次のパネルですけれども、左側、「オープン・イノベーションの創出」であります。業種や規模が異なる企業や起業家等が交流し、イノベーションが創出される場である、「(仮称)渋沢栄一起業家サロン」について、JRさいたま新都心駅に直結する建設中の民間複合ビルに開設することといたしました。開設時期については令和6年度内を目指してまいりましたが、この民間ビルのオープンが当初の計画から遅れたために、令和7年度となる予定であります。令和6年度はこのため、オープン・イノベーションの啓発、スタートアップの創出に向けたセミナーや集中プログラム等を先行実施してまいります。併せて、内装の設計や工事等のハード整備を進めていきたいと考えております。次に、多様な主体が協働するオープン・イノベーションにより社会的課題の解決に資するロボット開発の支援を目的とした「(仮称)SAITAMAロボティクスセンター」の整備についてであります。このロボティクスセンターは、令和8年度の開所に向け拠点施設と実証フィールドを整備いたします。また、昨年7月に設立いたしました「埼玉県ロボティクス・ネットワーク」の活動としてセミナーや研究会を実施し、県内中小企業等のロボット産業への参入を促進してまいります。さらには、農場や店舗におけるロボット実証等、アグリテック、フードテックの促進に向けた取組を行ってまいります。右側ですけれども、「サーキュラーエコノミーの推進」についてであります。令和5年度から本格的な支援を開始いたしましたが、令和6年度にはサーキュラーエコノミーのサークルのあらゆる段階でリーディングモデルを構築・展開すべく、更に支援を拡充します。まず、補助金の新設でありますけれども、資源の循環に配慮した設計、サーキュラーデザインに基づく製品等の試作開発や、食のサーキュラーエコノミーに資する設備導入等、廃棄物処理業者の高度な再資源化設備の導入を支援してまいります。そして、このサーキュラーエコノミーに特化したスタートアップ企業のビジネスプラン・コンテストを開催させていただきたいと思っています。コンテストは埼玉県での事業展開を条件に他県の企業でも参加可能とし、先進的なビジネスモデルを有する企業を呼び込んでいきたいと考えております。さらに、令和5年度に設置した「サーキュラーエコノミー推進センター埼玉」では、コーディネーターによるマッチングに加えて、研究会での試作開発や大規模展示会への出展を行います。加えて、埼玉県SDGs官民連携プラットフォームを活用し、会員企業間の交流や、事業連携等を図ることによって、サーキュラーエコノミーを推進してまいります。そして、次に、「埋立跡地を活用した資源循環モデルの整備」でありますけれども、寄居町にある環境整備センターの埋立跡地において、資源循環工場が持つ技術等を活用した資源循環モデル農場と公園を整備することで、資源循環を活用した最終処分場の跡地活用の先進モデルとして全国に発信したいと思います。

 次のパネルは、「あんしん、しあわせ、たのしい、こども支援の充実」であります。こども基本法第11条に基づき、県の子供施策に対して、子供や子育て当事者からの意見を聴取する仕組みを構築すべく、「こども県政サポーター」、これは仮称ですけれども、これを創設いたします。これは、子供や子育て当事者にサポーター登録をしていただきます。そして、オンラインやアンケート、あるいは対面でのアンケート等、県の子供施策に対して御意見を頂くものであります。頂いた御意見を施策に反映させることで、本県の「こどもまんなか社会」の実現を目指してまいります。次に、「家族形成に向けた気運の醸成」ですけれども、プロスポーツチーム等と連携して、スポーツを切り口にした婚活イベントを開催します。併せて、SNS等を活用し、SAITAMA出会いサポートセンター等、様々な結婚や出会いに関する支援情報を発信することによって、結婚や出会いを希望する方が一歩踏み出せるような気運の醸成に取り組んでまいりたいと考えています。次に、「困難を抱える妊産婦への支援」についてであります。様々な事情から友人宅やインターネットカフェ等、不安定な居所で生活するなど、困難を抱える妊婦の方を、県が契約する県内産科医療機関等で緊急一時的に受入れを行います。なお、市町村はこの緊急一時的な受入れの間に、この妊婦さんが安心して生活できる居所へ移行できるよう調整を行い、その後も子育て期まで伴走型の支援を継続いたします。また、一人での生活が困難な場合には、母子生活支援施設で受け入れて、日常生活の支援を行い、安心して出産、生活ができる場を提供いたします。妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援することによって、妊産婦の孤立化を防ぐと同時に、0歳児の虐待を防止することを考えております。次に、パネルの右側になりますけれども、「子育て家庭への経済的支援」として、こども医療費助成制度の拡充を行います。子供への医療費助成の対象年齢を、通院は小学校3年生まで、そして、入院については中学校3年生までに拡充するとともに所得制限を撤廃し、市町村による子育て支援の充実を後押ししたいと思っています。次に、「保育人材の確保」であります。資格を持っているが保育士として働いていない、いわゆる潜在保育士の就職支援のため、潜在保育士をターゲットとしたデジタル広告や一斉通知を実施するとともに、ワンストップで就職に向けた情報収集が可能なポータルサイトを新たに構築します。さらに、段階的な復職を支援するため、潜在保育士を保育補助者として雇い上げた事業者に対して経費を補助することにより、保育人材の確保を図ります。また、育児と仕事が両立できる社会を実現するため、男性の育児休業取得に積極的に取り組む企業の表彰やイベント等を行います。加えて、企業の経営者や管理職に対してセミナーを実施し、男性の家事・育児参加に対する理解を促すとともに、家事・育児のヒント集である「共育てハンドブック」、これも仮称ですけれども、この作成・配布を通じ、男性の家事・育児参加に対する意識改革等を図ってまいります。

