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掲載日:2023年2月22日
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知事
まずは、私の方から何点か、若干長くなりますが報告をさせていただきます。まず、令和5年2月定例会の付議予定議案について御説明させていただきます。令和5年2月定例会は、2月20日月曜日に招集することといたしました。本定例会に提案する議案につきましては、予算が22件、条例16件、専決処分の承認1件、工事請負契約の締結1件、財産の取得1件、財産の処分2件、訴えの提起1件、事件議決6件、基本的な計画の策定等2件の計52件、そして報告事項として、専決処分報告が2件あり、合わせて54件となります。
令和5年度当初予算は、「ポストコロナ元年~持続可能な発展に向けて~」をキャッチフレーズに、「社会課題の解決と経済の両立」、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止」、「『日本一暮らしやすい埼玉』実現への加速」を、最優先として取り組んでいくことになりました。国は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを、令和5年5月8日に、「2類相当」から「5類」に変更する方針であります。私の願いでもありますが、令和5年度は「ポストコロナ元年」としていきたいと考えています。そこで、国の方針を踏まえて新型コロナウイルス感染症対策には引き続き取り組んでまいりますが、社会全体のデジタル・トランスフォーメーションやエネルギー価格の高騰を契機として、更なる脱炭素化を推進するなど、社会的課題の解決と経済の両立に取り組んでまいります。また、埼玉県5か年計画に掲げた将来像の実現に向けた取組も、更に前進させてまいります。これらの取組を通じて、埼玉県の持続可能な発展につなげていきたいと考えます。予算額は、一般会計として過去2番目の規模となる2兆2,110億9,500万円、また、全会計合計となりますと、3兆6,584億6,987万5千円となります。
まず1つ目の柱の「社会的課題の解決と経済の両立」のうち、「DXの推進による生産性の向上」についてであります。パネルの左側になりますけれども、「全庁GIS(地理情報システム)による官民のまちづくりの推進」でありますが、全庁の様々な地理情報があります。これを集約し、データの重ね合わせなどが可能なGIS基盤を整備いたします。県民、事業者の皆様がこのGISにアクセスしやすい公開サイトを設置し、任意のレイヤーを重ねていくということになります。そして、それを表示可能にすることで、閲覧の利便性の向上を図ってまいります。例えば建設分野では、道路や、あるいは河川等の様々な分野がございますが、この3Dデータを始めとするインフラデータを効率的に利活用するための保管庫を整備するとともに、これを全庁GISと連携させることによって、インフラデータの利用の促進を図ります。その他、3D都市モデルにおきましては、国が推進しているものでありますけども、その建物モデルを3Dで立ち上げ、それぞれに建物情報をひも付けることで都市計画情報等を一元的に管理し、これを全庁GISで見られるようにしていきます、と言っても、なかなか分かりにくいと思いますが、例えば洪水について申し上げると、浸水の想定を3Dモデルに重ね合わせると、建物ごとの浸水リスクが分かります。例えばこの(パネル)左側の図、こちら側は建物モデルであります。ところが、仮に浸水した場合のモデルを重ね合わせると、こちらの(パネル)右側の図となり、建物がどの程度浸水するかが一目で分かることになります。これを全庁GISで展開、公開していきます。また、建築・住宅行政情報手続のデジタル化も推進してまいります。デジタル化により得られるデータも全庁GISとの連携を検討してまいります。これらの整備により、県民や事業者及び庁内でのGISの利用を促進するとともに、官民のまちづくりや生産性向上に活用してまいります。右側の方になりますが、「行政手続におけるDX推進」ですが、まずは、建設工事等の入札参加資格申請における添付書類、これを電子ファイルで提出ができるようシステム改修を行い、オンライン化による申請者の利便性の向上を図ります。今年度から既に物品業者の入札参加資格申請をデジタル化していますが、これを建設工事の事業者の申請に拡大いたします。次に、県申請を行う手続の場合に、庁内のバックオフィス連携によって納税状況等をシステムで確認することで、県民の納税証明書の添付を省略できる仕組みを構築いたします。県民の皆様には、申請する際に納税証明書を取って、更にそれを添付して、これを何らかの申請書に付して手続することになりますけども、この手続が省略可能になります。納税証明書を申請する県民と発行する県の双方にとってメリットがあるため、法令等により添付が省略できない手続を除き、早期に実施できるよう進めてまいります。また、収入証紙の廃止に伴い、窓口にクレジットカードや電子マネー、QR決済等、キャッシュレス決済ができる環境の整備を行い、県民サービスの向上及び会計事務の効率化を図ってまいります。次に、「県内中小企業のDX推進」でありますけれども、「埼玉県DX推進支援ネットワーク」の支援機能を強化し、県内外のIT企業約200社に、既に登録いただいている「埼玉DXパートナー」と県内中小企業とのマッチングの強化を行ってまいります。また、優れたDX事例の表彰を行い、横展開を図ることにより、県内中小企業のDXを推進いたします。
次のパネルは、「資源のスマートな利用の推進」です。まず、(パネル)左側、「サーキュラーエコノミーの推進」についてであります。環境に配慮した持続可能な本県経済を目指し、県内企業がサーキュラーエコノミーに取り組むことで、資源消費量の最小化や、あるいはストックの再利用を図ることができます。これらを通じて、企業自身の新たな成長につながることが期待されます。そのため、「サーキュラーエコノミー推進センター(仮称)」を埼玉県産業振興公社内に設置し、サーキュラーエコノミーに関する相談対応や普及啓発のほか、販路拡大に向けた企業間のマッチング等の支援を、ワンストップで行わせていただきます。また、県内中小企業等によるサーキュラーエコノミーに関するビジネスモデルの創出に対して補助をし、これをリーディングモデルとして発信をすることにより、更に促進をしてまいります。さらには、県産業技術総合センターの北部研究所を、食の再資源化に向けたトライアル拠点として位置付け、食品残さの再資源化や、それを原材料にした新商品の開発等、ビジネスモデルの構築を支援いたします。加えて、プロスポーツチームとの連携による県有大規模集客施設、具体的には埼玉スタジアム2○○2における循環利用の実証と啓発を行ってまいります。次に(パネル)右側になりますが、「脱炭素化とエネルギーレジリエンスの確保」についてでありますが、安心・安全な施工を行う県内の事業者の認定制度を創設し、この認定事業者を通じて、省エネ・再エネ活用設備を導入する家庭や、企業等への補助を新たに新設いたします。また、県における取組を加速化するため、県有施設における太陽光発電ポテンシャル等の調査を実施し、導入計画を策定するほか、環境科学国際センターに再エネ活用設備を設置し、災害時には、隣接する騎西特別支援学校に電力を供給するモデル事業の設計を行います。
次のパネルは、「輝き続ける人材の育成・確保」であります。まず、(パネル)左側、「社会全体のDXに向けた人材の育成」でありますけれども、社会全体のDXを進める上で必要な県内企業の人材育成を支援いたします。在職者の技能向上支援として、AIに活用されるプログラミング言語の習得や、IoTの仕組み等を学ぶ講座を拡充し、企業の生産性や競争力を高めるための人材育成を支援します。また、県内中小企業の「DXを推進していく人材がいない」という課題に対し、企業のニーズに合ったデジタル人材の育成を図っていくため、「働く人のためのオンラインDX推進講座」を実施するとともに、女性のデジタル人材の育成を図ってまいります。次に、「課題発見・解決能力を備えた人材の育成」でありますけれども、県立高校の生徒を対象に、学際的に物事を捉え、課題を発見し解決する能力を備えた人材を育成するため、生徒の探究活動を軸とした教科等横断的な教育課程の検討、実践を行ってまいります。あわせて、外部と連携した探究活動や、地域との連携をコーディネートできる教員の育成も行います。そして(パネル)右側でありますけれども、「県の課題解決に必要な人材の確保」であります。県内の保育士の有効求人倍率は依然として高く、確保が困難な状況が続いております。これに対応すべく、新たに就職する保育士に対し、市町村が奨学金返済の支援を行う場合、県が費用を助成することで、保育士の確保を支援してまいります。また、医師確保でありますが、県内の専門研修プログラムで経験できる症例や手技、研修のロールモデルや先輩研修医の進路等を掲載した特設Webサイトを構築いたします。通年で県内研修の魅力をPRすることによって、後期研修医の獲得、定着を促進し、これを通じて本県の医師の確保につなげてまいります。
