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掲載日:2023年11月22日

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知事記者会見 令和5年11月21日

知事記者会見動画【全体:YouTube】
知事会見パネル(PDF:1,465KB)

 知事発表

映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」とのコラボレーション「おいで埼玉」について 【該当部分動画(YouTube)】

知事

 それでは、私の方から報告をさせていただきたいと思います。私の方からの報告は「翔んで埼玉」であります。いよいよ映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」が、明後日11月23日より公開されることになります。県ではこれまで、この「埼玉愛」あふれる映画との様々なコラボレーションを行ってまいりました。例えばですけれども、10月19日には、都内のホテルで滋賀県の三日月知事と私が、映画の制作側である武内英樹(たけうちひでき)監督、キャストの二階堂(にかいどう)ふみさん、そして加藤諒(かとうりょう)さんから、(パネルを示して)これですね、「謝罪」を受けると、こういう会見が行われました。映画のみならず、本県と滋賀県の様々な魅力につきまして、登壇者の皆様と語り合い、PRする貴重な機会となりました。そして、こちら県民の日でありました11月14日は、「県庁オープンデー 県民の日・翔んで埼玉コラボイベントスペシャルステージ」に、主演のGACKTさん、そして二階堂ふみさんをお招きし、「彩の国M.A.P.(モストアトラクティブプレイヤー)」第1号を贈呈いたしました。お二人と映画の見どころや本県の魅力についてトークショーを行い、多くの方々に御覧を頂きました。お二人の人気や映画への期待を改めて感じたところであります。これらのコラボレーションを通じて、公開前から本県の魅力を多くの方々にPRをしてきたところであります。

 映画公開の機を捉え、更に本県を知っていただくため、このたび、「翔んで埼玉」とコラボした観光プロモーション(事業)「おいで埼玉」を行うことになったので御報告をいたします。まず、コラボの1つ目でありますけれども、観光のPR動画の放映を行います。映画の原作漫画、(パネルを示して)こちらですね、とコラボをし、埼玉の「観光スポット」と「食」を紹介する動画3本を作成し、12月1日から放映いたします。動画の1つ目は、「遊んで埼玉」と題した15秒程度のもので、冬でも楽しむことができる埼玉の多彩な観光スポットを御紹介いたします。そして、2つ目は「食べて埼玉」と題した、これも15秒程度の動画で、ゼリーフライ等の埼玉ならではの「食」を御紹介いたします。そして、3つ目は「おいで埼玉」で、この上の2つの「遊んで埼玉」と「食べて埼玉」を1本にまとめた30秒の動画となっています。動画では、原作漫画の主人公であり、映画ではGACKTさんが演じていただいた「麗(れい)」、そして二階堂さんが演じた「百美(ももみ)」が埼玉の魅力をPRしています。この場で皆さんに御覧を頂きたいところではありますが、本日はこちらのパネルの漫画のとおり、動画のカット画像一部をお見せいたしたいと思いますので、12月1日、お楽しみにしていただきたいと思います。なお、動画には私も少しだけ出演をさせていただいております。動画は、映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を上映する首都圏・関西圏の映画館27か所で、上映前の広告、いわゆる「シネアド」として放映するほか、大阪市内の難波、道頓堀の大型ビジョン2か所、さらに首都圏JR18駅のデジタルサイネージで放映をいたします。このほかYouTube広告も行う予定であります。是非、動画を御覧いただき、埼玉の観光や魅力、そして食に触れていただき、実際に楽しんでいただきたいと思います。

 そして2つ目のコラボですが、インスタグラムキャンペーンを行います。参加者が県内で撮影をした、いわゆる「推しスポット」、「推しグルメ」の画像を投稿していただくと、抽選で30名の方にハム・ソーセージの詰め合わせや地酒セット等が当たります。例えば、県内の「知る人ぞ知る絶景」ですとか、「イチオシグルメ」ですとか、「埼玉ならではのスポット」等、皆様のとっておきの画像を投稿していただきたいと思います。投稿に際しては、まずはインスタグラムのキャンペーン公式アカウント「おいで埼玉」、これをフォローしていただきたいと思います。そして、その上で「#(ハッシュタグ)おいで埼玉」を付けて、おすすめ画像を投稿していただきたいと思います。なお、このキャンペーンですが、12月1日から1月31日までであります。是非、冬の埼玉を楽しみながら多くの画像を投稿いただきたいと思います。