 次のパネル左側、「こどもの居場所の確保・充実」であります。家でも学校でもない、子供が安心して過ごせる場所の確保・充実に向けて、地域の多様な主体が連携・協力するとともに、既存の施設やメタバース空間も活用するなど、地域全体で子供を育てる社会を作ります。まず、全国に先駆け、バーチャル・ユースセンター、これも仮称ですけれども、これを設置します。メタバース空間に、子供や若者が安心して気軽に参加できる居場所を設けます。テーマトークやワークショップ等の交流・体験、あるいは悩み等を打ち明けられる相談の場として構築し、必要に応じてリアルの居場所や体験、専門の支援にもつながる取組を試行的に行っていきたいと思っています。また、放課後児童クラブの待機児童対策として、待機児童の生じている市町村が児童館等、既存の施設等を活用し、児童の受け皿を確保するための経費を補助するとともに、児童・保護者向けにニーズ等の実態調査を実施し、待機児童対策の施策を検討します。さらに、こどもの居場所の安定的な運営を支えるため、地域ネットワークの立ち上げ時における、拠点の整備等に必要な備品の購入費用、ホームページの作成経費等を補助します。加えて、今後は市町村が主体となってこどもの居場所づくりを計画的に推進していく必要があるため、市町村と地域をつなぐこどもの居場所支援団体の育成に係る費用を補助させていただきたいと思っています。次に、右側になりますけれども、「児童虐待防止・社会的養育の充実」であります。児童虐待の発生予防から、虐待の早期発見及び対応、社会的養育が必要な児童が健やかに成長できる環境の整備、施設等から退所した児童のアフターケアまで、一連で切れ目のない支援を行ってまいります。まず、児童虐待の未然防止として、指摘された子供や家庭に対して、生活習慣の形成、学習のサポート、食事の提供等を行う中で必要性が把握された場合、関係機関へつなぎを行うなど、包括的な支援を実施する市町村に対し補助を行います。次に、一時保護所の環境整備として、保護児童の居室の個室化や年齢別の学習室を設けるなど、環境改善を図るべく、令和9年度の開所に向けて、中央児童相談所一時保護所の建替えのための設計等を進めてまいります。また、意見表明等支援員により、保護児童が自分の意見を表明しやすくなるよう支援することで、権利擁護に配慮した環境整備を進めます。次に、児童養護施設等の運営体制の強化として、乳児院における医療機関との連携を図るため、医療機関等連絡調整員を配置し、乳幼児の円滑な受入れを促進します。また、資格を持たない方を補助者として雇上げた場合の補助をするとともに、児童養護施設等に勤務する職員が負担する家賃の一部を助成することにより、職員の負担軽減と離職防止を図ります。さらに、里親の広報から児童の自立支援まで、一連の里親関連事業の全てを行う里親支援センターを新たに設置し、包括的な支援を実施することで、里親委託を推進し、社会的養育環境の充実を図ってまいります。

 次のパネルですけれども、「激甚化・頻発化する自然災害と新たな危機への強固な備え」についてであります。まず、左側、「災害対応力の底上げ」でありますけれども、関係機関の連携に主眼を置き様々なシナリオ作成や図上訓練を繰り返す「埼玉版FEMA」をより一層充実させるため、これまで作成してきたシナリオのブラッシュアップを図るとともに、新たに「林野火災」のシナリオを作成し、図上訓練を実施します。また、災害時に指揮命令を担う職員を対象に、災害を想定したブラインド演習による図上訓練を実施します。次に、災害時に迅速かつ的確な災害対応につなげるため、ドローンを活用した災害現場の上空観測可能な体制を構築するための実証実験を行います。また、災害時にジェンダーの視点を踏まえた避難所の開設・運営ができるよう、県標準手引き及び映像資料を作成し、それに基づく市町村版マニュアルを全市町村で策定していただきます。これは、県が進めてきたジェンダー主流化の試みを、広く市町村にも広げる試みであります。パネル右側、「自然災害への備え」であります。令和5年6月の大雨により中川・綾瀬川流域を中心に大規模な内水被害が発生したことを受け、先日、「中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト」をとりまとめ、その案を示しました。このプロジェクトの実施に当たり、中川・綾瀬川流域を「特定都市河川」に指定し、法的枠組みを活用して流域治水をより強力に推進し、浸水被害の防止・軽減を図ります。また、道路冠水常襲(じょうしゅう)箇所におきまして、冠水感知センサー及び警報装置を設置することで、速やかな交通規制を実施し、道路利用者の安全・安心を確保してまいります。次に、「新たな感染症への備え」ですけれども、新型コロナ対応を振り返り、早期の病床の確保と検査体制の構築が課題となったと思うため、ワンチームで対応する関係者間の連携の重要性も踏まえて、新たな感染症の発生・まん延時に備え、病床確保のための協定締結医療機関が行う施設・設備整備への補助等、感染症対応力の向上支援や衛生研究所の機能増強を行うほか、訓練を実施して地域の連携体制の構築を進め、新たな感染症に備えたいと思います。