次に2つ目の柱、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止」についてであります。新型コロナウイルス感染症対策については、国において、感染症法上の位置付けを、2類相当から5類に変更する方針を示していると先ほど申し上げました。患者等への対応や医療提供体制等の段階的な移行を見据えつつ、病原性の高い変異株等に対応するための予算を計上いたしました。引き続き、保健・医療提供体制の確保として、医療機関向けの支援を行うとともに、国の動向を踏まえつつ、軽症者の療養体制や感染者のフォローアップ体制を確保したいと思います。また、高齢者支援体制といたしまして、生活介護を必要とする新型コロナ陽性の高齢者に対応すべく、高齢者支援型臨時施設を確保、運営してまいります。次に、国の動向を踏まえながら行うワクチン接種の推進であります。ワクチン接種を安全かつ円滑に推進するため、埼玉県ワクチン接種センターの運営、ワクチンバスの活用等により接種を促進するとともに、副反応等に対する専門相談体制を継続するものであります。福祉施設等における感染拡大防止策では、介護施設等における多床室の個室化に要する改修費等への助成をはじめとした福祉施設における感染拡大防止対策を実施してまいります。また、高齢者施設等におけるサービス提供体制を維持するため、クラスター発生時にはリリーフナースの派遣を行います。
次に、3つ目の柱、「『日本一暮らしやすい埼玉』実現への加速」のうち、「災害・危機に強い埼玉の構築」についてであります。まず(パネル)左側の方でありますけれども、「危機管理・防災体制の再構築」ですが、多様化する災害情勢に対応するため、災害現場と対策本部とのリアルタイムによる情報共有、あるいは加工能力の強化や、デジタル技術の導入により、災害オペレーションルームの機能を強化、向上させるとともに、次期災害オペレーション支援システムの基本設計に着手いたします。次に、高齢者や障害者にサービスを提供する福祉施設において、自然災害や、あるいは感染症の発生時に適切に業務が継続できるよう、業務継続計画(BCP)の策定を個別に伴走型で支援いたします。あわせて、施設間の相互協力ネットワークを構築してまいります。また、災害時連携民間精神科病院を7か所指定するなど、県と民間病院が連携し、被災した精神科病院の入院患者の受入れ体制を整備してまいります。更に、大規模災害に備え、警察施設の浸水対策を行います。令和5年度は4施設について、非常用発動発電機等の電気設備のかさ上げや止水板設置等の対策工事を行ってまいります。次に、(パネル)右側の方ですが、「防災関連公共事業の推進」ですけれども、河道や調節池の整備、土砂災害対策等を加速化し、防災力を高めるとともに、情報空白地帯への水位計や河川監視カメラの新規設置等、減災力を高める施策を進めることで、あらゆる関係者と協働した流域治水を継続、深化させます。また、赤外線カメラを搭載したドローンにより、モルタルを吹き付けた道路法面の温度を朝と昼の2回計測し、そこで得られる温度差から、空洞等の危険箇所を早期発見するとともに、予防保全を図ってまいります。
次のパネルは、「県民の暮らしの安心確保」であります。まず、(パネル)左側ですが、「犯罪捜査活動の強化」、パトカーをはじめとする警察車両に可搬型のタブレット端末と専用カメラを新規に搭載し、事件・事故現場のリアルタイム映像を活用して、犯人検挙等の初動警察活動を強化します。また、映像データにつきましては、捜査活動や行方不明者の捜索等に有効活用いたします。サイバー犯罪につきましては、情報通信技術を悪用した新たな手口の犯罪に迅速に対応するため、人の手では膨大な時間を要する各種情報との照合や、データ分析等を効率的に行う環境を整備いたします。次に(パネル)右側ですが、「交通安全対策の推進」です。ガードレール等の安全施設を設置し、カラー舗装や、あるいは路面表示等によって、通学路グリーンスポットを整備し、児童等、横断者が安全に待機できる空間を確保いたします。また、通学路を優先した歩道の整備を進めるとともに、安全で快適な自転車通行空間を創出します。さらには、歩行者と車両の通行する時間を分離し、交通事故を抑止する歩車分離式信号機の整備も進めてまいります。
次のパネルは、「介護・医療体制の充実」です。まずパネル左側、「人材の確保・定着対策の推進」でありますが、介護の魅力のプロモーションを実施いたします。現役の介護職員が、動画の配信や学校訪問で介護の魅力を伝えイメージアップを図るとともに、県内介護事業所に新たに就職した介護職員を対象に、バーチャル合同入職式を開催いたします。外国人介護人材の長期定着を支援する策として、介護事業所が外国人介護職員にとって魅力ある職場となるための、セミナーや交流会を開催いたします。あわせて、介護福祉士を目指す外国人の資格取得等を支援いたします。医学生に対する奨学金貸与枠につきましては、卒業後に県内の医師不足地域等に勤務することを条件とする奨学金の貸与枠のうち、地域枠を4大学33名であったものを、7大学45名に拡充いたします。次に、(パネル)右側ですが、「地域医療体制の充実」ですけれども、Tele- ICUによる重症患者の医療提供体制の充実であります。コロナの重症病床確保のために整備をしたICTネットワークを、コロナ以外の重症患者の治療にも活用いたします。また現時点では、このネットワーク、5病院の連携病院ですが、これを9病院に拡大し、医療提供体制を強化します。次に、小児・AYA世代の終末期がん患者の在宅医療体制の整備でありますが、訪問診療を行う医療従事者向けに、これらの患者の特徴を踏まえたオンライン研修を実施いたします。あわせて、地域の医療従事者に対する疼痛(とうつう)管理等の実技研修を実施し、患者の皆様が希望する場所で安らかに最期を迎えることができる体制を整備するものであります。
次のパネルは、「子育てに希望が持てる社会の実現」です。まず、(パネル)左側、「子育て支援の充実」ですが、妊娠期から、出産、子育てまで一貫して、身近で必要に応じ、必要な支援につなぐ伴走型の相談支援の実施と、出産育児関連用品の購入費等への経済的支援を、一体的に行う市町村に対し補助を行うものであります。また、市町村が実施する第1子以降への給付事業等に上乗せをして、例えば紙おむつ等の子育て用品、最大1万円相当のギフトボックス等を配付いたします。子育て用品の配付を通じて、子育て世帯と市町村が確実につながり、孤立した子育てを防止し、育児負担を軽減いたします。次に、様々な子育て家庭のニーズに対する支援といたしまして、産前産後から就学前、就学の後まで、様々な子育て家庭が身近な地域で安心して子育てができるよう、ワンストップでの相談体制を構築する多機能型地域子育て支援を市町村と協働して推進をいたします。「少子化対策の推進」につきましては、子供を望む方の不妊症・不育症への支援として、引き続き不妊検査や不育症検査費に対し助成を行います。令和5年度から、検査開始時に女性の年齢が35歳未満の方を対象に、助成額を2万円から3万円に増額いたします。次に、「児童虐待防止対策の強化」として、児童相談所の管轄人口の平準化を図り、迅速かつ、きめの細かい児童虐待対応を図るため、令和7年度の開所に向けて、朝霞市内に一時保護所を付設した児童相談所を新設するための工事に着手いたします。
次のパネルは、「未来を創る子供たちの育成」、並びに「人生100年を見据えたシニア活躍の推進」であります。まず(パネル)左側、「多様なニーズに応じた教育の推進」でありますが、いじめ、不登校等、児童生徒の抱える様々な課題に対応するため、小学校のスクールカウンセラーの配置時間を拡充するとともに、高校のスクールカウンセラーの配置校数も拡充いたします。また、児童生徒の増加に対応して、特別支援学校も整備を進めます。このうち、高校内分校の3校につきましては、令和6年4月の開校を予定しております。(パネル)右側、「生涯を通じた健康の確保」についてであります。これまでコバトン健康マイレージ事業を展開してまいりましたが、民間アプリ、ウォーキングアプリの普及等、事業環境の変化や、歩数に加えて各種健康データを取得、活用することが有効であるとの検証結果を踏まえ、民間アプリを活用した新たな健康増進事業を導入いたします。県民の皆様が、これまでコバトン健康マイレージを使っていた方は、その移行を円滑にできるよう後押しをしてまいります。次に、「シニアの活躍支援」でありますけれども、埼玉未来大学のライフデザイン科で、学習期間を1年に延長し、フィールドワークや体験型の学習を強化してまいります。また、オンラインのコースを新設するなど、カリキュラムの充実を図り、シニアが地域の担い手として活躍できるよう支援を行ってまいります。