 そして、最後にコラボの3つ目となりますが、ロケ地マップの制作であります。県内の映画のロケ地と周辺の観光スポットやグルメ情報を紹介する「『翔んで埼玉』聖地巡礼ガイド」を配布いたします。本来であれば、この場でマップ全体をお見せしたいんですが、お見せするとネタがばれてしまいます。映画公開前のネタバレになってしまうので一例だけ御紹介をします。あとは完成後のお楽しみとしていただきたいと思います。例えば、こちらは春日部市でありますけれども、そこにある「首都圏外郭放水路龍Q館」、(パネルを示して)これですね、こちらはGACKTさんが演じる麗が二階堂さん演じる百美に対し、映画のストーリー上、大変重要な指令、この中身は言えません、大変重要な指令を伝えるシーン等に使われました。マップではこの龍Q館と合わせて、見学可能な「地下神殿」と呼ばれる調圧水槽や、周辺グルメとして前作をきっかけに春日部で生まれた「そこらへんの草天丼」を紹介させていただいています。皆様には、まずは映画を楽しんでいただき、その後は映画の様々なシーンを振り返りながら、ロケ地の「聖地巡礼」をしていただくとともに、周辺で遊んで食べて、埼玉を満喫していただきたいと思います。なお、このマップですけれども、12月の中旬から県内外の映画館等で配布いたします。以上、「翔んで埼玉」とコラボをした観光プロモーション事業「おいで埼玉」について御説明させていただきました。このプロモーションを通じて、本県の多彩な魅力を更に発信していきたいと思います。明後日からの「翔んで埼玉」、そして埼玉のPR、是非私どもといたしましてもPRに努めていきたいと思います。

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産経

 この件に関して御質問1点お願いいたします。映画の公開は23日ですが、知事は映画に対してどのような期待をお持ちになっているのか、改めてお聞きします。よろしくお願いします。

知事

 映画に登場するですね、もちろん、映画そのものも楽しみにしておりまして、私も実は拝見いたしましたけれども、やはり埼玉県をディスる映画でありながら、思わずクスっとしてしまうところがある。やはりここがこの「翔んで埼玉」の魅力だと思っています。この映画に登場する「日本埼玉化計画」というのがあります。これは主演の二階堂ふみさんもおっしゃってましたけれども、分断だとか人々の憎しみだとか、こういったものの垣根をなくすということが日本埼玉化計画、みんなが埼玉県民と同じように、おおらかな気持ちで分断を乗り越えていくというのが(日本)埼玉化計画だと思います。この2作目が、正にこれから公開されようとしているところでありますけども、是非、3作目、4作目と続けていただいてですね、日本埼玉化計画、完遂をしていただきたいと思っています。

読売

 今回知事として、この映画とタッグしたイベントで、どのような観光効果があると期待しているのでしょうか。すみません、あと2点目、ちょっと細かいことで恐縮なんですが、ネタバレの可能性があるということなので、言える範囲で結構なんですけれども、マップはどれぐらいの箇所が掲載されているものなのかだったり、もう少し具体的にそのマップのことを話せる範囲でお伺いできればと思います。

知事

 埼玉県に関しましては、つい先般発表になりました、日本の「都道府県魅力度ランキング」においてもですね、例えば子育て等は3年連続で1位にランクされてるにも関わらず、全体でいうと45位なんですね。その中で取り立てて、やはり一番低いのが観光の知名度(意欲度)であります(全国で46位)。特に、おそらく今回、映画ではですね、関西が舞台となりますけれども、関西の方々等からですね、おそらく関東に来るときに、埼玉と言う、あんまりこうイメージが湧かないというふうに私は理解をしていると、残念ながらそういうところがあるというふうに思います。他方で、私どもにはおいしいものも、そして、魅力あふれる観光地もありますので、これを是非PRするということを期待しているので、この「翔んで埼玉」、埼玉という名前が付いてますけれども、日本全国で非常にウケてますし、令和2年ですか、テレビで再放映したときには、その年の(地上波放送で)最も視聴率をとった映画にもなりましたので、そういった意味では、非常にその知名度があるにも関わらず、とんだ茶番劇ですから、いわゆる軽く見れるというところで、私どもとしては御案内をさせていただきたいと思っています。なお、この聖地巡礼の箇所についてはちょっと事務局からお答えを、どうぞ。