 次に、2つ目の柱、「『日本一暮らしやすい埼玉』の実現に向けた取組の深化」のうち、「県民の暮らしの安心確保/介護・医療体制の充実」であります。(パネルの)左側、「犯罪捜査力の強化」ですが、情報通信機器に保存されている重要な証拠を迅速かつ確実に収集することで、従来は聞き込みや防犯カメラの精査等の代替捜査に費やしていた時間と労力を削減し、捜査力を強化するための環境を整備します。次に、「働き方の柔軟化による警察力の向上」ですが、現在のテレワーク環境を拡充し、育児等の事情を抱える警察職員の仕事と家庭の両立を可能にし、職員が持てる力を十分に発揮できる柔軟な勤務環境体制を整備します。次に、「生活の安心支援」でありますけれども、仕事と介護の両立を支援すべく、働きながら介護をするビジネスケアラーや、将来的にビジネスケアラーとなり得る方に対して、介護の相談窓口、地域包括支援センターへの早期相談等を促す動画を作成し、企業等などを通じて周知してまいります。次に、(パネルの)右側、「人材の確保・定着対策の推進」であります。医学生奨学金貸与枠については、卒業後に県内の医師不足地域等に勤務するということを条件に奨学金を貸与していますが、この地域枠を、7大学45名であるものを8大学47名に拡充いたします。また、高齢化により医療ニーズ増大が見込まれる中、県内の看護職員の更なる確保・定着を図り、ICTの導入による看護職員勤労環境の改善を促進してまいります。そして、モデル施設として選定した県内病院にアドバイザーを派遣し、ICTの導入による看護業務の改善計画の策定等を支援するとともに、業務効率化の好事例について施設見学会の実施や病院長をはじめ職員階層ごとへの周知・啓発、意識の転換を図ることによって、遅れている医療機関におけるデジタル化、横展開を図ります。次に、「地域医療体制の充実」です。まず、「救急電話相談・救急搬送体制の強化」として、救急電話相談#7119に県コロナ総合相談センターを統合いたします。そして、ポストコロナの電話相談窓口とします。また、救急隊と医療機関が利用する救急医療情報システムに画像等の送信機能を追加し、搬送患者のケガの状況等を画像で正確かつ迅速に共有することで、救急搬送体制の強化を図ります。さらに、がん患者のクオリティオブライフ(QOL)向上を図るため、がん治療に伴う外見変化を補正するかつら等のアピアランスケア用品の購入費用及び、AYA世代の終末期がん患者の在宅療養費用を助成する市町村に対し、その助成額の一部を補助します。県が市町村の実施するこれらの事業に対し補助することで、市町村の取組を促進し、県内どこでもがん患者が必要な支援を受けられる環境を整備します。

 次のパネルは、「未来を創る子供たちの育成/人生100年を見据えたシニア活躍の推進」であります。(パネルの)左側、「多様なニーズに対応した教育の推進」でありますが、県立高校を対象に、教員の確保が困難な教科等につき、ICT活用遠隔授業の実証を行います。併せて、大学教員の外部講師が単位取得可能な形の遠隔授業を実証的に行い、生徒の多様な科目選択の実現及び学びの機会の充実を図ります。遠隔授業の県全体への展開に向けて、これらの実証を通じ、生徒の学習意欲、学習評価の在り方について検証をします。また、農業関連産業への人材輩出を目指すため、農業高校2校をモデル校として、ICTやデータを活用したスマート農業等、収益力のある農業を学べる環境の整備や、カリキュラムの開発・実践を行います。次に、「教育環境の充実」として、県立学校の保護者が負担している空調費用のうち、普通教室の維持管理費及び空調設置費に補助を行うことで、保護者負担の軽減を図ります。併せて、保護者負担で既に整備され、老朽化している普通教室の空調設備については、県が順次更新を行います。また、外部人材の活用については、教師がより一層、児童・生徒への指導や教材研究等に注力できるよう、市町村立小・中学校の「教員業務支援員」の配置校を拡充するとともに、教頭等の負担軽減を図るため、市町村立小・中学校及び県立特別支援学校の小・中学部に新たに「副校長・教頭マネジメント支援員」を配置いたします。そして、(パネルの)右側、「生涯を通じた健康の確保」です。先月の26日の国の発表では、本県の令和5年の自殺者数は、暫定値だけれども、全国でワースト4位、増加数では全国ワースト2位ということであり、対策を強化する必要があります。自殺対策の強化として、全国共通「こころの健康相談統一ダイヤル」について体制の拡充を行い、現行の年中無休24時間対応に加え、相談件数が多い時間帯の回線を増やし、接続率を向上させます。加えて、LINEによる「こころのサポート@埼玉」の相談日を現行の週2日から毎日に変えます。これらの体制によって、不安や悩みを抱える県民が自殺に追い込まれる、そういった状況を予防したいと思っています。次に、「シニアの活躍支援」であります。令和6年5月開所予定の警察本部の運転免許に係る「岩槻高齢者講習センター」では、シニアの総合支援として3つの付帯機能を併設いたします。1つ目は、「社会参加・健康づくり事業」として、埼玉未来大学のコンテンツを活用し、運動機能の測定や関係講座の放映等を実施します。2つ目は、「交通安全教育の実施」として、歩行者や自転車のシミュレーター等、体験型機器を活用し、認知・反応能力の把握や安全な道路横断方法・自転車乗用中の注意点等を学べるようにします。そして、3つ目は、「口腔機能ケアの普及啓発」として、加齢で衰える口腔機能の維持・改善啓発を行います。

 次のパネル、「誰もが活躍し共に生きる社会の実現」であります。(パネルの)左側、「女性活躍の推進」ですけれども、令和6年4月に施行される「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」を踏まえ、対象女性への支援の強化を図ります。メタバース相談の開設やウェブ・チャット相談の拡充等を行うとともに、入所者の中長期的な滞在を見据えた自立支援のための講座の実施や居室改修等、女性自立支援施設の機能の充実を図ります。次に、男女間格差の点検・解消を図る「ジェンダー主流化」を本格的に推進します。県庁全ての部局でジェンダー主流化に基づく事業点検を行い、その結果を取組に反映します。そして、職員の意識改革を促し、女性の活躍を妨げるガラスの天井を打開したいと考えています。また、県内の市町村長や企業の幹部向けのトップセミナー、担当者向けの講座の実施によって、取組を社会全体に浸透させる流れを作ります。次に、「性の多様性を尊重した社会づくりの推進」であります。この性の多様性に関する理解増進のため、県民向け動画の作成、県内大学のネットワークを立ち上げます。また、暮らしやすい環境づくりを進めるため、企業が性的マイノリティへの配慮に取り組みやすくなるよう、好事例のガイドブックの作成を県独自で行います。さらに、企業、大学、市町村等が情報共有するため、担当者を集めた実践的な取組を促すセミナーについても開催いたします。(パネルの)右側、「就業支援と雇用環境の充実」であります。メタバースや対面での企業説明会の開催や、企業ガイドWEBサイトの運営により、大学生等の地元の就職を促進します。また、若者自立支援センター埼玉の相談業務や交流会をメタバース化し、若者支援を強化します。次に、「障害者の自立・生活支援」ですが、就労継続支援B型事業所の工賃向上を支援するため、障害者就労施設と企業の連携強化を図ります。新たに共同受注窓口を設置させていただき、そして、複数の事業所で共同受注をしたり、販路を拡大することで、民間企業と、そして(障害者)就労施設のマッチングを支援します。また、民需に対応できる商品開発やデザイン力等のスキル向上支援に向け、専門家派遣や研修会の開催によって、受注拡大を図り、工賃の向上につなげます。