そして、次は「誰もが活躍し共に生きる社会の実現」についてであります。まず(パネル)左側、「障害児・者の自立・生活支援」でありますが、医療的ケア児等の支援体制を構築してまいります。本年1月に開設した医療的ケア児等支援センターについて、来年度は、地域センターを複数の体制に拡充し、地域の実情に応じた支援体制を強化いたします。県立特別支援学校では、スクールバスを利用できない医療的ケア児が福祉タクシーで通学する際に、同乗する看護師の費用について、保護者のニーズを踏まえた適切な支援を行ってまいります。また、医療的ケア児の通学支援体制の充実を図るため、訪問看護事業所や福祉タクシー事業所等の関係者による連絡協議会を設置するとともに、安定して学校に看護師を配置できるよう、看護師の委託方式をモデル校1校で検証いたします。次に、障害者等のための駐車区画の適正利用を促進するためのパーキング・パーミット制度を導入、運用するとともに、事業者や市町村と連携して、障害者等のための駐車区画の拡大を図ってまいります。(パネル)右側、「LGBTQへの支援」であります。性の多様性に関する理解増進を図るため、企業向け研修や若者支援者向けの講座を実施いたします。さらには、県内企業における取組が、埼玉県がこれまで進めてきた取組が更に進むよう、「埼玉県アライチャレンジ企業」の先進的な取組をホームページや、あるいはSNS等で発信することによる「見える化」を行います。教育の分野では、LGBTQ相談に精通したNPO等の団体から専門的な助言や、支援を受けることができるような仕組みを構築し、県立学校の相談体制を充実するほか、性的指向や性自認に悩む高校生を対象としたオンラインサロンと相談会を実施します。また、性の多様性に配慮した環境づくりのため、学校において配慮するべき事項を定めた取組シートを作成し、これを活用してまいります。次に、「障害者と健常者一体のアスリート支援」でありますけれども、オリパラ一体での合同研修会等を開催し、それぞれの知見やノウハウの共有、相互理解を促進いたします。また、パラアスリートへの専門家の個別サポートの実施や、特別支援学校の児童等を対象に体験会、あるいは測定会を実施し、パラアスリートを発掘してまいります。これらにより、障害者と健常者ともに、アスリートの発掘・育成から強化支援までの一貫したサポート体制を整備してまいります。
次のパネルは、「支えあい魅力溢れる地域社会の構築」であります。まず、(パネル)左側、「地域の魅力創造発信と観光振興」についてであります。バーチャル技術を活用し、県ゆかりの著名人等によるイベントステージや、観光地等、県の魅力を再発見できる体験エリア、あるいは行政や県内企業の事業PRブース等を設け、バーチャル空間の特長を生かした魅力発信とともに、行政サービスを試行いたします。次に、更なる回復が見込まれるであろう外国人旅行者、いわゆるインバウンドの観光消費を取り込むため、東京から近いという本県の強みを生かし、県内外の観光関連事業者などが一体となって、インバウンド誘致を図ってまいります。また、県内地域の観光振興を促進するため、観光地域づくりの牽引(けんいん)役である県DMOの機能を強化し、専門性や機動性を生かした取組が行えるようにするとともに、観光プロモーション戦略会議の機能強化を図り、観光関連事業者のネットワークを強化することによって、新たな観光の魅力やビジネスチャンスが生み出される土壌を形成いたします。さらには、所沢航空発祥記念館の魅力アップを図るため、航空関連企業や自衛隊と連携し、展示機や展示施設の充実を進めるとともに、VRによる体験型コンテンツを導入するなど、従来にはないDXの積極的活用を図り、若年層の取り込みやリピート率の向上に取り組んでまいります。令和5年度は、DXを含めた記念館リニューアルの実施設計を行います。(パネル)右側、「スポーツの振興」でありますが、国際規格の屋内50メートル水泳場の整備に向けて、PFI事業者の公募・選定を行い、あわせて、整備・運営・維持管理業務に関わる債務負担行為の設定を行います。令和9年度のオープンを目指して整備してまいります。また、上尾市内に建設するスポーツ科学拠点につきましては、事業者公募に向けた準備を行います。「文化芸術の振興」については、文化芸術による地域貢献の役割を果たすため、彩の国さいたま芸術劇場の近藤良平(こんどうりょうへい)芸術監督が県内各地を巡り、地域文化の掘り起こし発信を行う「埼玉回遊」を新たに展開いたします。
次に、「未来を見据えた社会基盤の創造」であります。「あと数マイルプロジェクト」につきましては、埼玉高速鉄道の浦和美園から岩槻までの延伸について、令和5年度中の鉄道事業者への事業実施要請に向けて、さいたま市と一緒に共同で調査を行ってまいります。また、東京12号線や東京8号線等、鉄道の延伸に向けた調査等も実施してまいります。さらには、国が施工する直轄国道の整備等と連携し、関連する県管理道路の整備を重点的に行ってまいります。これにより、新たな幹線道路網を形成し、地域経済の活性化や災害発生時のリダンダンシー確保による県土の強靱(きょうじん)化を図ります。次に、「地域公共交通の活性化」でありますが、地域ニーズに適合した、持続可能な地域公共交通の確保・充実のため、市町村や交通事業者におけるスマート技術を活用したDXや、コンパクト・プラス・ネットワークによる交通再編の取組に関わる導入費用を支援します。そして、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト(の推進)」ですが、既に御報告したとおり、昨年度エントリーした11市町に加え、今年度新たに18市町がエントリーし、プロジェクトに取り組む市町村は29市町となりました。大きく増加しました。これらの市町の取組を支援するため、企業等とのマッチングを強化するとともに、エントリー団体の増加に合わせて、財政支援を拡充します。また、プロジェクトに取り組む市町はもとより、これから取り組もうとしている市町村につきましても、まちづくりにおける課題や取組状況に応じて、オーダーメイド型の技術支援を行ってまいります。
次のパネルは、「豊かな自然と共生する社会の実現」についてであります。(パネル)左側、「脱炭素化の推進」でありますが、自動車分野のCO2排出量の削減を加速化させるとともに、災害時のレジリエンス機能を強化するため、電気自動車(エレクトリックビークル)、そして、プラグインハイブリッド車及び外部給電器の導入経費を補助いたします。また、省エネに取り組む中小企業等への支援では、CO2の排出量削減を進める中小企業等の省エネ・再エネの活用設備の導入経費を補助いたします。そして、次に、パネルの右側になりますけれども、「下水道資源の有効活用」ですが、まず、下水汚泥の肥料化の推進をいたします。元荒川水循環センターで実証設備を設置し、肥料を試験製造し、下水汚泥由来肥料の安全性の検証及び施肥効果のPRに活用します。また、県北にある3つの流域の水循環センターへの汚泥肥料化施設導入に向けて、検討を行ってまいります。更に、下水汚泥の焼却過程で発生する廃熱を活用して蒸気を発生させ、発電した電力を焼却に再利用する機能を有した新型の焼却炉について、荒川水循環センターで令和5年度より供用を開始いたします。次に、「熊谷スポーツ文化公園における太陽光発電の整備」ですが、再生可能エネルギーの活用による持続可能な公園運営を実現するため、民間事業者と連携した太陽光発電設備の整備を検討しています。令和5年度は、蓄電設備の整備に向けた詳細設計を行ってまいります。
次のパネルは、「稼げる力の向上」です。まず、パネル左側、「県内中小企業等に対する支援」ですが、資金繰り支援として、中小企業制度融資の総融資枠3,600億円を確保いたします。また、中小企業制度融資のいわゆる「ゼロゼロ融資」の借換え需要に対応するため、「伴走支援型経営改善資金」の融資枠を、200億円から5倍の1,000億円に拡充いたします。また、利子補給率を0.4パーセントから0.6パーセントに引き上げることによって、同時に事業者負担を軽減いたします。そして、中小企業等との事業再構築を支援するために、事業再構築支援センターが相談や専門家派遣により事業再構築計画の策定の支援を行います。また、エネルギー価格や物価高騰等の影響を受けにくい経営体質への転換を図るため、デジタル技術の活用や、あるいは、グリーン分野への進出を行う経営革新計画の実行に対する費用を補助いたします。次に「SAITAMAロボティクスセンター(仮称)の整備」ですが、令和8年度の開所に向け、用地取得や実施設計を行うとともに、PR動画を作成し、事業者等に広く情報発信してまいります。また、ロボット産業に関するセミナーやテーマ別の研究会を実施し、県内中小企業等のロボット開発への参入を支援してまいります。そして、「県内のイノベーション創出に向けた支援」でありますが、起業家や企業等が交流し、イノベーションが創出される場であり、「渋沢栄一起業家サロン(仮称)」の設置に向けた調査検討、運営事業者の選定準備を行います。また、企業等を対象にしたオープンイノベーションセミナーの開催や、起業家教育の大学間ネットワークの構築を行います。さらには、イノベーションが期待できる産業分野、企業間の支援ニーズを調査し、本県産業界にイノベーション創出の機会と、その土壌を醸成するためのプランを策定するとともに、経営面や資金面からサポートを行う金融機関等との支援ネットワークの構築を行います。次に「吉見大和田地区産業団地(の整備)」につきましては、埼玉県への企業立地ニーズに対応し、地域の振興や雇用の創出を図るため、新たに吉見大和田地区で吉見町と共同して、産業団地の整備を行います。