産業労働部

 厳選6か所になっております。

毎日

 映画の上映前の広告ですとか、先ほどの大型ビジョンとか、駅構内のデジタルサイネージと、大変いろんなところで広告されるということなんですけれども、この予算は大体どれくらいになるんでしょうか。

産業労働部

 およそ1,500万円程度になっております。

毎日

 合算ですよね。それぞれもし分かれば。

産業労働部

 全部まとめてになってしまっていますので、細かい積算はちょっとないんですけれども。

テレ玉

 今の広告に関連してなんですけれども、映画館はそうですけど、大型ビジョンとか、デジタルサイネージとかですね、そういった広告の手法を取った理由と、あとこの期間についても、なぜこの期間でやることになったかというのを教えていただければと思います。

知事

 まず、今回、やはり映画を通じてのコラボということで、しかも翔んで埼玉を含めたですね、映画のファンに対してお見せするというのは訴求力があるのではないかと思いましたので、映画館のいわゆる「シネアド」を含め、また、不特定多数に対しては、先ほど申し上げた、デジタルサイネージ、こういったものを利用させていただくということにしたという経緯がございます。また、今回のこの広告においてはですね、私どもの場所とおいしいものをしっかりとPRをさせていただくということが主眼となっていますので、これらのちょうどタイミングとして、11月23日ではないんですけれども、我々が1月31日までの間で他にも実は様々なキャンペーンを行っています。御紹介した他にもですね、例えばJR東日本でのスタンプラリーとかですね、あとはこれもキャンペーンと言うんでしょうか、日本赤十字社が献血ルーム等で「翔んで献血キャンペーン」をやってくれるとかですね、あるいは映画でも登場した「十万石まんじゅう」の映画コラボパック(パッケージ)で、ちょうどそこに集中する時期でありますので、その時期に行わさせていただきました。なお、GACKTさんはですね、これは今回の映画は割と問題なので、いつまで公開されるかは分からず、打ち切りになるかもしれないとおっしゃっておられましたので、打ち切りになる前に是非キャンペーンをやりたいなと思っています。

埼玉

 インスタグラムのキャンペーンについてお伺いします。先ほど、知事から冬の埼玉をというお話しがちょっとあったかと思います。この撮影というか、投稿するのはですね、やっぱり今現在の埼玉というのが望ましいのかというところがまず1点と、あとはプレゼントが抽選でということだと思うんですが、これは特に優れた投稿とかというわけではなく、シンプルに抽選ということなのでしょうか。

知事

 インスタグラムでの、私どもとしては、視覚的な効果があるものと考えているので、必ずしも冬のものだけとは考えてはおりません。ただ、どちらかと言うと、観光は冬がローシーズンになりますので、そこは是非、効果も考えて冬のものを頂きたいなというふうには思っています。また、抽選につきましては、これは等しく抽選とさせていただきたいと思います。

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 幹事社質問

県内のクマによる被害の状況について 【該当部分動画(YouTube)】

産経

 全国各地でクマの出没、被害が相次いでおりますが、本県の状況について御説明をお願いします。また、あわせて、講じていらっしゃる対策についてもお聞かせいただけますようお願いします。

知事

 全国でもそうですけれども、埼玉県でも今年度はクマの目撃件数が過去10年間で最も多い件数になっています。全部で、現時点では104件に達しています。目撃場所につきましては、秩父地域が約9割でありますが、昨年度は目撃がなかった地域でも、今回、今年は目撃されています。現時点まででは、幸いなことに人身の被害は生じておりませんが、県民の皆様には十分お気をつけいただきたいと思います。このクマ対策は、個体数の維持という保護の観点を踏まえつつも、やはり繰り返し人里に出没し、人に危害を与える恐れのある個体については、適切に捕獲を行う必要があります。埼玉県では、クマを含む狩猟鳥獣の有害捕獲の許可権限を市町村に移譲しておりますので、クマが目撃された場合、市町村が、警察や猟友会と連携し、追い払いを基本としつつ、住民の安全を守るため、必要があれば捕獲を行うという対策にしています。県では、クマの出没件数の増加に対応して、今年は9月と11月に、市町村宛に住民とクマとの遭遇を避けるための注意喚起や、警察や猟友会等の関係機関と連携した対応の徹底等について通知するとともに、市町村職員を対象にした研修会を11月に開催し、専門家を講師に招いて、クマの生態や効果的な被害防止対策等について情報提供を行わさせていただきました。また、同時に、県のホームページ、ラジオ、チラシ等、様々な媒体を用い、クマの出没情報やクマとの遭遇を避けるための注意喚起等を行って、注意情報等も発信しています。市町村におきましては、クマの出没情報を行政(防災)無線、あるいは学校の連絡メール等によって、住民や子供たち等に発信し、警戒を呼び掛ける等しています。引き続き、県といたしましては、市町村、警察、猟友会等と連携し、クマによる被害防止に努めていきたいというふうに考えております。