 次のパネルは、「支え合い魅力あふれる地域社会の構築」についてであります。(パネルの)左側、「地域の魅力創造発信と観光振興」についてであります。東京(から)の近さを生かしつつ、魅力あるコンテンツを選定して集中的プロモーションを行い、旅のそれぞれの段階に応じた効果的情報発信を通じて、外国人観光客の誘致を促進します。また、人流や購買等、様々なデータを活用したマーケティングを可能とする埼玉県版観光データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)を構築するとともに、専門家を派遣し、観光関連事業者等の新たなチャレンジを支援します。本県の魅力を活用した観光誘客では、テーマ別特設サイトの制作、興味や年齢等、旅行者の属性に合わせたターゲティング広告を行うとともに、新1万円札の渋沢栄一翁(おう)やアニメを活用いたします。さらに、全国選手権で2年連続の最高金賞等、評価が高まる埼玉県産いちごについて、都内・県内の百貨店、洋菓子店等とコラボフェアを行い、県内外に発信するとともに観光促進につなげます。このほか、県営公園において、障害の有無等に関わらず遊べる遊具のあるインクルーシブ広場の整備や、誰もが安心して活用できるトイレの設置等、性別、年齢、障害の有無等に関わらず、利用できる公園づくりを進めます。次に、(パネルの)右側、「スポーツの振興」ですけれども、令和9年度オープン、屋内50メートル水泳場は、PFI事業者による設計がスタートいたします。また、上尾市内のスポーツ科学拠点施設整備では、債務負担行為を設定し、県として初のPark-PFI手法で整備を行う事業者の公募・選定を行います。そして、eスポーツの普及・裾野の拡大ですけれども、県内3か所の会場をつないだeスポーツイベント等を開催いたします。eスポーツには、ユニバーサル性があり、事業を通じて、賑わいの創出、共生社会の実現、社会課題の解決を図ります。次に、「未来の県庁・新しい働き方の実現」であります。未来の県庁のためには、DXを前提とした働き方の道筋が必要です。そのため、「未来の県庁の先行モデル」である北部地域振興交流拠点について、施設全体のコンセプトや機能等を検討し、基本構想の策定を行います。また、仕事の内容等に応じて自由に働く場所や時間を選べるアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)対応のオフィスを整備し、職員のワーク・エンゲージメント向上を図るとともに、新たな庁舎の整備にも活用します。

 次のパネル、「豊かな自然と共生する社会の実現」についてであります。「カーボンニュートラル(の推進)」ですけれども、CO2排出削減に取り組む中小企業支援といたしまして、スマートエネルギー活用の中小企業等の設備導入経費を補助します。特に、高効率設備等とエネルギー管理システムを同時導入した場合は、補助率を2分の1、そして、上限額を1,000万円に引き上げることにより、エネルギー利用の「見える化」によって、中長期的設備投資を促進します。また、埼玉県SDGs官民連携プラットフォームを活用して、会員企業間の交流や連携を行い、カーボン・ニュートラルの推進を行います。次に、自動車分野のCO2排出量の削減を加速させるとともに、災害時のレジリエンス機能を強化するべく、EV(電気自動車)、PHV(プラグイン・ハイブリッド車)、V2H(ブイ・ツー・エイチ)及び外部給電器の導入経費を補助します。太陽光発電設備及びV2H導入の場合には、あるいは既に所有している場合には、よりレジリエンスの向上に資することから、補助上限額をEVの場合には40万円、軽EV、PHVの場合には27.5万円に引き上げます。また、公用車にEV、PHVを導入する環境を整備すべく、充電設備を県の庁舎に設置します。次に、(パネルの)右側、「下水道資源の有効活用」、肥料化の推進です。まず、県北部の3流域の水循環センターの下水汚泥を活用した堆肥の本格製造に向けた事業検討を行い、試作した堆肥の安全性、肥料効果をPRし、販路を開拓します。さらに、堆肥よりも高濃度のりん酸を含む下水汚泥焼却灰についても、肥料化ができるか検討します。次に、「全国植樹祭の開催準備」でありますが、令和7年春開催、第75回全国植樹祭に向けて、着実な準備を進めます。安心して全国からの招待者を迎えるべく、式典会場や植樹会場等の整備を進めるとともに、イベントの開催、広報啓発を通じ、大会の開催機運だけではなく、県民の緑化運動に対する機運も高めてまいります。また、会場となる秩父ミューズパークについては、音楽堂や長尾根(ながおね)スカイラインの改修等も行います。

 次のパネル、「稼げる力の向上」でありますが、中小企業等の人手不足支援として、機器・ITツール等を活用し省力化に取り組む中小企業に対し、設備投資経費の一部を補助します。また、補助の実施に先立ち、有識者による検討委員会を立ち上げ、補助メニューや補助基準等の策定を行うほか、事業実施後の効果検証までを行います。次に、現在、さいたま市と川越市にある企業人材サポートデスクを熊谷市内にも設置し、専門の相談員が県北企業からの人材確保に関する相談に対応するとともに、多様な企業面接会を開催し、県北企業のマッチング機会を創出いたします。また、中小企業の外国人材確保の支援として、ポータルサイトを新たに開設し、企業情報や本県の住みやすさ等、魅力を多言語で発信し、企業が必要とする外国人材の獲得を支援します。次に、(パネルの)右側、「世界を彩る「埼玉ビジネス」海外展開プロジェクト」であります。食品等の県産品輸出に当たり、海外で売れる「マーケットイン」視点での商品改良を支援すべく、海外展示会への出展や商品改良補助を行います。また、「海外マーケティング推進コンソーシアム」の運営によって、輸出を検討する企業と、商社、物流企業、支援機関等をつなげます。次に、「資金繰り(への)支援」でありますが、引き続き、ゼロゼロ融資の借換需要等に対応すべく、中小企業制度融資の総融資枠を3,600億円確保します。次に、「美里甘粕(あまがす)地区産業団地の整備」ですけれども、埼玉県への企業立地ニーズに対応し、地域振興、雇用創出のため、美里甘粕(あまがす)地区で美里町と共同して産業団地を整備します。