そして「儲かる農林業の推進」ですが、「スマート農業の普及」を行います。このスマート農業の普及に当たっては、メーカー、農業者、市町村、農協等が連携して情報発信等を行うプラットフォームを設置し、スマート農業技術の導入を促進します。また、農業大学校におけるカリキュラムの充実や、農業者向け研修の実施により、スマート農業技術を活用できる人材を育成します。次に、「施設園芸農業への新技術導入支援」であります。施設園芸農業へのスマート機器の導入や、農業者グループ内での栽培管理データの共同活用の支援を行い、スマート農業技術のさらなる拡大を図ります。さらには、ハウスの昇温対策等、新たな課題に対応する機器等の導入支援を行い、施設園芸の農業の生産性向上を図ります。次に(パネル)右側ですが、「県産木材の利用拡大」です。県産木材を利用した民間住宅の拡大として、住宅の新築等に当たって、例えば、県産木材利用割合が80パーセント以上の場合には、1㎥あたり2万円の補助を行うなど、この建築資材を選ぶことができる工務店等に対して支援を行います。また、供給・流通体制の構築に関しましては、木材加工施設の整備や、新たな流通ルートの確立等、輸入木材に依存しない県産木材供給体制の構築を支援いたします。更に、現状の県産木材供給体制の課題解決や新たな供給体制構築のための調査を実施し、令和6年度以降の新体制設立を支援いたします。
次に、「国の物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に連動した令和4年度一般会計補正予算第8号について御説明をいたします。なお、こちらの補正予算は、急施議案として議会に議決をお願いいたします。まず、(パネル)左側、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に係る公共事業等の追加であります。道路事業では秩父市の国道140号大滝トンネルにおいて法面対策工事、公園事業では加須はなさき公園におけるプール設備の更新工事、農業基盤整備事業では、古利根堰地区での耐震補強工事等を前倒しにして行います。また、児童生徒の安心・安全確保のため、県立特別支援学校における空調設備の改修工事等を前倒して実施いたします。さらには、老朽化した信号灯器を視認性の良いLED式に更新を行い、落下事故や故障を防止し、安全で快適な交通環境の実現を図ります。そして、「子育て世帯等の住宅の省エネ改修への支援」の御説明であります。国が実施する「こどもエコすまい支援事業」等を活用し、これに連動して県補助制度を創設し、子育て世帯や移住してきた世帯を対象に、住宅の省エネ化を推進し、エネルギー使用量及びCO2排出量の削減を加速化させるため、省エネ改修に要する経費について上乗せの補助を行います。例えば、子育て世帯が既存の住宅を購入して、省エネの改修を行う場合には、60万円を上限に補助を行い、結果として、国の補助が60万円ですから、計120万円の補助が行われます。
知事
次に、「令和5年4月1日付けの組織定数改正」について御報告をさせていただきます。改正に当たっては、ポストコロナの社会構築に取り組むことで、県民の安心・安全を確保するとともに、県内経済を活性化させるなど、日本一暮らしやすい埼玉の実現に向けた、ポストコロナ社会の元年としての施策に重点的に取り組む体制を確保いたしました。組織改正ですが、産業労働部に「産業政策局長」、「地域経済・観光局長」を新設いたします。ポストコロナにおける中小企業支援や観光振興をはじめとした地域経済活性化に向けた取組を推進してまいります。また、農林部に「全国植樹祭推進課」を新設し、令和7年開催の全国植樹祭に向けた執行体制の強化を図ります。この結果、組織は現行の98課123所から99課123所と、1課増加いたします。定数改正では、児童虐待防止対策の強化のため、児童相談所に合計47人増員をいたします。また、ポストコロナ社会の構築に向け、31人増員いたします。内訳としては、新たな感染症への備えのため、保健医療部に5人、社会経済対策のため産業労働部に6人、社会全体のDX推進のため関係部局に20人となります。その他、各種プロジェクト等の実施のため、定数を重点的に配分しております。この結果、定数につきましては、現在の7,060人から78人増員して、7,138人となります。私の方からは以上でございます。
埼玉
幹事社から3点質問をさせてください。まず1点目ですけれども、新年度予算の当初予算案を策定するに当たり、まず、知事は「ポストコロナ元年」という言葉を掲げられました。まずこの言葉をですね、掲げた理由を改めて教えていただきたいのと、知事のお考えになる「ポストコロナの埼玉県」というのはどういったものなんでしょうか。これについてお願いいたします。
知事
まず、「ポストコロナ元年」と申し上げておりますけれども、コロナがですね、これからまだ第9波とか第10波とかあり得る可能性はありますけれども、私どもといたしましては、知見が重なり、ワクチンの接種が行われ、現在、その経済とコロナの両立を図るウィズコロナの時代に入ったと思っています。ただ、ウィズコロナをずっと続けるわけではなく、またコロナが仮に全て、今日終わったとしても、コロナの前と全く同じにはならないというふうに考えており、その一例が、例えばコロナ禍で進んだデジタル・トランスフォーメーション等もございますけれども、こういった良いところは生かしながら、コロナの後に着地するために、着実な一歩を踏み出す、これがポストコロナ元年という意味でございます。いずれにいたしましても、このポストコロナ元年につきましては、例えば、デジタル・トランスフォーメーションの推進によって、これからコロナで減るわけじゃないんですけれども、人口減少の社会においても、社会全体の生産性を、例えば向上させるといったことが、必要だというふうに考えております。また、エネルギー価格、これもコロナが理由ではないんですけども、ちょうど、コロナ禍にエネルギー価格が高騰いたしました。そこで、ゼロカーボンの社会の実現に近づけていくような施策を、家庭・企業向けに、例えば、蓄電池の整備を行うなどのですね、企業や家庭がその体力が増えて、災害に強い、こういったところを作っていくために、このコロナ前と変わった後のアフターコロナの社会を作るための第一歩、ポストコロナの社会を作るための第一歩を踏み出す年にさせていただきたいというのが、私の思いであり、社会的解決の課題と経済の両立が図られるような施策が必要だと考えております。
埼玉
2点目はですね、子育て政策についてお伺いいたします。先ほど施策の発表の中で、子育てに希望が持てる社会の実現という言葉がございました。これとは別に国はですね、今年初めに岸田文雄首相がですね、異次元の少子化対策を行うというふうに表明されまして、6月までに子ども予算を倍増に向けた大枠を示すという御発言をされております。知事がお考えになる子育てに希望が持てる社会、これはどういったものなんでしょうか。実際に具体的な施策、どういったものというのを交えてお答えいただけますでしょうか。
知事
まず、子育てに関しましては単純に、その1つだけの側面が捉えれば済むというものではないんだろうというふうに考えております。国は、御指摘のとおり、3月末までにたたき台をまとめ、6月の骨太の方針までに、予算倍増に向けた大枠を示すとされておられますので、ここはここで国の議論、しっかりと注視をしていきたいというふうに考えております。他方、県といたしましても、子育て支援は喫緊の課題であると考えており、令和5年度の予算に新しい施策を盛り込んだところでございます。これは以前から申し上げておりますとおり、例えば、埼玉版スーパー・シティプロジェクトのように、子供を見守りやすい社会のようなものの構築から、あるいは子育てを行うためには、経済的な課題というものもございます。そういった多様な側面から対応し、また切れ目のないものとするべきだと思っています。具体的に、一例を申し上げると、例えば、国の交付金を活用いたしました伴走型相談支援と経済的支援を実施する市町村へ補助する、つまり、経済的支援のみならず伴走型支援を組み合わせた形で実施をする市町村に補助するとともに、市町村が実施する第1子以降への支援事業に上乗せをして、最大1万円相当のギフトボックス等、新たに配付する経費を計上し、孤立した子育ての防止と育児負担の軽減を図ることによって、子育ての支援を行うということが必要だと思っています。また、様々な子育て家庭のニーズに対応し、産前あるいは産後から就学後まで、身近な地域で安心して子供たちに対する子育てができるよう、市町村と協働し、多機能型地域子育て支援を推進するモデル事業等の経費も計上をしております。子育てに希望が持てる社会の実現に向けて、多様な政策を作っていくつもりであり、先ほど申し上げたモデル事業の横展開も含めて、引き続き、埼玉版スーパー・シティプロジェクトの中に、これを取り込んで強力に推進してまいります。