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 その他質問

小川町での弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施見送りについて 【該当部分動画(YouTube)】

埼玉

 小川町で来年1月に予定されておりました、弾道ミサイルの飛来を想定した避難訓練がですね、現状のですね、パレスチナ情勢や、それに関するミサイルで崩壊した建物の報道等を受けてですね、受験生の心情に配慮して中止を決定したという報道があります。所管する内閣官房によると、自然災害以外で中止するのは異例ということですが、入試を控える子供たちのストレスを軽減するという観点(から)中止が妥当であるという、町、学校としてはそういう(見解)で、(反対に、)こんなタイミングだからこそ避難行動の啓発が必要と見る向きもあるかと思います。この訓練中止の決定について知事の御所感をお聞かせください。

知事

 弾道ミサイルを想定した住民避難訓練、これは計画を小川町はしていたわけですけども、この実施を見送ったということについては報道等で私も承知しております。ただ、私はやはりこの訓練はしっかりと行っていただくべきだと思っています。ちょっと一例を申し上げると、1991年の湾岸戦争の際に、イラクが、例えばイスラエルに39発、スカッド・ミサイルを撃ち込んでいます。これは弾道ミサイルですね。ところが、着弾したのは39発であるんですが、お亡くなりになったのは14名です。僅か14名と言って良いんだと思います。その大きな理由は、平素からイスラエルで様々な訓練を行い、国民の備えと訓練が行われていたことから、39発着弾しながらも(犠牲者が)14人だったというふうに評価をされています。私は、イラン・イラク戦争の際のスカッド・ミサイルの着弾状況ですとか、湾岸戦争で使用されたミサイルの被害等を現地で実際に見てきました。で、通常弾頭の場合には、着弾した建物が破壊されます。この破壊されたものが飛び散って散弾銃の散弾のように、この破片で人を殺傷する、こういったことが実は被害として多かったというのを見てきました。で、そういったことを踏まえるとですね、ミサイル避難訓練等で行動を習熟することで死傷者を確実に減らせる、こういったことを私は現地で確認と言うか、そう思ってきました。他方で、例えば、北朝鮮は我が国に対して到達するミサイル能力を保有しているとされていますが、能力だけではなくて意思も有しているようです。数多く例がありますが、例えば、2019年11月30日付けの北朝鮮の外務省日本担当副局長が談話を発表して、「安倍は、これは安倍総理です、当時、安部は本物の弾道ミサイルが何であるかを、遠からず、それも極めて間近で見ることができるであろう」と脅迫をしているほか、2022年12月20日には、やはり北朝鮮の外務省報道官談話として、北朝鮮の核ミサイル開発を巡り、「我が国、北朝鮮はですね、日本の否定的な行動により地域の安全を巡る環境が複雑になることに備えて、軍事的措置を断行する権利を有することをはっきりさせる」と言っています。このように、ミサイルで我が国を攻撃する能力と意思を有する隣国がある中、訓練によって死者が減少できる、そういう可能性が高い以上、ミサイル避難訓練ができるにも関わらず実施しないことは、命を軽んずる行為であるというふうに私は思いますし、万が一、被害が出た場合には、それは人災である、その責任は重いと考えます。県といたしましては、危機管理に万全を尽くし、1人でも多くの人の命を救うために努力を惜しまないつもりでありますので、私どもとしては、必要があれば御支援をさせていただきたいと思います。

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「ダさいたま」と呼ばれていることについて 【該当部分動画(YouTube)】