 次のパネルは、「儲かる農林業の推進」であります。(パネルの)左側は、「アグリテックによる栽培・生産技術の向上」であります。施設園芸におけるデジタル化については、生産者や企業等を構成員とした協議会を設置し、施設園芸の生産性向上等に必要なデータ分析・収集・共有・活用の体制において検討を行い、IoTを活用したシステムを設計します。県産いちごの生産体制強化については、県育成品種の生産拡大に向け、新技術を活用し、育苗期間を短くできるセル苗の現地実証を行い、県育成品種の苗の安定供給体制を検討します。また、生産拡大に必要な実を採るための実とり苗生産の設備整備、また、高温対策のための遮光資材の整備を支援します。さらに、陸上養殖の技術については、水産研究所に陸上養殖施設を整備し、ワカサギの親魚(しんぎょ)、親ですね、の育成と効率的な採卵技術を開発することによって、県内河川等に放流するワカサギの卵の安定供給、国内初の取組を行います。本事業で蓄積した(陸上養殖の)技術や知見は、県内の安定生産に向けた技術支援に生かしてまいります。次に、パネル右側、「農業の担い手育成」。「新規就農(の促進)」については、新たに明日の農業担い手育成塾に農業法人による研修コースを創設します。そこで、研修生は、別途用意した研修農場で農業法人の技術指導を受け、独立就農に向けた実践研修を行ってまいります。研修環境整備に必要な機械・施設の導入等の費用助成、第三者経営継承のマッチング支援と継承支援を行うことで、意欲の高い多様な担い手の確保を行い、継続的支援により将来の経営規模拡大・所得向上を図ります。また、ジェンダー主流化の観点から、農業法人で女性が働きやすくなるよう環境整備助成を行い、このモデル的取組を地域に普及させ、他の法人での女性雇用の促進を図ります。

 最後に、国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に連動した令和5年度一般会計補正予算(第6号)を説明します。パネルの左側は、「防災・減災、国土強靭化の推進」として、公共事業等の追加をいたします。国の総合経済対策に合わせた13か月予算としては、昨年度以上の事業費を確保し、切れ目のない公共事業等を実施します。道路・街路事業では、入間市の国道463号建武(けんむ)橋の架換え工事等を前倒しで行います。また、河川事業では、行田市の下忍調節池(しもおしちょうせつち)において掘削工事等を前倒し実施します。また、農業基盤(事業)では、越谷市、松伏町を流れる大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)の古利根堰(ふるとねせき)において耐震補強工事を、これも前倒し実施します。次に、(パネルの)右下ですけれども、県立学校施設の大規模改修では、快適な学習環境の確保のため、老朽化した県立特別支援学校の空調設備の改修を実施します。

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令和6年4月1日付け組織・定数改正について 【該当部分動画(YouTube)】

知事

 次に「令和6年4月1日(付け)の組織・定数改正」について報告いたします。まず、知事部局ですが、歴史的課題への挑戦、日本一暮らしやすい埼玉の実現に向けた施策に重点的に取り組む体制といたしました。組織改正では、現行の99課123所から、100課122所にいたします。具体的には、少子化対策局長を「こども政策局長」に改称するとともに、少子政策課を「こども政策課」と「こども支援課」の2つに再編してまいります。また、県民生活部の婦人相談センターを男女共同参画推進センターに統合し、困難な問題を抱える女性への支援体制を一括化し、強化いたします。定数改正ですけれども、現行の7,138人から21人増員の7,159人といたします。具体的には、児童虐待防止のための児童相談所要員の29人増員、また、令和7年度の(全国)植樹祭や、(令和)8年度のねんりんぴっく(全国健康福祉祭)の開催準備で21人の増員、さらには、こども政策やDXの推進等の重点施策分野に増員を行います。一方、新型コロナウイルス感染症対応の体制は見直し、新たな感染症対応に必要な人員は確保するものの、(保健医療部)全体としては67人の減員といたします。次に、企業局と下水道局においても定数改正を行います。企業局では、高度浄水処理施設の整備事業等のため、計12人の増員をいたします。下水道局では、下水道施設の老朽化対策推進のため、4人の増員により両局の強化を図ります。この結果、企業局の定数は439人、下水道局(の定数)は111人に増員いたします。

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NHK

 まず、予算案について2点伺いたいと思います。1点目はですね、数多くの予算案の発表がありましたけれども、知事が一押ししたい事業について、ずばり伺いたいと思います。それに対しての予算に込めた思いについても改めて伺えたらと思っております。2点目はですね、「バーチャル・ユースセンター(仮称)」に対する狙いについて伺いたいと思います。今回の支援する対象は、子供たちだけでなくて若者も含まれているというふうに伺っております。若者が高校を卒業したけれども就職できないですとか、また、特有の悩みがあったりするかと思うのですが、支援する対象に若者も含めているという意図や狙いについても、もう少し伺えたらと思っています。お願いします。