埼玉
3点目、最後の質問になるんですけれども、予算規模の中の県債についてお伺いいたします。今回の一般会計はですね、当初予算案として2兆2,110億円ということで過去2番目の規模というお話ございました。その中の歳入の中で、今回県債がですね、2,007億円、6億円プラス、0.3パーセントプラスとなっておりまして、そのうちの臨財債を除く県債についてはですね、126億円プラス9.7パーセント増となっております。一方で残高は減るという、そういう試算にもなっているんですけど、県債の在り方につきまして、どのようにお考えでしょうか。
知事
県債につきましては、将来世代に過大な負担を残さない、これが極めて重要であり、慎重に活用していく必要があります。他方で、将来にわたって必要とされる施設への投資財源としては、有効な手段として、将来世代と一緒に分かち合っていく、こうしたバランスを考慮しながら適切に活用することが重要だと思っています。令和5年度の県債発行額は、御指摘のとおり、昨年度当初予算比であれば約6億円の増、臨財債を除くと126億円の増となりました。これ中身を申し上げると、主に、彩の国さいたま芸術劇場や県立学校等の公共施設の長寿命化改修に関わる費用や、高齢者講習施設や高度浄水処理施設の新設等、これは次の世代、将来にわたって県民生活に必要不可欠となる施設への投資が増加したためであります。その一方で、このように県債の発行額は増えたけれども、残高の見込みとしては逆に、過去に発行した県債の償還額が増加していることから、償還額が県債発行額を上回りました。そこで結果として、令和4年度末の残高見込みから554億円の減ということになり、3年連続で残高が減少する見込みとなっております。特に、臨時財政対策債、これは県でコントロールできませんので、これを除く県債の残高につきましては、約120億円減少するということであり、発行額は先ほど申し上げた6億円プラスですが、臨財債を除くと126億円増ですが、120億円減少ということになり、これは21年連続での減少となり、着実に将来世代に対する負担を減少させているところでございます。他方で今後、90年代頃にかけて建設された公共施設の長寿命化等に係る改修費用等が増大する見込みであり、これに伴う県債発行額の増加が見込まれるところであります。そこで、真に埼玉県の持続的な発展に必要な投資なのか、より一層の精査を行い、将来負担を踏まえつつ、本県の必要な投資は積極的に行うということで、将来負担と県政発展のバランスを取ること、そしてもう1つは、DX等を進めることによって、効率的な行政を行うことによって、行政の支出そのものを抑えていく、この両輪で進めたいと考えています。
読売
2点伺います。まず1点目がですね、先ほどウィズコロナの時代に入ったという認識をされているという御発言がありました。今回一般会計の総額がですね、2兆円超えるの3年連続ですけれども、過去最大だった前年と比べるとですね、0.8パーセント減となっています。減額が6年ぶりで、コロナ関連費用を見るとですね、前年比から474億円減額となっています。ウィズコロナということなんですが、このコロナ禍による財政支出の膨張からですね、脱却の兆しがあったと言えるのかどうか、そのへんの認識を、知事の御意見をお願いします。2点目はですね、先ほど少子化対策でギフトボックスの話がありました。今回ですね、現金給付ではなくて現物支給とした狙いを教えてください。
知事
6年ぶりの減というお話で、コロナ禍で急に膨張したことは事実であります。したがって、我々といたしましては先ほど申し上げたとおり、これ単に増やせばいいというだけではありませんので、当然の話ですが、全ての予算について慎重かつ適切に実施しなければならない、予算を組まなければいけないことは当然のことだろうと思っています。そんな中で、大きく変わってきたのは、国がですね、感染症法上の位置付けを令和5年5月8日から、2類相当から5類に変更するという方針を示しました。これ仮に、一気に法律上のですね、5類にするということで、これまで積んできた予算等を一気に仮に直すとすると、相当な減額になるはずでございますが、我々といたしましては、国の予算計上をしっかりと見ながら、患者等への対応や医療提供体制の段階的な移行を見据えつつ、病原性の高い変異株に対応できる予算を組んだつもりでございます。ただ、国はですね、今、臨時交付金につきましては、新たに措置することはないというようなこともおっしゃっておられますが、いずれにいたしましても、現在、国で協議をしているところと考えておりますので、我々として要望はしてはいますけれども、この段階的移行を見据えながら考えていきたいというふうに考えています。したがって、膨張したものが一気に減るかどうかって、ちょっと財源の問題等も絡んでまいりますので、今後、引き続き、国の動向を見ながら考えていきたいというふうに思っているところでありますが、先ほどポストコロナ元年と申し上げたこともございますので、今後はですね、ウィズコロナからポストコロナへと円滑に移行するための、例えば経済との両立の予算とか、そういったものに重点的にお金を配分できるような感染状況になっていくことを期待しながら、施策を進めていきたいと考えております。2点目のギフトボックスにつきましては、子育て支援について、切れ目のない支援をすると同時に、国・市町村の施策にプラスしてということであり、私としてはギフトボックスに特段こだわっていないんですけれども、こだわっているのは、直接お渡しいただくことだと思っています。それによって、真に必要な方、あるいは通常ではなかなか相談に来られない方が、伴走型の支援を行いたいと考えている市町村や、様々な施策とつながることができるからであります。したがって、ギフトボックスというのは典型的なのは、これ箱をお渡しすることによって、実際にそこで様々な御説明ができるとか、そういったことはプラスの効果として考え得るのではないかなというふうに思っているところであり、やはり最も大切なことは、直接お渡しをし、顔が見える形で妊婦、産婦、そして子育て世代につながることだろうというふうに思っています。
時事
2点ほど伺いたいんですけども、まず、いろいろ新規事業を説明していただいたんですが、全国でも、いろいろ出てる中で、埼玉県だからこそできるといいますか、埼玉県としてこんなことやるんだというものを、そういう観点から1つ、2つ紹介いただければと思います。よろしくお願いします。
知事
全ての予算がとても大切な予算であることは事実でありますけれども、例えば、デジタル関係多いのはお気づきになったと思います。これは、やはり、これまで私が着任してから数年間にわたって、最初のステップとしてのいわゆるデジタイゼーションのところを超えて、デジタライゼーションのステップに入ったということだろうと思っています。具体的に申し上げると、例えばバックオフィス連携によって、税務関係について申請が必要なくなるとか、あるいはキャッシュレスで様々な支払ができるようになるとか、あるいはその様々な許可申請等についても、随分これ変わってきた。またGISについても、埼玉県は積極的に進めており、例えば、国が進める3Dデータとこれを連携をすることによってより有効になる、こういったことが行われていますので、県庁内は少なくともデジタライゼーション、そしてそれを社会のDXにつなげるために、DXコンシェルジュの増員等を行ってきたというのが、現在の我々の取組の、全て我々力を入れているつもりではありますけれども、1つ横串を刺した形での、大きなポイントになるのではないかというふうに思っています。また、それはこれまで、なかなか進んでこなかった危機管理防災や、あるいはその農業といった分野についても、今、これが単なるデジタイゼーションじゃなくて、デジタライゼーションに進んでいるということだと思っています。またサーキュラーエコノミーや脱炭素化については、単なるCO2で太陽光(発電設備)を乗せるだけのような政策は、埼玉県はとっていません。サーキュラーエコノミーのように、次に、これを活用できるとともに、それが経済につながるようにさせていただくとか、あるいは蓄電池を整備するとか、より効率のよい機器を整備することによって、残念ながら長期化するとも言われている、あるいは、今石油の中東依存度98パーセントと、1973年以来最大になってますけれども、そういった極めて脆弱(ぜいじゃく)な、時として風が吹くとですね、大変なことになりかねない、こういった中でも、企業や県民の皆様に安心と安全、あるいはその体力を付けていただくということを考えておりますので、これ単なる脱炭素化とかですね、単なる再生可能エネルギーの普及等といった、そのような矮小化されたような政策を私たちはとっていないというのが1つの特徴だと思っています。
時事
先ほどコロナのお話があったと思うんですけども、一方で2類から5類にすることによって今までの全数把握からですね、定点把握って形になると思うんですが、それに対する予算でもいろいろあるんですが、受け止めといいますか、今後それに対して、全数把握じゃなくなることによって懸念する声も出ると思うんです。そこらへんについて改めて伺えますでしょうか。よろしくお願いします。