時事

 翔んで埼玉にもちょっと関係するかもしれないんですけれども、12月初旬に「埼玉は本当にダサいのか」の意見募集の結果を広報紙で公表すると聞いております。語感も良いので、ちょっと私も昔から「ダさいたま」というのは何となく耳に残っていたんですけれども、知事本人として、その「ダさいたま」という言葉、表現について、どのようにお思いなのでしょうか、御意見をお伺いできればと思います。

知事

 知事としてというよりも県民、一県民としてですね、「ダさいたま」と言われて気持ち良いことはないと思います。ただ、やはり先ほど「日本埼玉化計画」の話をしましたけれども、埼玉県民の良いところなんでしょうか、もしかすると、これがダサいと呼ばれる由縁なのかもしれませんけれども、非常に人が良くてですね、なんて言うんでしょう、寛容なところがあると思いますので、決して良い気分はしませんけれども、私としてはですね、これを呼ばれるのが、仮にその「ダさいたま」のダサいの由縁が、こういった埼玉県の寛容さゆえだとすれば、「ダさいたま」上等だと思います。

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人権に関する条例の制定等について 【該当部分動画(YouTube)】

記者(無所属)

 以前の記者会見なんですが、9月5日の定例記者会見で、関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する質疑がありました。それで、知事としては、震災翌日の9月2日にですね、埼玉県下の郡の役所がその管内の町村に対して、「不逞鮮人放火に関する件」という通牒を出してですね、その通牒がきっかけとなって、自警団が組織され虐殺が行われたという御発言がありました。こういう流れ、戒厳令が発布され、それから、そういった県庁からですね、郡、そして町村、自警団といったふうに、取り締まりが非常に厳しくなったという流れの中で虐殺が起こったわけですけれども、こういった長年にわたってですね、埼玉県内の各地で追悼集会や学習会も開催されてきましたけれども、今年はちょうど(関東大震災から)100年ということもあって、例年以上に国内外で関心が高くて、現在の臨時国会でもですね、委員会質疑で、この歴史事実にどう向き合うべきかということで、何回も国会の質問が取り上げられています。しかし、松野官房長官をはじめ、閣僚とか政府の参考人からはですね、数々の公文書が存在するんですけれども、政府内に事実関係を把握するような記録は見つからないということを繰り返しております。それでさっき、先日11月9日のですね、参議院の法務委員会でも、社民党の福島みずほ議員が、今言いました9月5日の大野知事の記者会見での御発言を引用して、埼玉11区が地元の小泉法務大臣に対して質問しましたけれども、小泉大臣は、詳細は分かりませんと、そして、地方自治体の首長が述べるコメントの一つ一つに答えることは差し控えるというふうに答弁されました。こういった植民地下でのジェノサイドですとか、戦争犯罪等に関しては、欧米諸国でも、現在も様々な歴史責任が問われていますけれども、関東大震災での朝鮮人、中国人に対する、日本政府の今言ったようなその見解に対してですね、大野知事はどのようにお考えでしょうかということが1点、それと、100年前と現在は、社会状況も人権意識も大きく変わるわけですけれども、現在の外国人犯罪ですとか治安悪化といったことが、あとは不法滞在といったようなことが、殊更に大きく報道されたり、法務省や地方自治体に人権侵害であるというふうに認定されても、ヘイトスピーチを繰り返す政治家、政治団体、そういったグループも後を絶たない状況があります。そういったネット上では差別発言があふれている状況もあります。そういった実際に特定のですね、民族差別とか障害者差別等に基づく放火事件や殺傷事件等も、深刻なヘイトクライムも既に発生しております。そういった状況の中でなく、そういった現在、人権啓発だけではなくてですね、国際人権基準にのっとった形で、差別禁止の罰則規定や、独立した第三者機関等を備えた人権条例の制定を検討している地方自治体等もあるわけですけれども、埼玉県はどのようにこういった問題に対処すべきだとお考えか、大野知事の御見解をお願いいたします。この2点、お願いいたします。