知事

 まず、この予算の一押し並びに思いでありますけれども、まず、思いの方から先にお話をさせていただきたいと思いますけれども、コロナが5類に移行しました。令和6年度はこういった中で、経済の正常化等に留めることではなくて、コロナを超克して、持続的発展につながる社会の実現のための将来を見据えた礎にしたいと思っています。この将来について、私たちは2つの課題がある、「歴史的な課題」と私は申し上げましたけれども、「人口減少・超少子高齢社会への対応」と、「激甚化・頻発化する災害への危機対応」という2つの歴史的課題、これに対応しなければいけないという危機感を私は持っておりまして、そういった思いを強く込めて、知事就任2期目としてですね、初めての予算を編成させていただいたつもりでありますので、この思いをしっかりと踏まえながら、歴史的な課題に敢然と立ち向かって、未来に向けて施策を展開することで確実な一歩としたい、これが私の強い思いでございます。その中から一押しと言うとなかなか難しいのですが、ただ、これらにやはり対応するためには、私がこれまで進めてきた、埼玉版スーパー・シティプロジェクトや埼玉版FEMAといった、これを着実に進めるということが必要だと思っていますので、これらの施策を通じて、持続的発展が可能な社会の実現に向けた着実な一歩というふうにさせていただきたいと考えております。そして、2つ目には、子供・子育て関連事業の中でも、若者を含んでいる「バーチャル・ユースセンター(仮称)」事業についても、この「若者を含めた」ということに対する思いと言うかですね、考え方についてのお伺いを頂きました。私たちといたしましては、これまで子供についてはですね、もちろん、まず、そもそも子供支援については、結婚、妊娠、出産、子育てといったその一連の、やはり私たちとしては、対応をしなければいけないというふうに考えてきたところでありますけれども、さらに、ティーンズから若者と呼ばれる人たちについては、例えば児童虐待、これらについては年々その報告件数、これは必ずしもその虐待のあった件数とイコールではないかもしれませんけども、報告件数が増えているということは事実であります。また、さらには孤立・ひきこもりといった問題が社会化し、それらは相互に、また世代を超えて、これらについては関係をしているというふうに考えています。特に、このバーチャル・ユースセンター(仮称)においては、色々な子供たちがいると思いますけれども、相談をするきっかけがなかなかつかめないとか、あるいは、若い世代には多いのかもしれません、そういった指摘もありますけれども、面と向かっては話せないけれども、しかしながら、チャットとかを使うと話せるとか、あるいはそのバーチャル・ユースセンター(仮称)のように、例えば、アバターを使ったりするとですね、自分の匿名性を利用しながら交流ができるとか、そういった方々もおられるということで、若者支援の中では1つの大きな手法になり得るのではないかと考えているところ、まだこれは試行的ではありますけれども、やはり若者支援の大きなツールとして、バーチャル・ユースセンター(仮称)は、ツールとして大きな期待を寄せているところであります。

読売

 少子化対策についてお伺いします。今回のこの新年度当初予算案でですね、少子化対策の関連費は、知事就任以来ですね、最大規模になっています。弊社のインタビューでもですね、知事が子育て支援に力を注ぐというお考えを示されていますけれども、今回のこの少子化対策に対する全体としての狙いとですね、この最大規模の予算で取り組む知事の御覚悟・意気込みを伺えればと思います。あとですね、今年度開始した「(コバトン)ベビーギフト」について、継続していくのか、また、何かこう改善する点みたいなところがもしあればですね、教えていただければと思います。

知事

 少子化対策と言えば良いんでしょうか、子供・子育て対策と言えば良いんでしょうか、これらはもちろん、少子化が著しい日本もしくは埼玉県において、対応を行うことはまず急務になっています。そういった一方で、少子化対策には、以前から申し上げていますけれども、1つの施策を打つと全部が上がるというような魔法の杖みたいなものは施策としてないと思っています。したがって、先ほども申し上げましたけれども、結婚、妊娠、出産、子育てといった、その様々なものが関連するだけではなくて、例えば、賃金とか、あるいは社会とか、まちづくりとか、こういったところまで実は連携をしていくという意味では、子育て関連の予算はどこで切って良いのか、正直分からないところがあります。また、さらには、人口が減少する中で子供を支援するためには、18歳まで子供たちを誰かが支えなければいけませんから、労働生産性も上げなければいけないとか、こういった様々な課題が絡み合っているというふうに考えてきました。そこで、私たちといたしましては、まず、規模としてしっかりと対応しようということで、先ほど予算という話がありましたが、どこまでを子育て予算とするかは別ですけれども、子育て家庭からニーズが高い経済的な支援といったものについては、例えばですけれども、子供への医療費助成の拡充のために、令和5年度と比較をすると13億円の増加となる約38億円の計上になりました。ただ、これが全体の対応は変わらないのに県の負担だけ増えた、つまり市町村の肩代わりをしたということで留まってはいけないので、市町村による子育て支援の充実を後押しするものというふうに位置付けて、お願いをさせていただきました。それだけではなくて、多様なこどもの居場所づくり、こどもの居場所はおかげさまで埼玉県は先行していると評価されていますけれども、これを国の方針で、市町村が今後主体になっていくということから、市町村をしっかりと支援して、これらをそれぞれの市町村において、こどもの居場所づくりにつなげるようなものにするですとか、放課後児童クラブの待機児童対策を行うとか、あるいは、先ほど子育ての前からだという話をしましたが、困難を抱える妊産婦の支援をするとか、あるいは男性の育休とか、こういった幅広いところに、各ライフステージにおける切れ目のない支援と同時に、経済、雇用、教育等の部門についても、縦割りではなく横串を刺した部局横断で検討をしてきたといったのが、私たちの今年度の予算の、昨年度よりも特徴として取り上げられるところではないかというふうに思っています。先ほど御指摘があった「(コバトン)ベビーギフト」につきましても、我々としては、つながることができない孤立した妊産婦をやはりつくってはいけないという思いから、継続を来年度もさせていただく予定であります。さらに、もう1点だけ申し上げると、これらについては、先ほど縦割りであってはならない、事業に対してこれをしっかりと全体で対応するんだというお話をさせていただきましたけれども、先ほど最後にお話をした、県独自のこういった政策を進めるためには、やはり庁内での司令塔が必要だろうということで、「少子化対策局長」ではなくて「こども政策局長」、より広い意味に職名を改めるとともに、こども政策となると様々な施策が増えてまいりますので、「少子政策課」というものが持っていたものを2つに、「こども政策課」と「こども支援課」に再編し強化をするといったことで、(こども政策課)はこども政策の企画部門としての機能を持つほか、これは部局横断でやりますので、気運醸成だけではなくて調整も行います。こども支援課については、こどもの居場所づくりや先ほど御質問があったコバトンベビーギフト等、子供や子育てに対する支援を担っていくという、お金、それから機運、組織、こういったものと、それから市町村との調整ですね、こういったものをしっかりと進めていく予算に仕上げたつもりであります。