知事
まず今後、全数把握に変わるものがどのようなものになるのかについては、政府との意見交換の中でも様々な議論をしておりますけども、具体的に決まったわけではありません。したがって全数が把握できないといったことには、恐らくなるとは思いますけれども、それに代わるものがどういった形になるかというものを、私たちは具体的に早く示してほしいというお話をさせていただいているところでございます。ただ、定点観測といってもですね、どういうふうにやるのか、あるいはその今、季節性インフルエンザで行われてるのと同じようになるのか、このへんが我々としても分からないものですから、現時点では、これを求めているところでございます。
東京
先ほどのギフトボックスの質問に関連して追加でお願いします。知事は切れ目のない支援とおっしゃいましたが、ギフトボックスを直接渡して、そこで、お母さんからの悩みを聞き取るという、その場の支援で終わらずに、その後の子育て、長く続く子育て支援につなげていくために、市町村はどういう支援体制であるべきかと考えでしょうか。
知事
私は、今回、テストケースとして、地域において、その様々な、例えば子育ての場を御用意させていただくとか、あるいはそのネットワークを作るようなことも、予算の中に組み込ませていただいているところであります。また、必要な方が学校やですね、様々な場で気づきの場というかですね、それが報告されるようなものについても、私どもとしても御用意をさせていただく、あるいはその最悪の場合、虐待とかですね、そういったものにつながる場合も、これを早期に発見できるなど、様々な層と、それからその横の広がり、これが必要なので、先ほど申し上げたとおり、単にギフトボックスあげればですね、何とかなるとは絶対ないと思いますし、お医者さんの目だけでも駄目でしょうし、警察だけでも駄目でしょうし、学校だけでも駄目でしょうし、これをやはり細かく学区ごととかですね、あるいはその地域ごとに見守っていくことが必要だと思いますので、その中で市町村が創意工夫を凝らしながら行っていく余地というものは、私は多いというふうに思いますので、国が一律で行うお金のような支援のところと、その後のきめ細かい地域に応じた支援というものの両方が、適切に重なっていくことが、結果として、子育てを社会で行うことにつながるだと私は思いますので、市町村だけではないですけれども、市町村の果たす役割は大きいと思います。
朝日
知事公約の1つでもあるスーパー・シティプロジェクトの当初予算についてお伺いしたいと思います。金額でいうとですね、昨年度の当初予算から倍以上という金額を、今年度の予算で見積もっていまして、新しくガバメントピッチを開催されるということも盛り込まれておりますけれども、なかなか、まだ県民だったりですね、自治体、企業にですね、このスーパー・シティプロジェクトというその意義というものが、なかなか浸透しづらい、していないような状況もあると思うんですけれども、改めてなぜこれを進めていくのか、その意義というのを知事の言葉で教えていただけますでしょうか。
知事
私はスーパー・シティプロジェクトは、もちろん、埼玉県、これからも人口がたくさん増えてですね、どんどん拡大していくことが見込まれるならいいんですが、少なくとも現時点では、後期高齢者を含めて、埼玉県の少子高齢化は極めて速いペースで進んでいくとされています。そのような中で、もちろん高齢化はですね、長生きしていただくのはすばらしいことなんですけれども、しかしながら働き手が減るとか、あるいはその人口が減ることによって、例えば、櫛(くし)の歯が欠けるように、住宅街が穴が開いたようになるとか、あるいは交通難民が生まれるとか、買物難民が生まれるとか、こういった様々な弊害が考えられています。そのためにはやはりコンパクトに住んでいただくこと、そして、このコンパクトで住むときには、相互が、かつてのようなすばらしいと日本社会、文化とおっしゃる方もおられますけども、これ無理やり、なかなか構築することは難しいので、例えば、スマート、ITの力を使って結び付くとか、あるいは地域と地域が離れていても、MaaSのような新しい技術を使って集落と集落を結ぶとか、そしてそれは災害に強くなければならないという意味で、この3つが重なるようなまちに対して、補助金だけではなくて、ノウハウや、民間企業とのマッチングや、これらをそれぞれの地域要件に合わせて行うというのが、スーパー・シティプロジェクトの意義だというふうに考えており、今のところ、確かに、こういった中長期的なまちづくりの計画・施策というのはなかなか進みません。4年とかでのスパンで任期を行う政治家には向かないものかもしれませんから、私は、やはり10年後、20年後を見据えた施策に、今から乗り出すことは極めて重要だと考えていますので、29の市町にとどまらず、より多くの市町に参加していただけるよう、また、それぞれの企業について、ここに参画することによって、将来のまちづくりへの参画が持続的に保障されるんだと、こういった思いでですね、このマッチングの機会にも参加していただきたいと私は思っております。その思いで、今回の予算にも計上させていただいた部分がございます。
朝日
ガバメントピッチをやることの狙いっていうのを簡単に教えていただけますか。
知事
我々といたしましても、様々な施策を行っていくということが極めて重要だと考えており、これまでも御存じのとおり、埼玉県といたしましては、大きなですね、自治体のみならず様々な自治体が、自分たちの与件というものがございますので、これを作ってきたところでございます。そういった中で、自治体とですね、それから、いわゆるベンチャーのみならず、様々なところが競争していくということが、私はとても重要だと思っており、それこそ地域ごとのニーズに、あるいは、それぞれの逆に、ベンチャーのみならず、様々な企業が自分たちの持ってるところをお互いに共有できる部分だろうというふうに考えており、それが、正にガバメントピッチ、マッチングを行うポイントになるのではないかというふうに考えているところであります。
東京
大野知事の任期が今年の8月で終わると思うんですが、今回のこの当初予算の編成において、この大野知事の1期目の集大成となるような思いを込めて計上した事業等がありましたら教えてください。
知事
以前から申し上げておりますとおり、私の公約の中には、短期間と言っていいのか分かりませんが、1期の間に実現をするべきものと、礎を築いて中長期にわたって実現するものの両方がございます。先ほど来、御質問にあります、埼玉版スーパー・シティや、あと数マイルといったものについては、中長期を考えなければならないということで、今回、しっかりと礎を築く上で、私どもとしてやらせていただいたというのが、そういったプロジェクトに対する予算の、昨年と比較しても上振れしてきた部分であります。それから、ちょうどコロナ禍を経てですね、先ほど来、申し上げているとおり、ポストコロナ元年にしたい、これ次へのワンステップかもしれませんし、今年とにかくやりたいということで申し上げているとおり、これまで、コロナ禍を奇貨として進んできたDX等もありますので、そういったものを活用して、今年はデジタライゼーションの年にしたいというのを、私の思いの1つでございまして、そこに対する当初予算への反映になっているとお考えいただきたい。それから若干補足すると、渋沢(栄一起業家)サロンについては、これ最初からやろうとしてたんですが、どうしても人が集まるサロンなので、コロナでしばらくできなかったところがありますので、今年やっと動かせるという思いもございます。
東京
そうしますと、そのポストコロナ元年にするというのが、知事の4年間の集大成というか、1つの成果ということになるのでしょうか。
知事
最初からそう考えたわけじゃないですけどね、ポストコロナについては。ただ、そこで進んだ部分があるので、それを活用して、1本横串を刺したいというのは、今年の予算にかけた強い思いの1つでもあります。
日経
先ほどから質問がありました子育て支援についてお伺いします。先ほど、知事、子育て施策について、単純に一側面だけで捉えるべきじゃないということおっしゃいましたけど、これの意味ですね。個人的に捉えた感じとしては、例えば、東京がやってるような、財政支援を基とした施策のようなことを念頭に置いているのかなと思ったんですけど、そのあたり知事のお考えとしてどういう意図でおっしゃったのでしょうか。
知事
いや、別に東京の支援を念頭に置いているということではありません。国の支援も、東京の支援も、もちろん市町村の施策も多々ありますけれども、子育て支援というのは、例えば物を渡すとか、お金を渡すとか、だけではなくて、教育から、あるいはその社会の在り方から全てが、実は子育て支援に直結、若しくは間接的につながっているということだろうと思っていますので、子育てについても、例えば、先ほどのお話があった給付事業等については、単なる給付で終わることなく、孤立した子育てを防止し、市町村と子育て世帯をつなげ、育児の負担を軽減するといった様々な、実はそこには側面、思いが込められています。そういった1つ1つの施策が、子育て支援に関しては単なる1つの側面では語れないと、こういう意味で申し上げたつもりでありますので、どこかの例えば都道府県とかですね、特定の施策を頭に置いたものでは全くございません。