知事

 まず、今の御質問の中で、少し改めて申し述べておきたいんですけれども、震災の翌日の9月2日に、郡の役所が管内の町村に対して送った通牒につきましては、県として、まず発したことはありません。また、先ほど通牒に従って、自警団が組織され虐殺につながったという話ですが、この自警団と、それから通牒、虐殺の因果関係について言及したことはありません。改めて正確に申し上げると、関東大震災におきましては、様々な混乱があり、デマ情報に基づいて、朝鮮人に対する虐殺があったということについては、痛心に堪えないところであります。虐殺で犠牲となった方々を含め、関東大震災で犠牲となった全ての方々に、謹んで哀悼の意を表したいと考えていますと、当時述べました。また、その上で、震災翌日の9月2日に、郡役所が管内町村に対し、「不逞鮮人放火ニ関スル件通牒(庶発第8号)」を発し、警戒を呼び掛けるとともに、一朝有事の場合には速やかに適当な方策を講ずるよう至急手配していただきたいと、「其の筋の内牒」により移牒しており、「其の筋の内牒」とは、政府から来たものを転達しているということですが、その資料が残っています。ただ、被災民によるデマの広がりや郡役所が発した通牒等によって、朝鮮人対策として自警団が各町村や集落に作られていったものと認識していると発言を当時いたしました。その上で、このような事実関係をお伝えしたつもりでございます。なお、松野官房長官や小泉法務大臣がそのような答弁、今おっしゃられたような答弁をしていることは承知をしておりますけれども、国務大臣が述べるコメントの一つ一つにお答えすることは差し控えたいと思います。また、先ほどの現在の状況に鑑みて、県としての条例の制定の可能性と言うんでしょうか、対応ですか、について御質問を頂きました。この人権擁護、差別禁止については、世界共通の課題であり、国が法によって必要に応じ対処するべきものと考えています。ちなみに、私も国会議員時代に、例のヘイトスピーチの法律については、国連の人権条約の関係で起案に携わりましたけれども、これはやはり国会議員の仕事だと考えたからであります。本県においては、地域の特性に応じ対応することが必要な課題について、個別の条例が定められており、それに基づいた具体的な施策を推進し、差別の解消等の人権課題の解決に取り組んでいるところでございますので、必要な場合には、その課題について個別の条例を定めていくことはあり得ると思います。現時点でただし、その具体について考えているわけではありません。

記者(無所属)

 引き続き関連のことで伺いたいんですが、2009年に内閣府の防災中央会議(中央防災会議)が出した関東大震災についての報告書があって、その中で朝鮮人、中国人虐殺についても触れられてるわけですが、その中では、さっき言った戒厳令からですね、各町村、都道府県に対して、特に埼玉県庁に対してですね、どういった受け止め方をしたかといったような流れも書いてますので、そこは是非御確認いただきたいと思います。それとですね、多文化共生ということなんですけれども、この間、川口(市)とか蕨市に在住のトルコ国籍のクルド人を中心にしたコミュニティのことが、いろいろ新聞報道されたり、話題になったりしております。そのことも9月5日の記者会見で質問が出ていたんですけれども、今の入管法の改正が先の通常国会であり、今、それの施行に向けていろいろ法整備がされてますけれども、やはりこれはクルド人に限ったことではございませんが、難民申請が非常に日本は厳しいと、申請中に在留資格がなくなり、それで仮放免という形で、非常に生活に困窮している方がたくさんいらっしゃる状況です。それで、川口市のですね、奥ノ木市長なんかも、上川法務大臣のときにそういった仮放免の外国人に対してですね、きちんと在留資格を認めるとか、働けるようにしてくださいという要請をしたり、先日も9月5日の記者会見でお話が出ましたけれども、今の小泉法務大臣に対してですね、いろいろトラブルに対しての苦情ももちろんあったんですけれども、そういった仮放免の人に対して、今言ったような、在留資格の運用の問題であるとか、それから就労の問題ですとかを、法務大臣の方に申し入れされたということもございます。今、新しい入管法の施行に当たって難民申請も制限され、非常に非正規滞在者に対して非常に厳しい状況になると思うんですけれども、埼玉県の住民である、川口市とか蕨市とか、他の国の方でそういうお立場の方もたくさん埼玉県内いらっしゃいますけれども、埼玉県として国に対してですね、改正入管法の施行に当たって、何かこう提言をされるとか、そういった各埼玉県下の市町村がどういう状況に置かれてるということを意見集約されるとか、何かそういったお考えというのはございますでしょうか。