埼玉

 今、知事が御発表いただいた、新年度予算の、一般会計のトータルの部分だと思うのですが、当然、歳入と歳出に分かれていて、歳入の部分で、先ほどの知事のお話にもあった「未来への礎を築く投資的なお金の使い方」というところがあるかと思うんですが、県債の残高であったりとか、臨時財政対策債ですかね、その辺りに対しての、知事のお考えですとかをお聞かせいただけますでしょうか。

知事

 まず、臨財債(臨時財政対策債)、あるいは県債ですね、に関する状況について、まず御報告させていただきますと、現時点における財政調整3基金があるんですけれども、この残高見込みは1,697億円であります。このうち、地方交付税の精算措置分等を除いた実質的な残高見込みについては895億円ということになっています。令和6年度の当初予算につきましては、1,284億円の取崩しによって、令和6年度末の残高見込みは418億円を見込んでおり、実質的な残高見込みは184億円と、前年同期比で24億円改善しているといった状況にあります。他方で、債務の方につきまして、県債については、将来にわたって必要となる投資の財源でありますので、これは非常に有効であるんですが、たくさん有り過ぎると、過大な負担を将来にわたしてしまうということで、これは県政の発展とそれから将来負担、これはバランスを考えることが必要だと思っています。こちらの債務につきましては、県債残高全体は、対前年度では740億円の減となりました。この減ではありますけれども、他方で、臨時財政対策債を除く、県でコントロールできる県債残高は、県債の発行額が償還額を上回るようになりました。その結果、対前年度比22億円の増ということとなりました。(臨時財政対策債を除く)県債の発行額は増加しており、防災ヘリコプターの整備や河川の緊急浚渫(しゅんせつ)等、緊急度の高い防災・減災対策や学校の長寿命化や児童相談所の整備等、優先度が高く将来世代にも必要となる、こういった投資を集中的に行ったつもりでございます。他方で、これらの投資の増加傾向を踏まえて、バランスをしっかりと取ると先ほど申し上げましたが、そこで本年度は、あらかじめ全庁に向けて、償還に地方交付税措置のある財政上有利な県債、これを戦略的に活用するよう求めたところであります。その結果、令和6年度の県債発行額の半数以上に先ほど申し上げた財政上有利な県債が活用されることとなり、将来的に交付税として本県に措置される割合は3割に達する見込みとなり、これらの割合は過去10年間で最も高い割合となりました。したがって、その全体の額もそうですけれども、償還するときの有利さ、これも加味して、中長期的な考え方で、今回、県債の発行となりました。今後も、積極的・集中的な投資による県政の発展と同時に、財政上有利な県債の戦略的な活用による将来負担とのバランスを取り、さらにはファシリティマネジメントやDXによるコスト縮減を図りながら、先ほど申し上げた、県が積み立てる残高と同時に県債残高、この両方の管理を行ってまいりたいと考えております。

時事

 予算全体について、包括的にお伺いしたいんですけれども、知事の2期目の目標として、(人口減少・)超少子高齢(社会)と、災害対策の2つの歴史的課題について取り組んでいて、今回の予算案はその礎だとのことですけれども、この予算案については、知事の理想形に近いものになったと言えるでしょうか。100点満点だったら何点とか、そういう表現とかで分かりやすくコメントを頂ければ嬉しいんですけれども。

知事

 まず、この予算には、先ほど申し上げましたけれども、大きく分けると2つの種類と言えば良いんでしょうか、1つは歴史的課題に対応するための将来を見据えた礎の部分、これは正直すぐにリターンがあるようなものではありませんので、私たちとしては、計画的に進めることによって将来への対応を行うことで、例えば県債の発行等も含めて、バランスを取っていくという意味では、私は高い点数を与えても良いのではないかなというふうに思っています。他方で、目先のと言うと変ですけれども、5か年計画のローリング、中間年度に当たりますので、そういったところを考えていくと、まだまだ達成できないところもあるので、そこに重点的に配分させていただいたりといったところもございますので、全体としては、まだ今のところは80点ぐらいなのかなというふうに考えています。

時事

 その80点と言うのは、その2つの歴史的課題の達成度合いとしてということでしょうか。分けずにということでしょうか。

知事

 両方合わせてということです。

朝日

 先ほど、県債の話の際に3基金の話もあったかと思うのですけれど、取崩しの額が残高を大きく上回っている状況だと思うんですが、これと一方で、24億円は回復しているという状況もあると思うのですけれど、この状況についての知事の受け止めと、現状の財政運営の在り方であったり、今後どうあるべきかということについて伺えればと思います。

知事

 取崩しは1,284億円でありますので、取崩しが現時点の残高見込みの1,697億円を上回ったということはないです。取り崩しても、残高が見込みとして418億円、あるいは地方交付税の精算分等を除いた(実質的な残高見込み)としても184億円で、そこで、昨年は160億円だったのが今年は184億円なので、24億円改善したというふうに申し上げているところであります。その上で、私の考え方ですけれども、この財政調整のための基金というのは、当然、まだ税収がない中で取り崩しているのは毎年あるんですけれども、他方で、景気の変動があって税収額が下振れするとか、あるいは災害があって想定しない支出が起こるとか、こういったもののために、やはり一定程度の残高を持っている必要があるというふうに考えています。幾らあれば良いかということについては、正直、我々として、これだけあれば十分だとか、それは多すぎるとかというのは、なかなか申し上げるのは難しいのですけれども、不断の行政改革を行うということを前提としてですけれども、例年、大体、実質的な取崩し額、要するに取崩しの1,200幾ら(億円)だったり、取り止めがたくさんありますので、実質的には約500億(円)ぐらいが取り崩しの実質額なので、これが2年分ぐらいあると、年度を跨いでも何とか災害とかがあっても何とかなるので、やはり1,000億円程度の確保というのが望ましいのではないかというふうに私たちは考えております。