日経
それでは例えば、先ほども、ちょっと質問ありましたけど、その現金給付とかもですね、そういうのを拡充する考えは知事としては、そういう考えはないということでよろしいでしょうか。
知事
私どもとしては、市町村にアンケートを採った結果、現金給付のが今、多いと聞いてますし、選択としては当然あるだろうと思っています。私としても、県の施策についても、より効果的な、先ほど申し上げた手渡しをとにかくしっかりできる、こういった仕組みや、あるいは、その初めてのお母さんやお父さんにとっては、慣れないものもあるでしょうから、そういったものを説明する機会とか、こういったものも得られるといいですねというふうに考えているところでございますので、そこはうまく組み合わせていくことが必要なのではないでしょうか。
テレ玉
大野知事はですね、知事就任以降、新型コロナをはじめ、常に危機対応に追われて、やりたいことよりやらざるを得なかったことを優先したとお話されていたと思います。新年度予算が、よりやりたいことに、これまでよりも力を注げるものになっているのか、今回の新年度の予算に込められた思いというのは、改めて伺いたいんですけどいかがでしょうか。
知事
もちろん義務的経費がありますので、ちょっとそこは置いておいて、いわゆる政策経費としては、実は毎年やりたいことを考えながら組んだつもりであり、結果として危機対応に追われてしまったというのが正直なところなので、今年も中には、新型コロナとかですね、危機管理対応的なものは入ってはいますけれども、基本的には、私としては、将来の埼玉県、未来の子供たち、あるいは起こり得る災害、今の災害ではなくてですね、そこに対する安心・安全のお金とか、こういったものを可能な限り組み入れたつもりでございます。これから危機が来るかどうか私は分からないので、もうこれ以上来てほしくないというのは正直なところでありますけれども、結果として、過去3年はそういう状況になってしまったということは事実であります。
朝日
冒頭で県債についての考え方というところでお話あったかと思うんですけれども、財政調整基金の方で、地方交付税の精算措置等があるという話は伺ってるんですけれども、取崩しの額が残高をかなり上回ってる状況だと思うんですけれども、今の財政運営の在り方と、今後の運営についての在り方の知事の考え方をお聞きしたいんですけれども。
知事
県財政につきましては先ほど申し上げたとおり、債務を負うことが悪い、県債を発行することが悪いわけではなくて、そこはもちろん、慎重に過大な負担を残さないけれども、将来にわたって、これが有効に活用されるものについては、将来世代の負担へと、あるいはその投資として考えていくということなので、単なる県債は負債ではなく投資であるという考え方、ただし、これが余りにも負担が大きくなってはいけないので、正にバランスの問題だろうというふうに思っています。そのバランスの問題というのは、もちろん理想だけでは、お金入ってきません。理想だけではお金は抑えられませんので、当然の話だけれども、支出したものと、それから、県債の残高を見ながらですね、今回について言えば、県債の残高については先ほど申し上げたとおり、償還額が上回ったために残高は減少する、こういった見込みではありますが、これからのことを考えると、そうそう楽観的な見通しを立てられないので、そこは慎重に、償還が上回ったから、その分全部、お金払うとかそういったことじゃなくて、私たちとしては、慎重な予測を立てながら、残高のコントロールをしていくべきだというふうに、県債については考えているところであります。
朝日
基金についても同様、貯蓄が減ってる状況だと思うんですけれども。
知事
基金につきましては、今年度当初で行われました現時点での執行見込みで、3基金で言えば、令和4年度末の残高は1,414億円となっています。このうち、今後出ることが分かっている交付税の精算措置部分が566億、退職手当分が145億となってますので、実質の残高は703億円ということになります。令和5年度当初予算では800億円一旦取り崩すことになりますので、したがって、令和5年度末の残高は619億円の見込みであります。ただし、今年度の交付税の精算措置のために確保する額がありますので、それが309億円、また定年延長を、今年度ちょっと特殊でございまして、定年延長でがくっと、いわゆる退職金が減りますので、そういったもので、今後の財源として145億(円)がありますので、実質分、本当の実質分、真水分でいうと165億(円)ということになります。あるべき姿としては、当初、私たちが予算で取り崩している額が大体500億円でありますので、この2年分程度はあると一番いいというふうに思っていますので、当然、その1,000億というものが目安というか、その目標ということになろうかと思いますので、現時点では、やはりそこに足りない部分がありますので、厳しい基金の運営は変わっていないと思います。若干、去年よりいいというものの、あるいは償還分を清算してもいいとはいうものの、やはりなかなか厳しい状況にあるというふうに考えていますので、引き続きこの基金については、安定的な運用を目指していきたいというふうに考えています。
NHK
DXの推進についてお伺いしたいと思います。聞きなれない県民もいるのかなという印象もあるんですけれども、全庁のGISとの連携で、浸水リスクの見える化など、防災面でも、すごく重要なものかと思うんですけれども、今回、県民にどのように具体的に防災や減災に貢献することができるのか、もう少し具体的に教えていただければと思います。
知事
防災・減災のところでのDXにつきましては、幾つかございまして、まず1つは、さっきGISがあったので先にこの話をすると、これ実は防災・減災だけではないんですけれども、様々なレイヤーといって、この地理情報システムの中に、様々な引き出しみたいのがありまして、これを一緒に組み合わせることによって見やすくなるというものであり、例えば、雨がこれから降るというデータですとか、あるいは、そこにどういった、これはまだ避難所についてはまだありませんけども、避難所があるかとかですね、そういったものを組み合わせると自分たちの行く場所が分かるでしょうし、あるいは先ほど申し上げたこの3Dのビル、これちょっと見にくいですけど、これあのビルが建っていますバーチャルで、ここに仮に浸水をすると、どこまで水が来るのかって2つを組み合わせることによって分かりやすくなる、こういったことをGISで瞬時に分かるということになります。また、危機管理防災対策におきましては、例えば、現場と本部の中で、情報の交流をいたします。様々な情報が入ってきても、これをどのように行うかというのを、今ですね、ホワイトボードに書いたり、付箋を貼り付けたりしてやっていて、これを共有するのはなかなか難しいということになるので、これを例えばリアルタイムでホワイトボードに書くのではなくて、そこでですね、全て乗っかってくるとか、そういったものが見えるとか、あと、その情報加工というのもやります。情報は、その実際の情報だけではなくて、情報分析、情報加工をして、情報発信をする、こういったそのプロセスがインテリジェンスの常道でありますけれども、これを、オペレーションルームでしっかりと行って、これをデジタルで発信するということができることによって、瞬時にかつ多様な情報の中から、適切な情報を集めていくということができます。また、このオペレーションルームの機能の中でもですね、例えばヘリテレ、ヘリから来るテレビ映像、ムービーの映像ですね、こういったものとか、あるいはその御社をはじめとする、様々なテレビ等での情報とか、こういったものを瞬時に様々なところでつなげていくということが出てきます。こういったものをつなげることと同時に、今国でも行ってますけども、次期災害オペレーションシステムとこれを連携させることによって、どういったことができるかということを今、基本設計を見直していこうということで、市町村とのつながりを含めて、見直していくということなので、毎年毎年リニューアルしていきますけれども、今年はそのような再構築の中でも、オペレーションルーム、災害が起きた時の本部の機能について、まずは第一歩で進めていくということになります。
NHK
それから、先ほども予算について1期目の総括という話もあったかと思うんですけれども、新年度の予算について出来栄え、もし何かあれば、率直にお伺いできればと思います。
知事