知事

 まず、御指摘がありました中央防災会議の報告書については、よく存じ上げております。ただ、先ほど申し上げたとおり、自警団の編成と虐殺の因果関係については承知をしていないというふうに申し上げたところであります。それから、今お話がございました、川口市等からの要請も含めた、法務大臣等への、あるいは国に対しての要請につきましては、おっしゃるとおりですね、仮放免の取扱いについては、これは国の権限でありますので、本年6月の入管法の改正を受けて、今、国でその運用について検討を進めていると思いますので、国の動向を注視していきたいと思っています。なお、埼玉県としてどのような動きをするのかにつきましては、御存じのとおり、治安の維持等についてはですね、警察が執行権限を含めて持っているところであり、県としてその権限はございませんので、県としてはこれらの働き掛けがあったために、今年の夏に警察に対して治安の強化をお願いしたところであります。他方、どの国の国籍だとか、どの民族であるということではなくて、犯罪に対しては適切かつ厳しく対応して欲しいと、こういうことを申し上げています。その一方で、県の権限としては、例えば、警察に関して言えば、その設備ですとか予算は県が持っていますので、そこで県といたしましては、今年の4月、当初予算に組ませていただきましたけれども、(仮称)川口北警察署新設のための予算措置を講じ、総事業費約55億円、これを既に決定をしておりますので、こういったところで我々といたしまして、もちろん川口だけじゃないのかもしれませんけれども、今聞いてるのはそういったところでございますので、支援をしていきたいと考えています。

記者(無所属)

 今のことで追加なんですけれども、今年の8月にですね、改正入管法が通った後に、齋藤(前)法務大臣が日本で生まれ育ったお子さんがいる家族に対して、在留特別許可の運用を緩和するということを発表しました。現在、まだ入管の方では進んでないんですが、そういった日本で生まれた、あるいは幼年期にですね、日本に来られて、この埼玉県下でですね、成長したんだけれども、学校でも非常に頑張って勉強したんだけれども、いざ就職の段になると就職もできないと、そういったお子さんがいる御家族もたくさんあります。そういった、やはり在留資格がないがためにですね、自分の将来がどうなるか分からない、言葉もできない、本国に送り返されてしまうという可能性もあるわけですし、家族がバラバラになってしまうという可能性もあるわけです。そういったことに対しても、知事、確かにこれは国の専権事項だというふうにおっしゃいましたけど、2009年まで外国人登録法があった頃は、地方自治体の方でも住民登録ができたんですね。今は全くそれが、2009年以降、住民登録管理が一元化してしまったということがございまして、今、その全ての行政サービスから締め出されている、働くこともできない、医療・健康保険に入れないという状況があることは、知事も御存じだと思います。そういった生活をですね、やはり県の方から国に対してですね、こういう生活実態があるから何とかして欲しいという思いで、川口市長も申し入れをされたんだと思います。そういったことをやはり、自治体の首長なり、そういった地方自治体の長がですね、やはり国に対して言っていくというのは、やはり地方自治を守る上でもすごく大事なんじゃないかなと思うんですけれども、そういったことについてお考えがあればお聞かせください。今の入管法改正に当たって、是非県としてのお考えをお聞かせください。

知事

 まず第1に、運用を検討している現在の段階で私どもが何か申し上げることは、第1にございません。それから、先ほど地方自治体がこの住民登録ができたというのは、基礎自治体の話であって県ではありません。したがって、そこについては御指摘は当たらないものと考えております。我々といたしましては先ほど申し上げたとおり、その方々の出自がどういったものであったとしても、住民である以上は県としての責任が生じてまいりますので、そこについては県として支援を行う、若しくは、逆に、彼らがその犯罪を起こすとか、これは別に国籍関係ないんですけどね、それは他の方と同じように厳しく対処していく、ここについては変わりがないと思っています。

記者(無所属)

 あと、是非、多文化共生としてのまちづくりみたいなところもアピール、埼玉県としてできるんではないかなと思いますが、そういったことは何か考えてることございますでしょうか。

知事

 埼玉県といたしましては、様々なNPO団体等を通じてですね、これは別に特定の民族というわけではありませんけれども、外国人の居住者等に対して様々な御支援を行わさせていただいているところであります。その中には、例えば子供たちの教育、あるいは先般のコロナのときもそうですけれども、多様な言語で対応ができる体制、こういったものを県として予算を組んで支援をさせていただいているところでございますので、これらの増えていく、若しくは一定程度人数がいる外国人やその言葉をお使いの方々に対しては、共生に向けて、共生は共に生きるの共生ですね、共生に向けて可能なことを、県としてもこれまで以上に推進していくつもりであります。(終)

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お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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