日刊工

 サーキュラーエコノミーの推進についてお聞きしたいんですが、前年度と比べてかなり増額と言うか、予算として多めに盛り込んでいると思います。およそ3.5倍ぐらいかなと思うんですけれども、知事も公約にサーキュラーエコノミーの推進を掲げてらっしゃいますが、何か次のステップに入ったと言うか、より本格化させるのかなという印象を受けました。この件に関して知事の思いと言うか、そういう目標感等々、教えてください。

知事

 サーキュラーエコノミー推進センター(埼玉)を6月に開始させて以来、おかげさまで18のですね、マッチングが成立いたしました。非常に手応えを感じているところであります。そういった中で、私たちはやはり事業転換とかですね、あるいは付加価値を付けていく上で、このサーキュラーエコノミーについては、しっかりと取り組んでいく必要があるだろうという思いを、今、強めているところでございます。そういった中でも、これまで、おかげさまで随分進んできた、食のサーキュラーエコノミーみたいなものを進めるとか、あるいは、その上流部門でサーキュラーデザイン、そもそもデザインから始めるというところから、上流から下流の、今度は廃棄物処理業者に至るまでを一貫して、これが取り組めるような形にしていく必要があるのではないかというのと同時に、これを引き続き横展開していくためのビジネスプランコンテストを行うということで、上下と横とですね、両方を広げていくという思いを私たちはこの予算に込めたつもりであります。

日経

 まず、1点目は、先ほどと若干重複する部分があれば恐縮なんですけれども、知事が当初から掲げられていた(埼玉版)スーパー・シティ(プロジェクト)であったり、(埼玉版)FEMAであったりといった、政策自体はずっと続いているものかと思うんですけれども、特に、24年度予算の中においては、どんなフェーズに移るのか、ちょっと全体を押し並べて言うのは難しいかもしれないんですけれども、それがスケールする時期にあるのか、まだ普及啓発の時期なのかとか、お伺いできますでしょうか。

知事

 おっしゃるように、(埼玉版)スーパー・シティプロジェクトとか、(埼玉版)FEMAとか、特にFEMAは完成形はありませんと昔から申し上げているとおり、これはずっと続かなければいけないものです。現在の私たちの状況や課題というものを分析したときに、昨年、新型コロナウイルス感染症が2類相当から5類に変わりました。そのことによって、私たちは、インバウンドが例えば入ってくるとか、あるいは経済が一定程度正常化するといった、プラスの部分もあるんですけれども、ただ、その一方で、例えば、それに伴ってですね、ビジネスの仕方が変わる、DXとかですね、そういったものもございます。これらをまず、しっかりと受け止める必要があるだろう、これが1つ目であります。それから2つ目には、2つの歴史的課題、先ほど申し上げたとおりですが、ここに対応する取組というものは、未来を見据えて強化しなければならないということ、これが2つ目であります。それから3つ目には、来年度には、やはり経済環境が少し変わってくる可能性があるのではないか、来年度には国際的な動き、いわゆる情勢不安定から選挙に至るまでの国際的な動きですとか、あるいは様々なところで、イールドカーブ・コントロールの撤廃や、あるいはマイナス利子、経済の見直し等も指摘されているところであり、そういった中では民間企業の投資、こういったものがおそらく、投資の促進が重要になってくるだろう、こういった3つの観点から考える必要があるのではないかと思いました。そこで、1つ目には、先ほど申し上げましたけれども、新たなポストコロナにおいて、コロナ時代において変わったものも踏まえて、何を伸ばすかということで、例えば、デジタルトランスフォーメーション、先ほどお話をしましたが、こういったものをしっかり活用して、ただ、それは単に経済だけじゃなくて、バーチャルユースセンター(仮称)とか、こういった新しいツールを違う方向にもつなげていきましょう、これが1つであります。それから2つ目は、歴史的課題に向けては、これはすぐ簡単には解決しませんので、今までも進めてまいりましたけれども、(埼玉版)スーパー・シティプロジェクトや、あるいは埼玉版FEMA、これらについてはしっかりと行いましょう。3つ目のところについては、例えば、投資の促進等を含めて、例えば環境に優しいとか、あるいはサーキュラーエコノミーとか、こういったものにしっかりと民間投資を巻き込んでいけるような体制を作りましょうと、こういった感覚を持って臨んだつもりでございます。

日経

 2点目なんですけれども、稼ぐ力の項目の中で、埼玉県産品及び商品等をマーケットイン、海外展開していくという、かなり注力されるということですが、なぜそれが必要になるのかというところ等々、もし知事の見解がありましたらお伺いできますでしょうか。

知事

 まず、一番大きな前提として、埼玉県には様々な素晴らしい商品や、あるいは加工品、農産品等がある、これが前提であります。それを前提として、やはり我々、今、考えていくとですね、円安といったこともあって、海外に展開するということがまず必要ではないか、あるいは、県内あるいは国内の様々な業界も、体質転換あるいは業態転換を含めて、様々な変革が起きています。そういったときに、やはり中小企業が多い埼玉県では、どうしても自分たちの仕事で行っているものが、取引先が変わってしまうと取引できないとか、そういった状況にもなりますので、少し目を広く向けていく必要があるだろうと、これらのことを総合的に考えて、私どもといたしましては、埼玉ビジネスの海外への展開というものを進めると同時に、私たちだけ、企業だけではできませんので、支援企業だったり、商社につないでいく、こういったことをやらせていただきたいというふうに考えているところであります。(終)

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お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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