私といたしましては、そこそこのものができて、特にポストコロナ元年に向けた意思というものを、実は先ほど申し上げたDXの準備が3年間必要だったんです。でも、これがちょうど、そのタイミングで、ポストコロナ元年を打ち出す時に、私たちとして一歩階段、少しはい上がれたかな、こういう思いでありますので、そういった思いから言えば、非常に良い出来でありますが、ただポストコロナ元年のうちの新型コロナウイルス感染症の拡大防止のように、まだちょっと3月の末まで分からない。国の方で、どういった体制なのか分からないといったものもありますので、そこは若干不透明な部分があるので、そこは非常に私たちとしても不安を抱えながら、しかし、この不安を実際の県民の命と引換えにしては絶対にいけない、こういう思いで今は臨むつもりではありますが、ただ、出来栄えという意味では、その部分は若干不安なところがございます。
埼玉
予算についてお伺いしたいんですけれども、今し方、3月以降のところは、コロナに関しては不透明な部分が多いので負担が残るというお話がありましたけれども、新年度予算の内容を見てみると、コロナ関連では、当初予算としては初めてという事業が2つありますけれども、内容としては補正予算で既に対応されているところかなと思うんですが、その新規の事業っていうのは特にないというのは、その不透明な部分があるからということなのか、これまでに既に対応されてきて、今充足しているからなのか、どちらなんでしょうか。
知事
不透明な部分があるから新しい事業はないと言っているのはどういう意味ですか。
埼玉
国の方針が定まらない中で、新しい事業を行うというのが難しい状況なのかどうかということなんですけれども。
知事
コロナ関連の予算につきましては、実は経済の、例えば着地とかを含めると新しい事業は幾つか入ってきております。コロナ対策といっても、毎年状況変わってきて、今年はポストコロナ元年への第一歩と申し上げたとおり、医療提供体制、云々(うんぬん)といった狭義のものだけではなくて、経済、特に先ほど申し上げたDXや環境、こういったものについても、実はコロナと大きく関連をしているということで言えば、新規の予算は、実は入っているということであります。またワクチンバスの巡回、これは今まで試験的に学校等に行ってましたけども、例えばワクチンが受けにくい地域に、これを巡回させていく等については、新たな事業としてお考えがいただけるものだろうというふうに考えています。また今後については、私どもといたしましても、国の状況を見ながらにはなりますけれども、どういった施策を行うかについて、また引き続き、3月末から5月にかけて出てくるであろう情報を基に、コロナの私たちの新しい役割があり得るかどうかといったことについても検討していきたいと考えています。
埼玉
もし新しい役割が必要だということになれば、その時点で補正予算等で対応されるということになるんでしょうか。
知事
ものによると思います。例えばですけれども、今やっている機能が、役割が果たされるまでに、違う形で移行期において、こういったことをやれという場合には、今ある機能の部分が、多分適用されるということになるんだろうと思います。
読売
先日、岸田総理が卒業式についてですね、歌を歌う時以外は、原則マスクは着用しないという方向を表明されたんですけれども、まずその受け止めとですね、もし県として考え方等がありましたら教えてください。
知事
10日付で文部科学省から、卒業式に関しては通知が行われました。そこでは、卒業式の教育的な意義を考慮し、児童生徒及び教職員は、式典全体を通じて、マスクを着用せずに出席をすることが基本ということが示され、今お話があった歌、それからその呼びかけについても、これはもちろん(マスクを着用する)。しっかりとした感染症対策を行った上で、マスクについては外すことで構わない、こういった通知だったというふうに理解しております。まず、式典全体を通じて、マスクを着用せずに出席するというのは私は歓迎しています。特に晴れの舞台で、保護者にとっても門出を祝う節目において、こういったところで、子供たちがマスクを外して笑顔で式典を迎えられることは喜ばしいと思っており、もちろんこれ強制してはいけないと思いますけども、する必要がないというのはいいことだと思います。ただ、問題というかですね、私たちが実は、若干その懸念というか、しておりますのは、これまでも県としては、科学的なエビデンスを示した上で、これがこういったことだということをしっかりと示してほしいというふうにお願いをしてきた経緯があります。確かに、卒業式は大切だと思います。子供たちの笑顔も大切でしょうし、マスクを外すということが、一定の距離がある場合には大丈夫だとか、こういったことをエビデンスで多分、示されたんだと思いますけども、これが卒業式に、4月1日から他のはやって、卒業式だけ特例として前倒しになるということについては、ちょっと私には科学的エビデンスが見えていないので、やはりそういったところから考えると、総論的には歓迎するところではあるけれども、実際にエビデンスを示してくださいとを申し上げてきた立場から申し上げれば、やはりなぜ必要じゃないのか、なぜこれを卒業式はいいのかということが、保護者の皆様にも、あるいは先生にも来賓にも子供たちにも分かるような形で説明をしていただくことが、私は一番望ましかったのではないかというのは、若干留保せざるを得ない部分かなと思っています。
埼玉
埼玉のいちごについてお伺いできればと思います。今月2日にですね、日本野菜ソムリエ協会というところが、「第1回全国いちご選手権」という、いちごのコンテストのようなものを開きまして、春日部市の生産者の方が生産された「あまりん」が日本一の最高金賞に選ばれているんですけれども、この受け止めとですね、埼玉のいちご全般につきまして、今後の期待についてお伺いできますでしょうか。
知事
とても有り難い質問、感謝いたします。是非、埼玉のいちごについてはPRしたいと思っていたところでございます。まずこれ、第1回全国いちご選手権というものなんだそうです。そこで最高金賞を春日部(市)のヒロファームさんが「あまりん」で受賞された、また全国から来たいちごの中で35(品種)が受賞したという話ですが、何と35(品種)のうちですね、埼玉県のオリジナル品種である「あまりん」、「かおりん」等を含めて、何と6品種が、35(品種)の中で6つが埼玉県から入ったということであり、私は埼玉県の生産者の高い技術力、それから県オリジナルとして、「あまりん」、「かおりん」作ってまいりましたけども、この「あまりん」が、県のオリジナル品種が全国ナンバーワンになりましたけども、生産者の高い技術力と、県の優れた品質、これが証明されたんだろうというふうに思っており、今、日本で最もおいしいいちごを作るのは、埼玉県だと胸を張って申し上げたいと思っており、とてもうれしい受賞だったと思いますし、本当に素直に喜んでいます。今後の期待ですけれども、そう思ってるんですが、なかなか他の方がですね、日本で一番おいしいいちごの産地は埼玉県だというのを私以外聞いたことがございません。したがって、ここからPRをしていくことが必要だと思いますので、確かに、埼玉県のいちごは日本で一番おいしいんだということを、県の公式ホームページやツイッターでも御紹介していますが、これにとどまらず、例えば県内外の市場やスーパーマーケット、あるいは観光農園や農産物直売所等のPR、あるいは県内外のホテルだとかですね、洋菓子店やレストラン等への売り込みをするよう、これまで以上に積極的かつ工夫して行うよう、関係部局に対して検討を指示したところであり、近く埼玉産のいちごが全国を席巻(せっけん)する予定になっております。なお、「あまりん」、「かおりん」、生産量はまだ少ないんですが、徐々に増えてきておりますし、会見でも御紹介いたしました、おいしい「べにたま」の供給体制も整いつつあるところであり、今回の受賞を生かして、埼玉のいちごを更に広めていきたいと考えています。本当にうれしい質問ありがとうございます。
東京
先ほどの読売新聞の質問にちょっと関連してなんですが、先ほどの御回答の中で、卒業式でもそのマスクをしないことについて、科学的なエビデンスが見えてこないということをおっしゃってたと思うんですが、ということは、例えば埼玉県では、今後の国の対応次第では、県内の学校では卒業式の時に、マスクの着用を求める可能性があるといった認識でよろしいでしょうか。
知事
先ほど申し上げさせていただいたとおり、総論として卒業生の教育的意義等を考慮すれば、私はマスクをしなくて良い、しないで出席するということを歓迎するというふうに申し上げました。ただ、そのエビデンスが見えないところを留保するというのはそういうことであって、もし仮にですよ、エビデンスとして、いやとんでもないんだという話が出てくれば、当然考えなければいけないことになりますが、現時点では、私どもとしても、卒業式について、マスクを外すこと、あるいはすることについての確実なエビデンスがあるというわけではなくて、やはりそこは教育的意義が優先されたということについては、理解できないわけではないんです。なので、埼玉県として、例えば県立高校だとか、こういったところで、マスクを外すという国の決定と全く違うことを行うというつもりのことを考えているつもりはありません。(終)
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